ただ業者のモラルの有無を見分けるには重要ポイントです。モラルを確認できないと、いざという時にお客様を守るかもしれませんし、守らないかも。、要は、「担当者ガチャ」「不動産会社ガチャ」というべき運任せになります(かなり数千万円、数億円のものを、運任せで決めます?)
念のため申し上げますと、両手取引が悪いわけではありません。スムーズに取引がまとまるなら、それも選択肢の1つです。しかし、業者の都合で成約を妨害するのであれば話は別です。それは法律には違反していなくても、モラルとしてはNGです。
ただ、売却委託が欲しいばかりに、「囲い込みをしない」とは、担当者レベルでは口先では何とも言えます。そこで、会社の姿勢として明言することが大切です。ウェブサイトなどでの情報発信はその第1歩となります。
ちなみに大手で囲い込みなしと宣言する会社はありません。私は見たことがないのですが、おそらくいないと思います。囲い込みをしないと明言するだけで、他社から信頼されます。
物件情報をオープンにして、いろんな会社から広告・紹介が出るように
さて『囲い込みをしない良心的な不動産屋です』と言っても、ただいうだけでは掛け声だけです。少し専門的ですが、お客様は「広告許可」に注目してください。2つ目の方法論として重要です。
広告許可で物件情報を拡散
この方針を採用すると、わざわざ一般媒介にしなくても、お客様の物件がいろんな会社から広告が出されるようになります。
客付け業者の自由な広告を許可する
要するに、他社さんの名義でも、SUUOMなどのサイト、各社のウェブサイトで広告をバンバン出していいよと物件情報を開放します。
「広告許可」という概念は決して忘れないでください。これはお客様はだれも知りませんし、不動産業者は絶対教えてくれません。
これは効果テキメンです。なにしろ日本には大手仲介業者、地場業者だけでなく、全国10万社超の不動産会社が存在します。他の仲介業者が自由に広告をして、自由に客付けできます。他の不動産会社の顧客リストにもアプローチが可能です。
広告は不動産ポータルサイト(広告専用サイト)だけでなく、提携の著名サイトにリンクして、情報が展開されます。紙の広告が得意な会社は紙の広告で出すでしょう。
あなたの物件がいろんな業者から宣伝される
文章で説明ではイメージできにくいですので、具体例で見てみましょう。当社が売却を受託した墨田区のマンションがあります。実際に広告許可の方針でレインズに掲載した物件です。
専任で普通の大手業者1社に頼んだり、一般媒介で複数の会社に出すよりも、情報拡散力が高くなることが確認いただけると思います。
まず当社から販売情報が投下される
字が小さいですが、図の下の元付業者の名所の横に「広告可」と書いてあります。広告をしてもいいですよと呼びかけているのです。
つぎに、当社からの販売情報がSUUMOに展開されはじめる
当社の広告を積極的に許可する方針に対して展開されたSUUMOの画像です。5社の仲介業者様が広告掲載の許可を求めてきました。売り出し後1週間の状況です。
同時に当社からの販売情報がアットホームなどに出始める
下の画像はアットホームの画像です。例としてSUUMOとアットホームの2つのサイトを上げましたが、ほかの主な不動産情報媒体にはすべて出ています。
さらに、不動産各社のサイトに展開される
不動産広告の媒体は各不動産業者のウェブサイトもあります。大手業者様、準大手業者様、地元で展開する中堅業者様の掲載例が確認できたので、下記の画像を掲載しました。
確認できないウェブサイトなどを含めるともっと多くなります。



ありとあらゆる媒体に横展開する
- 主な不動産広告サイトに情報が掲載されると他の提携先のサイトにリンクして伝播します。
- ・@Nifty不動産 ・不動産ジャパン ・OCN不動産 ・Goo不動産 ・スマイティ ・Map Fan Web ・ウィーメンズパーク住まいミル ・いつもNAVI ・30min ・マイスマ ・Goo不動産 ・OCN不動産 ・楽天不動産 ・Mapion ・NAVITIME ・Gaccom ・HOME4U ・スマイティ ・カナデルーム ・マンションノート ・ペットホームウェブ ・MAISOKU ・30min ・住まいサーフィン ・IESHIL ・いえらぶ ・楽待 ・健美家
※各ポータルサイトの提携先はサイト側の都合により変更される場合があります。
こんな感じですが、物件情報が拡散していく流れが想像できましたでしょうか? 有名な会社に任せるのも「ブランドがあって安心」など、彼らのよさもあると思います。
しかし、このやり方ですと、大手が管理するお客様も、地場の業者が追いかけるお客様も、いろんな会社のお客様が公平に検討できます。すべての業者のすべての顧客がターゲットになりますので、どちらが買主さんにとってためになるか、明白だと思います。
受託会社も独自の営業活動をする
ちなみに、囲い込みをしないと宣言する会社のなかには、自社では一切広告をしない会社もあります。当社の場合ですと、他社が広告をしなくても、受託会社は販売に責任をもつという考えから、望ましい対応とは考えていません。
当社の場合でいえば、当社自身の広告活動もしています。広告はポータルサイト等の告知も実施します。他社の販売を邪魔しないよう、購入の仲介で提案する「仲介手数料無料・半額」のアピールは控えます。
当社の強みは、検索エンジンで上位表示をされるように工夫して、小さな会社としては驚異的なPVを上げていることです。
今日は当社のウェブサイトにはどのように来られましたか? もし、検索などでアクセスしたのでしてら、そういうことです。
営業エリア23区でPV
年間80万以上!
(※検索エンジン最適化(SEO)といいます。)

多数の内見を取り付けて有利な買主を探す作戦
内見がどんどん増える
実際、このやり方いくと、内見の応募があつまります。お客様を紹介してくれる業者さんは、大手、地元の中堅や、零細業者など多様です。
3か月前後で売却できるイメージが標準
週に1組ぐらいの内見が集まるイメージとなります。おおむね8組~15組ぐらい内見を募って、3か月前後で売却できるイメージが標準です。
多いケースでは60組を集客した実績があります。希少物件で空室でしたので、さすがにこれは冷やかしの内見が多かったと思います。
ちなみに、売却を預かる側の業者は、冷やかしも軽視してはいけません。我々不動産のセールスに携わる者は、細い縁が太い縁に変化していく不思議を経験しています。囲い込みは不思議な縁をひねり潰してしまうので、いけないわけです。
ただ、「両手仲介無し」でも戦いづらいケースはあります。古い区分投資マンションなどです。違う売り方のマーケットが存在しています。
実績例
イメージをしやすいように実績を紹介しす。足立区の築45年(当時)の中古マンションの事例です。なかなか売りづらい物件です。当社より先に売却を受託していた某大手仲介業者がいたのですが、1客しか集客できなかったそうです。6か月目に売主様は契約を解除し、当社が受託して売却に成功したUマンションという事例です。
3つ目の方法論は、不動産会社を見極めるため、次に〈注目すべき点〉は、「徹底した情報公開』です。
今日の成果として、「一件資料」という言葉も覚えていただくとよいでしょう。数千万円のものを売るのですから、言葉を2つ3つ覚えるくらい頑張りましょう。
一件資料の開示をシステムで行う
『一件資料』とは販売図面より詳しい資料を言います。耳慣れない言葉だと思いますが、税額の証明、管理費の内訳、長期修繕計画、修繕履歴など色々です。
あなたの物件の詳細が欲しいときに伝わる
不動産の販売図面には、中身がスカスカのチラシも多く存在します。そこで、より詳細の情報がわかる資料が必要となります。一件資料の情報公開は、できれば業者間の専用のウェブサイトなどを利用して完全公開している会社に注目をするのが理想です。
平常の業務が忙しくなってくると、両手の手数料が可能で、楽な客ばかりに、対応が集中するようになります。結果、物件の紹介と引き合いが少なくなり、値下げをする展開になります。この悪循環を回避するには、情報の開示を人力に頼らず、システム的に処理してる会社を選ぶべきです。
物件を隠したいだけ
詳細の情報の公開後悔なんて、どの会社でも対応するんじゃないのと思う方、甘いです。言えばファックスで送信してくれる会社なら比較的マシです。情報を隠して冒頭のストーリーのような営業対応をしている会社は、けっこう多く存在します。
当社のような、零細ともいえる会社ですら対応できるのですから、大きな規模の会社が対応できないはずがありません。囲い込みをしたいので、やりたくないだけです。公開しなければ後悔します。
利用を検討している不動産業者に、ぜひ「サイトで一件資料を公開していますか?」と聞いてみてください。あれば合格です。普通は屁理屈を言われて否定されます。
リノベーション会社、建売会社などような、自らリスクをとって物件を販売する会社は、もはやどの会社もそのようなサイトを持っています。このことからもわかる通り、本来は必要な措置であるといえます。
買主が必要なタイミングを逃さない
検討資料がなければお客様に多くのストレスを発生させます。しかし買う側のお客様の気持ちを考えるべきです。詳細の情報が買主にすべて届けば、他社客でも十分な検討ができます。
また、当社以外の仲介業者さんも熱意をもって客様の物件をおススメしてくれるでしょう。
訴求できる販売資料
しくみが整っていても、しっかり売れるかどうか心配ですよね。物件を流通させる〈戦略その3〉は良い販売図面です。訴求できる販売資料づくりは、能力の高い人に依頼しなければなりません。実際には業者の大小は関係ありません。
唯一無二の物件としてアピールする
価格競争に巻き込まれないコツは、物件の独自性を印象付けること。知性が必要な部分で、しつこい営業だけではできません。当社で受託する物件は、販売図面を通して的確にアピールします。手を抜く業者も多いですが、調査資料とマーケティングスキルが必要です。
なにより客付け業者にまずアピール
まず客付け業者にまずアピールが必要なのは、お客様に紹介してくれるからです。業者にアピールすると考えれば、必要以上におしゃれである必要はありません。二次利用されることを想定して、独自性がありすぎるデザインは避けるべきです。
写真や間取り図などの素材は、程度の良い素材を使用しなければなりません。大きな間取り・きれいな写真を提供する必要があります。また、スムーズな商談に役立つように、的確な情報が提供されていることが重要です。
このマンションは、事実上、目の前で高い建物が立たず日当たりが保つという点が最大のセールスポイントでした。これを明快に打ち出しつつ、仲介業者が物件の説明に必要な要な情報を漏れなく記入しています。独身の方を想定して、少しかわいらしい印象になるように工夫した販売図面です。広告可と明確に伝達しています。
この家のセールスポイントは建物の前が5m道路があるのと同じ空間が広がっており、日当たりが良好という点でした。仲介業者が仕事をしやすいよう、物件のスペックは的確に伝えています。ファミリーの方をターゲットと想定して、ほっこりした気持ちに近づけるように工夫した販売図面です。広告可と明確に伝達しています。
この部屋は親水公園に面するという強みと駅から10分超というデメリットが引き合う物件でした。メリットはデメリットは現地に設置した販促物での打ち消す説明をしています。仲介業者が仕事をしやすいよう、物件のスペックは水準以上に詳細に伝えているのは同じです。高所得の30代のディンクス世代を想定して、販売図面はクールな印象になるように英字もまぜました。広告可と明確に伝達しています。
このすまいは押上エリアの発展性があるという点が強みであることと、リビングよりも各室の広さを重視視点る間取りという点が強みです。ファミリー世代~高齢世代を想定して、販売図面はほんわりした印象になるようにパステル系にしています。客付けの仲介業者が仕事をしやすいよう、物件で商談に必要となる情報は細かく伝達しています。広告可と明確に伝達しています。
ビジュアルのアピール
物件のアピールにはビジュアルは欠かせません。撮影は広角レンズ付きの一眼レフで実施します。動画など最新のツールの対応を欠かしません。

写真は上が一眼レフです。広がり感のある画像は広角カメラで撮ります。

こちらは標準的なレンズのカメラです。
4つ目の紹介は報告と活動のサイクルです。
足を運ぶ現場主義
空室の場合には、維持の見回りも含め、毎週のように現場に行きますが、や、簡単なホームステージング、物件解説案内の設置などの活動をしています。足を運ぶことで、新たな気づきがあり、販売施策にフィードバックされますので重要です。
居住中で売る場合にはお客さまにもご負担がありますが、あらゆる内見を縁と考えるねばなりませんので、冷やかしの可能性があっても排除は最小限にが望ましいと言えます。
業務報告はリアルタイムで共有
「業務処理状況の報告(報告例)」を行うお客様専用ページを開設します。活動の報告をオンラインで、リアルタイム(即日)で可能です。
これはお客さまにも役にたっているようで、たとえば「内見数が減ってきたので、そろそろ手を打ったほうがいいと思うのですが・・・」などご自身での検討も可能となります。
実は、報告業務を簡素化したいという当社の改善から始めた手法だったのですが、リアルタイムの報告をすると、問題意識を共有できるんだと感じて、強化を進めてきました。
多くの業者さんはいまでも紙による報告だと思います。以前、準大手の報告書を拝見したことがありますが、同じような文言が続くような感じでした。
囲い込みのない商談がどんな感じかご興味はありませんか?
囲い込みのせずに売り切る仕組みは以上の通りですが、実際にはどのように商談に展開されていくかご興味はありませんか?
ここで、今度は、売主さんが勝ったストーリーをを見ていただければと思います。最初の売り出し価格からの10万円引きで収まったのですから、勝ちと言ってもいいと思います。
時間は圧縮していますが、こちらも実話です。
ある年の8月のとある日。郊外に近い下町の一戸建てを販売していました。
この内見依頼書が届く。広告依頼はされていない。しかも炭友さんという有名企業。川崎?神奈川?大手?
炭友さんはたまに広告依頼があるけど基本は地元。けど川崎からの内見依頼は珍しい。ほどなく電話が入る。
川崎の客付け業者:「今週末の内見13時に内見依頼をお願いします。」
元付け業者:「承知しました。」
大手は自社物が豊富なはずだが珍しい。そもそもなんで川崎から?冷やかしなのかな? 遠方から冷やかしにわけないし。。。。
早速お客様にラインで報告。
元付け業者:「今週末の13時に内見依頼です。よろしくお願いいたします。」
売主様:「承知しました。」
当社:「そういえば、もう販売開始から2か月半ですね。8件目の内見依頼です。他社からの広告依頼は15社あって、6社がスーモに掲載してくださっています。市場性は悪い印象ではないと思います。」
売主様:「うん。スーモは見てるよ。これタイミング。焦っちゃダメと思ってるよ。」
元付け業者:「はい。我慢かなと・・・。だいたい1~2週間の間に1件は内見で、多くはありませんが、典型的な販売期間のペースです。広告をしてない会社も含め、物件情報は認知されて拡散していると思います。焦らなくてよいと思います。」
売主様:「はい。私もそう思っています。」
売主さんは外国人の方。当社からのウェブサイト上の売却活動の状況報告ページを見てくさっている。これが日本で(同時に人生でも)2度目の不動産の売却とのこと。賢明な方なのでなんとなく要領はつかんでいるらしい。
ぶっ飛んだ高額査定ではないが、駅から遠い物件なので、スパッと決まることはないとは承知してくれているようだ。しかし内見の流れはおおむね途切れていないので、焦らないでよいという意見にも同調してくださる。むしろ条件を考えると、集客はむしろやや良い感じかなとも思える。
内見の当日。
元付け業者:「販売図面をご覧ください。南側が通路になっています。これが6mの道路があるのと同じで、事実上、日当たりがいいですね。」
検討者様:「なるほど。こういう感じだったんですね。わかりました。」
客付け業者:「ところで、周辺との境界はどうですか? 一応、そのあたりを確認したいです。」
元付け業者:「それはこちらからご案内します。(資料を見せながら)ちなみに資料は当社のサイトにアップしてます。業者さんは、申請により取得いただけます。お客様用には、そちらからダウンロードしてみてください。」
客付け業者:「承知しました。」
元付け業者:「ちなみに、どうして川崎の業者さんが下町のご案内を?」
客付け業者:「お客さまと私の奥さん同士がお友達なんです。御社が他社に対しても広告を許可されているので、囲い込みではないと感じました。」
元付け業者:「なるほど(笑)」
不動産の縁はどんなところから来るかわかりません。翌日、客付け業者さんから物件資料の閲覧申請が来ていた。許可をした。資料を色々ダウンロードしたみたいです。
3日後には別の業者さんから1社内見の申し込みが入ったが、週明けには、なんと、以前に内見した川崎の業者さんから買付申込がありました。以前の資料の請求は、申込みまで想定していたのか。
客付け業者:「お客様は地元の会社の同族企業の役員さんです。当方で事前審査の依頼を受け付けていますが、地元に信金さんにも依頼する予定です。これはお客様から申請します。」
元付け業者:「わかりました。引き続きよろしくお願いいたします。」
聞けば自己資金は豊富。信金はぜひにとのこと。フォローは必要かもしれないけど、流れ的にはこれで決まるイメージかな。。。
もう薄々お気づきかもしれませんが、客付け業者とは、日本で3本の指に入る大手の仲介業者さんです。正しい販売戦略を実行すれば、大手の仲介業者さんも仲間にすることができます。そしてもちろん、この元付業者は当社です
さて、長文となりましたが、ここまでご熟読いただきありがとうございました。当社の売却ポリシーのご案内は以上です。
他社とは違うことを基軸に方針を設定して、サービスをアピールしていますが、このポリシーの正しさは確信しています。これまで3か月ないし4か月での売却をしてきたのがその実証だと思っています。
当社にご用命いただだければ一番うれしいですが、似たようなポリシーを持つ会社にご依頼いただければ、いづれ、そのようなポリシーの会社が増えてくると思います。
そのような仲間のような会社さんなら、当社も客付けをしやすくなると思います。そして、各不動産会社が客付けしやすい環境ができれば、いづれは日本経済の活性化などに連携してくると思っています。
ご理解、ご声援のほど、お願いいたします。
小さな会社が考えた属人的な業務に陥らない工夫が盛りだくさん