抵当権を抹消する流れ(売却による完済)

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そもそも、住宅ローンがあるなかでも、家を売却をすることができるでしょうか。これは可能です。完済により抵当権を抹消することができれば、残債の返済途中でも不動産を売却することは可能です。このページでは抵当権抹消の手続きの流れについて、手続き的な説明します。

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代金により完済し抵当権を抹消する

売却代金により完済する場合には、買主からの売買代金の送金を、住宅ローン利用の銀行口座に送金してもらうようにします。

住宅ローンの取引口座に、残債以上の代金が入金されると、資金は銀行によって自動で引落しされます。金融機関は入金の事実を確認できれば、抵当権の抹消に必要な書類を引き渡してくれます。

その書類を司法書士に手渡して、司法書士は登記の手続きをします。登記簿から抵当権の情報が抹消されて、手続きは完了です。

残債を把握と売却価格の見極め

まず最初にすべきことは残債額の把握です。売却スケジュールを考えながら、売却価格の設定を考えます。価格が高ければ売るのに時間がかかりますし、安ければ早く売れます。

残債の把握

最初に行うべきは現在の住宅ローン残債額の確認なのですが、これは売却可能かどうかを判断する上で非常に重要です。残債額を把握することは、売却価格との兼ね合いで、後々の売却作戦の自由度に影響をしてきます。

残債額を確認する方法としては、銀行から半年ごとに送られてくる書類や、オンラインバンキングのローン残高一覧などで確認できます。これはいつでも可能です。そろそろ売ろうかなと考え始めたら、早速準備をしてください。

査定の信ぴょう性を重視せよ

次に、物件の適正な売却価格を把握する必要があります。ここで重要なのは、「実際に売れる金額」を正確に見極めることです。希望的観測による高値の見極めは避け、現実的な市場価格を把握しましょう。市場価値と乖離した金額の査定をもらって行動を組み立てても、売れない金額であれば、後で苦しむことになります。

相場を超えて高く出せば、いつかは売れるかもしれませんが、かなりの時間がかかります。1年以上の売却活動期間も覚悟しなければなりません。

売却予想価格を知るためには売却相談、売却査定などを依頼するほかありませんが、売れない価格で査定されることは意外と多いと肝に銘じてください。とりあえず高額査定で売却委託をとって、後で料理をしようというヤカラがいます。一括査定の査定競争など、競争があおられる場面ではよく聞く話です。担当者ベースならば、意外と大手の営業マンでも少なくありません。

そろばん勘定

そろばん勘定を重視する営業マンや会社だと、囲い込まれることも

売却価格が残債を上回るならば

残債が売却価格を上回るのであれば、売却資金をもとに抵当権を抹消できます。売却の作戦と価格設定はスケジュールに応じて変わりますが、最適な方針で販売を進めましょう。

高い売却価格を得るには、叩き売るのを避けて、「売り先行」により、時間をかけて個人向けの売却で進めたいところです。買い替えでは引っ越しのスケジュールを読むことが難しくなりますが、穴埋めの発生を極力抑えることができる方法です。資金的な余裕があれば、買い先行の二重ローンができるかもしれません。

なお、取得時期が相場の最高時期でない限り、売却価格が残債を上回ることが多いはずです。上昇相場の初期に取得したのであれば、買取業者への売却してもペイするかもしれません。

相場の上昇時期

相場の上昇時期に取得していると現在の売却相場は残債を大きく上回って余裕があることが多く、売却に苦労しない。

時間の余裕がないとき

時間に限りがあるときは、スピ―ディに売却できる価格を想定しなければなりません。低めの相場価格で出せば、時間は圧縮できます。場合によっては買取業者への売却も視野に入れましょう。可能な限り高く売り出したいですが、欲を張れば売れず、時間を消費することになります。

売り出し開始から売却の契約成立まで

売却価格が決まったら、いよいよ売り出し活動を開始します。売出しの段階で抵当権抹消のための作業は多くありませんが、準備すべきことがあります。

必要期間を把握する

売り出し開始の段階では、まずは抵当権抹消手続きにかかる金融機関側での必要期間を把握しておくことです。銀行によって異なりますが、10営業日から1ヶ月程度かかる場合があります。この期間を考慮して売却活動を進めましょう。

まずはお取引銀行の支店やコールセンターにお電話でご連絡をします。手続きの開始を依頼します。手始めはお取引の金融機関とお取引関係にあるお客様から直接ご連絡しなければなりません。その後、店頭(ネット銀行の場合はオンライン)で手続きをすることになります。

ローンの審査

抵当権抹消のため契約時に確認すること

買主が決まり、売買契約を結ぶ際には、決済日を確定させることが重要です。この日程は、抵当権抹消の手続き期間と買主の住宅ローン審査期間を考慮して設定します。借りている住宅ローンが大手銀行や大手地銀なら、申請開始から抹消手続きまで10営業日ぐらいで対応ができますが、それ以外なら、時間もかかります。決済日の判断は、これらの事情も踏まえて考えることが必要です。

ローン解約手続きに向かう

買主のローン承認が見えてきたらいよいよ金融機関に出向いてロー解約の手続きを行います。

手始めは抹消する金融機関への連絡

引渡日が決定すると金融機関への最終返済額が確定します。金利は1日単位で計算しますので、一括返済日が決まりましたら、手始めの作業は金融機関への連絡です。

金融機関に出向くなどの対応を、電話などで相談を開始します。金融機関によっては店頭に訪問する必要がありますので、その日程を打ち合わせてください。

借入れ先の金融機関への連絡内容

金融機関との電話では、次のことをご相談願います。

  • 引渡しの最終日
  • 店頭への訪問・手続き日
  • 必要書類
  • 司法書士による代理受領の可否

このときに、銀行のご担当者様とその連絡先もしっかり確認してください。売却による場合は、相手もある話ですので、実務の進行は当社などの不動産業者にお任せいただければ結構です。そのため不動産業者、司法書士からの連絡が行く旨も明確にお伝えください。

銀行の店頭で手続き

電話で打ち合わせた内容にもとづき、銀行の店頭に出向いていただきます。返済の手続きを行います。ネット銀行の場合はこれをオンラインと郵送でやります。

お取引の金融機関では利息の計算を1円単位で行います。そのため、いちど確定させた日程は、変更の相談は再び1~2週間の期間が必要となり、直前の変更はできませんので、しっかり確認をしておきましょう。

銀行での手続きは、通常は以下の書類が必要になりますので、ご確認をお願いします。

  • 通帳 & 銀行印
  • 身分証明
  • 実印

バトンタッチ

手続きが終わりますと、司法書士にバトンタッチです。司法書士は銀行と連絡を取り合いながら、準備を進めます。抹消書類(後述)に記載される内容を確認しながら、決済日に備えて書類を作成する準備を行っています。確認する作業を「読み合わせ」と言います。

手続きに要する日数

ほとんどの金融機関では手続きに要する日数は1~2週間くらいと案内されるはずです。日程を確認する問い合わせをすると、「電話で14営業日前までに連絡していただき、その後、遅くとも7営業日前までには来店してください」とのご案内されると思います。

かつては、この手続きに1か月くらいを要していました。大きな銀行でも同様でした。政府系や規模の小さい金融機関によっては、いまでも、1か月近く要する期間も存在するかもしれません。

売却決済をする日の動き

決済日当日は、買主の銀行で決済を行います。売買代金の送金は買主の銀行から振込の方法によって行います。

入金の確認

買主からの売買代金の送金は、抵当権がついている銀行の口座への送金を指定します。買主から代金の入金確認後、ローンの自動引き落としが行われます。

この入金と引き落としの確認は、その場でオンラインバンキングなどを使って行うことができると便利でしょう。オンラインバンキングの設定がない場合には、ATMに足を運ぶ対応も必要になるかもしれません。

必要書類

売却により司法書士に依頼して抵当権抹消の登記の手続きを行う場合は、以下の書類が必要です。住民票か印鑑証明は、取得後に当社にファックスもしくは画像を送信願います。ご決済の数日前に、司法書士に字画の確認をしてもらいます。司法書士との手続きは、引渡しの時点で書類を記入していただきます。決済前は書類のご準備だけで結構です。

  • 権利証
  • 印鑑証明
  • 住民票
  • 実印(最終日当日持参)

抹消書類の受領

入金を受け付けましたら、決済完了後、銀行から抵当権抹消に関する書類を受け取ります。抹消書類とは以下のような書類を受け取りに行きます。

  • 弁済証書
  • 登記済証または登記識別情報
  • 委任状

抹消書類は原則的にご本人による受け取りですが、多くの銀行では委任状の交付により、代理人による受取を許可しています。委任状は金融機関の所定の書式があり、抹消手続きの時にもらうことができます。なるべくスムーズに手続きを終えるにも、プロに任せた方がいいと思います。代理受領が不可の場合には、お取引の金融機関のお取引の金融機関まで、司法書士の先生と足をお運びいただきます。

抹消書類を司法書士が受領しましたら、司法書士はその足で登記所(法務局)に向かいます。銀行と登記所の営業時間に事務を完結させなければなりません。そのため売却の決済と抹消書類の受領の手続きは、通常は午前中で完了させます。決済日の調整には、ご留意ください。

法的には決済日付で抵当権が抹消されたとみなされます。抵当権が抹消されたことを確認できる書類は、決済日から2〜3週間後にあがってきます。

以上が、住宅ローン残債がある物件の売却手順です。一見複雑に思えるかもしれませんが、各段階で適切な対応を行えば、スムーズに売却を進めることができます。不安な点があれば、ロータス不動産にもお問い合わせください。

抵当権設定契約書

抵当権設定契約書の例。弁済証書はこの書類に完済済みとスタンプされたものが弁済証書のエビデンスとなります。

抵当権抹消をDIYできる?

自己資金で完済するのであれば、抵当権の抹消登記は自分でも行うことはできます。ただ、ミスが許されない行為です。売却代金をもとにローンを完済して抵当権を抹消をするときは、購入者の権利も関係するので、専門家に任せねばなりません。

抵当権抹消をDIYするなら、費用は司法書士の登記事務手数料が1~2万円で登録免許税は1件の不動産につき2千円です。法律や不動産売買の心得がなければお勧めしませんが、お時間のある人は、節約のため社会勉強としてチャレンジをしてみるのもいいかもしれません。

ネットには参考となる書き方の記事もたくさんありますし、とりあえず書いてみれば、登記相談が可能ですので、法務局に足を進めてみるのもいいでしょう。

売ってもローンが残る場合にはどうする?

売ってもローンが残る場合には、不足分を穴埋めする必要があります。個人向けの売却を行えば相場で売ることができますが、売却により住宅ローンを一括返済できない場合は大変です。

不足分の穴埋め

下降相場だったり、買ってすぐのような場合には、売却価格よりも残債が多いという問題が生じることがあります。置かれている状況によって、作戦の選択肢が変わりますが、残債が多いときは不足分は穴埋めをしなければなりません。

売却価格と残債の関係

売却価格よりも残債が多いと抵当権の抹消に外部の資金が必要

買い替えローンなどの利用する

買い替えが関連する場合は、新しいローンを組むことになります。「買い替えローン」のカタチで買う方の住宅ローンを用いて、穴埋め分を埋める方法もあります。

これは返済比率なども大きく影響してきますので、誰でも取り組める方法ではありませんが、返済比率に余裕があり、安定的な勤務状況であれば対応が可能です。

実際に実現が可能かは、銀行により審査をしてみないとなりません。「買い替えの知識と費用」の「買い替えローン」の記述もご覧ください。

住宅ローンの残債務

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この記事の作者

2010年から(株)ロータス不動産代表。ヤマト住建(株)等OB。宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター他。早稲田大(法)95年卒。在学中は早大英語会に所属。

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