ローン事前審査の趣旨や目的

事前審査とは金融機関のサービスです。まさに読んで字のごとしで、ローン貸出の判断について、不動産の売買契約に先だって金融機関が提示してくれます。どの金融機関でも、原則無料で対応してくれます(この投稿を作成した2018年8月の時点)。

不動産の売買契約は、基本は印紙を貼付しますし、契約をすれば、当事者は1か月程度は拘束されます。そのあと、ローンが通らないからキャンセルとなると、売却のタイミングを失ってたいへんです。皆様が想像するより、いろんな当事者が右往左往します。つまり、審査なしに売買契約をするとなると、いささか怖い部分もあります。事前審査はたいへんありがたいサービスです。

ローン

事前審査でやること

事前審査のサービスは依頼をすれば、大手銀行の基本は2~3日、ネット銀行では1週間~1週間半くらいでしょう。事前審査で行う内容は、大きく分けて2本の柱があります。1つは個人の信用の評価です。1つは物件の担保価値の評価です。

個人の収入評価

収入評価においおては、収入と返済が見合っているかの確認が中心となります。重要な指標は収入返済比率です。

住宅ローンは長期にわたるため、金融機関は安定性を重視します。住宅ローンではサラリーマンや公務員が評価が髙い現象が多くみられますが、これがその理由です。サラリーマンの方は原則的に前年分の収入で審査されます。自営業者の方は3期分の確定申告で審査されます。安定性を重視しますので、各年度で大きくばらつきがある場合には、慎重に判断されます。

歩合率の高い業務内容や外資系金融機関にご勤務の方々は、銀行によっては、まれに、ご収入が髙くても安定性が低いと判断される場合があります。

個人の信用調査

信用調査とはいわゆるブラックリスト調査です。住宅ローンでは、金融機関はコストをかけて、信用情報機関のデータを調べます。主なもので3団体あります。3団体とは以下の団体です。

  • JICC(日本信用情報機構。消費者金融系)
  • CIC(シーアイシー。信販・クレジットカード系)
  • JBA(全国銀行協会。銀行系)

信用調査ではこの3団体に当たるのが基本ですが、金融機関によっては2団体とするところもあります。

また、大手銀行や個人が主なターゲットの銀行では、自己破産・個人再生などの情報収集のため、「官報」の情報を丁寧に集めている金融機関もあります。新聞記事を蓄積して犯罪にまつわる情報を蓄積している銀行もあるそうです。反社会勢力の情報についても各種情報源を用いて情報を蓄積しています。警察との交流も進んでいると聞いています。

物件の担保評価

担保評価とは、マーケットで販売したときにいくらで売れるかの判断です。具体的には抵当権を実行した場合です。何年かの後、もしかしたら、将来延滞をするかもしれないことを検討しています。万万が一、延滞が頻発すると、競売に流れます。つまり、競売でいくら売れるかという予測の判断が重要です。将来の価格の判定は難しいので、現時点での評価です。この投稿時点では上昇相場なので問題にはなっていませんが、下げ相場になってくると、実勢相場から掛け目で減額して、評価額を算出する銀行もあります。

土地の権利状態も重要な調査対象です。借地権の場合は慎重に確認されます。建物の状況も重要なポイントで、気になる項目があれば、事前審査のときに報告しておくべきでしょう。既存不適格、違法性等のポイントや、告知事項などが該当します。

膨大なデータを蓄積している大手銀行・信託銀行は、蓄積データを用いて社内だけで評価をします。ネット銀行では、現状は銀行から委託された不動産鑑定会社に依頼するそうです。審査に時間がかかるネット銀行が多く、使い勝手が悪い部分もあるのですが、このプロセスに時間がかかるそうです。

その他のポイント

極めてまれにですが、関与する不動産業者で謝絶されることがあります。筆者で経験があるのが2~3社ほどの売主業者様。過去にローン詐欺まがいの行為など、銀行にとって悪意を行った売主業者の名称は情報が蓄積されています。共同仲介の相手方の業者がNGというケースもありました。金融機関は明確な理由は言わないのですが、反社会勢力か、詐欺まがいで関連ありとされる人が役員な場合に該当するNG理由とのことですので、それらのことでもNGになりえます。

否決される事前審査

同じ事前審査という表現をしても、後日、判断が覆される可能性がある事前審査もあります。全ての金融機関が同様の趣旨で「事前審査」を使ってるわけではないようです。事前審査という表現を用いて良いのか少し疑問の余地が残りますが、ともかく後日判断が覆される可能性がある事前審査は注意が必要です。

なお、不動産業者では、判断が覆る可能性がある事前審査は認識が共有されています。判断が覆る可能性がある事前審査は、事前審査済みとして受け取らない業者がほとんどです。

判断が信頼できる事前審査

大手銀行、大手地方銀行など、従来型の金融機関は基本的にの事前審査の判断を信頼できます。よほどのことがない限り、本審査で否決されることはありません。

ネット銀行の事前は信頼できない

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ネット銀行の事前審査では、ネット経由の申込でお客様が独自で行うものがあります。このタイプの事前審査は、後日、本審査で否決される可能性があります。聞くところによれば、審査と言っても収入返済比率の確認だけとのこと。実態は見込み客の募集を受けつけを目的として、ほぼ何もしていません。

ただ、これも無理もない話で、ネット経由でくる膨大な申し込みに対し、全ての案件でコストをかけてるのは非現実的です。

ネット経由の事前審査の結果により「事前審査は通った」と認識されているお客様がいらっしゃいます。その認識は誤りです。ご注意ください。本審査で否決されることが多いため、不動産業者もその結果を信頼していません。

ネット銀行だが不動産業者を経由した事前審査

一部のネット銀行では、代理店などを通して、不動産業者から募集を受ける事前審査を行っています。基本的に、不動産業者経由の事前審査では、一連の「事前審査でやること」の作業を実施しています。ネット経由の申込とことなり、業者経由の審査ならば、成約までの確率も各段に上がるので、代理店も巻き込みながら、事務量を分担しているようです。やっていることは全く違った内容です。

フラット35の事前審査

フラット35についても、本審査を前提とするのが望ましいでしょう。

上述のネット経由の事前審査と同様で、以前のフラット35の事前審査は、ほぼ何もしていませんでした。そのため、後日の本審査で否決となるケースが多発していました。

フラット35の販売業者がおっしゃるのは、「最近のフラットの事前は住宅金融支援機構でも確認しているので大丈夫です」とのこと。実務で対応している限り、そういう印象を受けます。ただ、申し上げた通り、後日の本審査で否決となるケースが多発したため、「フラットの事前」が信頼されていないという状況もあります。そのため、フラットの事前で売主様が応諾・契約をするかは別、というのが実情です。フラット自体はいいローンですので、少し残念ですね。

一部信託銀行等の事前審査と本審査

一部信託銀行等では、事前審査の判断が「基本的には」覆ることがありません。しかし、価格の値下げなどで契約条件が事前審査と異なると、審査を一からやり直しとするところがあるので、注意が必要です。この意味では「否決される事前審査」の範疇に入るかもしれません。

事前審査の必要書類

より詳細の情報は「ローンの審査と必要書類」に譲りますので、ご覧いただけましたら幸いです。おおむね以下の書類になります。

  • 身分証明(写真付き)
  • 健康保険証
  • 印鑑(認印可)
  • 源泉徴収票(1~2期分)、入社後から現在までの給与明細

本審査ではなにをするの?

判断が変わらないほどしっかりと審査するなら、本審査ではなにをするの?と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。その疑問もごもっともです。売買契約の前に行いますので、実際の契約書・重要事項説明書を確認していません。聞いてないような違法建築や告知事項など、担保評価が変わることがあるかもしれません。まずはその確認です。次に公的な収入証明の書類の確認です。事前審査では性善説、本審査は性悪説で見ている考えればわかりやすいかもしれません。

ただ、書類の後日確認はするものの、形式な本審査は不要にして省力化して、聞いてないことがない限り、判断は変更しないと表明する銀行も出てきました。不動産業者経由のネット銀行ではこのような流れで、一部の大手でも対応を始めています。

ローンの審査と必要書類

事前審査

事前審査は金融機関が行ってくれるサービスです。物件が決まっていない場合は審査ができませんので、まずは物件をお探しください。一般の不動産広告はもちろん、当社の仲介手数料無料の検索サービス利用・手数料の見積もりなどを利用できます。

購入予定の物件が決まれば事前審査ですが、審査の結果は通常2日から1週間程度で出ます。銀行等の金融機関では、当社が窓口になって金融機関に持ち込みます。審査の観点は、収入の継続性、収入と返済の関係、物件の担保評価を金融機関は確認しています。伝統的な通常の金融機関であれば、事前審査の結果は本審査で変わることはありません。伝統的ではない金融機関は事前と本審査で変化が出る場合があります。

必要書類の早見表

下記に必要書類をご案内しますが、これらの書類は事前審査で必ず必要になりますので、もうご準備を始められてもよいでしょう。なお、事前審査の段階ではすべて、コピーで可です。原本は本審査のために保管しておいてください。かいつまんで、ローン事前審査の必要書類を一覧にしました。詳細は続けて記しております。

基本は押印を要しますので、印鑑を忘れないでください。事前審査では三文判でも構いません。

<<事前審査の必要書類>>

正社員の方 源泉徴収票 身分証明(写真付き) 健康保険証
(正社員)勤続の短い方 入社以後の給与明細 職歴書 昨年の源泉 身分証明(写真付き) 健康保険証
(正社員)小規模の企業にお勤めの方 源泉徴収票 会社案内等(業務内容がわかるもの) 身分証明(写真付き) 健康保険証
(正社員)同族企業にお勤めの方 源泉徴収票 会社案内等(業務内容がわかるもの) 身分証明(写真付き) 健康保険証 会社の3期分の決算書
契約・派遣・パート社員の方 源泉徴収票(1~2期分) 雇用契約書(雇い入れ通知書) 勤続期間が分かるもの(更新契約書などが基本) 身分証明(写真付き) 健康保険証
自営の方 確定申告書の控え(3期分) 身分証明(写真付き) 健康保険証(※⇒自営業の方の住宅ローン
会社経営の方 源泉徴収票(3期分) 会社の決算書の控え(3期分) 身分証明(写真付き) 健康保険証
国家資格があるかた 免状等

なお、ネット系の銀行、フラット35は、しばしば本審査で結果が変わることがあるため、事前審査は参考程度とされ、あまり尊重されていません。本審査に進む場合があります。

一般的な銀行は、お客様直接の店頭経由の申し込みは時間がかかりますので、お任せください。また、創業したばかりの不動産業者は金融機関からの信用が少なく銀行に持ち込めない場合があり、お客様が足を運ぶ必要がありますのでご注意を。

全ての方で共通

  • 身分証明(写真付き)
  • 健康保険証
  • 印鑑(認印可)

身分証とは写真付きの公的な発行書類で、免許証・パスポート・マイナンバーカード等が該当します。免許をお持ちでない方は、マイナンバーカードを区役所で作るとよいでしょう。写真付き身分証がない場合、ご本人確認に手間を生じる場合がありますが、できないわけではありません。ただ、健康保険証がない方は住宅ローンの利用は難しいと思います。健康保険で延滞がある方も同様に難しいと思われます。
過去に免許を紛失された経験がおありの方は、対応する不動産業者にご相談すべきかもしれません。

いわゆる正社員の方

一般的な必要書類

  • 源泉徴収票(1~2期分)

正社員には、「雇われ経営者」の方も含みます。通常期は源泉徴収票は1年分で間に合います。課税証明が更新される時期より前の場合(1月~6月を指します)、金融機関によっては、前年度、前々年度の源泉徴収票を要求する金融機関もあります。

「雇われ経営者」とは読んで字のごとしですが、「執行役員」等の方も含みます。

勤続1年未満(源泉徴収票に記載された収入が1年未満の場合)

  • 昨年の源泉徴収票
  • 入社後から現在までの給与明細
  • 経歴書

ご勤続が1年未満でも住宅ローンは可能ですが、給与明細を用いて月収の平均値を計算して年収を逆算します。最低3か月分は必要です。賞与(ボーナス)があれば賞与の分も加算します。産休・育休などの事情で復職された場合も同様に扱うことがあります。

経歴書は転職活動で使う職歴書のようなものが必要で、簡単な略歴をご記入いただきます。金融機関の書式を使います。

小規模企業にご勤務の方

  • 会社の業務内容が分かるもの

ご勤務先の情報については、金融機関は帝国データバンク等の信用調査会社の情報を確認することがあります。むろん、このような信用データベースに未掲載の会社様もローンに心配はありませんが、会社案内、謄本、ホームページの情報などの提出を求められる場合があります。

同族企業にご勤務の方

  • 会社の3期分の決算書

同族企業とはファミリー経営の会社のことです。同族会社にご勤務していても、一族ではない方は、普通の正社員扱いです。一族のメンバーとして同族企業にご勤務の場合は、一般社員であっても、会社と家族が一体で特別な関係とみられます。そのため、会社の決算内容が確認を希望される場合があります。

契約社員・派遣社員・パート社員の方

一般的な必要書類

  • 源泉徴収票(1~2期分)
  • 雇用契約書
  • 勤続期間が分かるもの

勤続期間が分かるものの代表例は健康保険証です。交付年月日から勤続年数が分かります。保険証が変更されていたり、国民健康保険の場合には、入職時から現在までの雇用契約書の控えがあればよいでしょう。雇用契約書も紛失している場合は、ご勤務先に、金融機関所定の書式の「在籍証明」を発行してもらうことで対応してもらえる場合があります。

いわゆる非正規雇用の方も住宅ローンは可能です。もしあきらめている場合は、思い直してください。なお、契約期間や勤続年数(安定性)など、雇用条件に一定の条件がある場合がありますので、ご相談ください。

自営業者の方の場合

  • 確定申告の控え(3期分)

確定申告の控えは申告書のほかに、収支内訳書や青色申告書も必要です。申告書は受領した公印がスタンプされているものが原則ですが、e-taxで申告されている場合は「メール詳細」のプリントアウトで対応できます。

自営の方々に向けのローンについての説明は、自営業の方の住宅ローンの記事も作成しました。ぜひご覧ください。

会社経営者の方の場合

  • 源泉徴収票(3期分)
  • 決算書の控え(3期分)

役員報酬としての源泉徴収票と経営されている会社の安定性を確認するため決算書を要求されます。

既存のローン(住宅、教育、その他)の借入がある場合

  • 現時点での借入内容が分かるもの

「毎月の返済額」「残高」「完済予定日」「利率」や、「借入開始日」「当初の借入額」がわかるものです。契約時に交付された「償還表」や、毎年送付される返済予定表などが該当します。ネットで提供されている場合は画面をプリントアウトします。

カードローン、フリーローン、消費者ローンなどのお借入れがある場合は、ブランドを申告していただき、残高が分かるものを提示します。

資格にもとづくご職業

雇用形態にかかわらず、国家資格にもとづくご職業は資格を証するものの写しを提示します。多くの場合、いわば「どこに行っても食える」と認識してもらえますので、著しいプラスです。

ローンの本審査

売買契約後に融資の申し込みを行います。それが本審査です。事前審査と同様、通常の金融機関では、当社が窓口になります。審査結果がでるまでには1週間弱程度です。ネット系の銀行、フラット35はいきなり本審査に進む場合があります。本審査では必要書類があります。下記の書類は必ず必要になりますので、ご準備を始められてもよいです。

また、売買契約をしたあと、ローンの本審査・本契約の時期を活用して、諸般の手続きを行います。耐震基準適合証明の取得などはその一つです。

すべての方で共通

  • 住民票
  • 印鑑証明
  • 実印

住民票は「世帯全員」「本籍なし」「個人番号なし」で請求してください。押印は実印で行いますので、この時点までには印鑑登録が必要です。

勤務者(被雇用者)の方

  • 源泉徴収票原本
  • 課税証明

事前審査で提示した源泉徴収票と一致する年度の書類を原本で提示します。

他の収入や控除がある方

  • 納税証明(該当年度)

ご勤務先以外のご収入があり、ご申告がある方は本職の源泉徴収票以外のご収入が課税証明に出てきます。この収入の内容と納税に遺漏がないことを公的な書類で証明するため、思い当たる方は、当該年度の納税証明(その1・その2)を取得いただきます。私が経験したケースですと、医師の第二勤務先、講演料等です。
また、ご自身で確定申告をした場合では、源泉徴収票の「所得」と課税証明の「所得」に差異が出ます。この場合も、当該年度の納税証明(その1・その2)を取得いただきます。よくるケースでは「医療費控除」「ふるさと納税」などです。
源泉徴収票は会社(会社に関与する税理士)が作るもので、いわば自分でも作ることができます。そこで、源泉徴収票と課税証明の差異を確認することで源泉徴収票の真正性を確認します。差異があっても問題はありませんので、しっかり提出しましょう。

自営業者の方の場合

  • 納税証明(その1・その2.3期分)

事前審査で提示した確定申告の控えとリンクする年度の書類を原本で提示します。

会社経営者の方の場合

  • 会社の納税証明(その1・その2.3期分)
  • ご自身の課税証明(3期分)

事前審査で提示した源泉や決算書とリンクする年度の書類を原本で提示します。

ローンの契約と決済

ローン申し込みなどと違い、ローン契約そのものは不動産業者はもちろん、ご親族でも代理はできません。借入者であるお客様が金融機関に足をお運びいただきます。ネット銀行ではオンラインで対応できることもあります。ローンの契約に要する時間はおよそ1時間~2時間です。

ローン契約の前後の準備

ローンの契約の前にはローンの住民票・印鑑証明の取得が必要です。登記を行う住所地の住民票、印鑑証明を当日ご持参いただきます。2~3通です。多くのケースでは、一般的には新居を住所にして契約することが多いようですね。また、ローン利用口座の作成などの準備が必要です。ローン契約後は口座宛に、自己資金の移動が必要です。詳しくはローン契約の流れのページで解説しています。

決済と決済後の手続き

決済後にもいくつかの不動産関連の手続きがあります。ローン契約時に住民票を移していない場合は、遅滞なく住民票を移すことが必要です。ローン控除を利用できる物件を購入すると手続きが気になるところです。ローン控除の手続きは、年末に近づくと残高の証明書が金融機関に送られてきますので、それを活用して確定申告の時期に行います。耐震適合が利用できる物件の場合、不動産取得税の軽減措置が利用できる場合がありますが、自動では軽減措置は利きませんので、申請を要します。

銀行住宅ローン金利の決定要因

変動金利と固定金利

金利の体系は変動金利が基礎となる体系と、固定金利が基礎となる体系の2タイプがあります。

変動金利は短期プライムレートが基準になっています。短期プライムレートとは、優良企業向けに対して、1年以内の短期で貸し出す時に適用する、最優遇貸出金利(つまり「プライムレート」)のことをいいます。固定金利は長期金利を基準に決めていますが、長期金利は10年物の国債(日本国債JGB)の利回りが基準となって決まります。

なお金融理論的には、所定の期間の金利差は、変動も固定も、ならすと同じになると言われているそうです。

変動金利

住宅ローンの変動金利は、「短期プライムレートに対して○○%の上乗せ」という形で実現します。本来、短期プライムレートは日々の金融機関の取引により変わりますが、日銀のゼロ金利政策により、長い期間、低水準に抑えられています。変動金利は、半年ごと(毎年4月1日、10月1日)にそれぞれの金融機関の利率の見直しを行っています。変動金利の店頭金利は、2019年現在でも動きはありません。見方によっては半年固定という考え方を取ることもできます。

固定金利

住宅ローンの固定金利の指標は10年物の国債の利回りです。これに連動して「長期金利」が決まります。国債の取引価格は毎日微動していますので、長期金利も毎日微動しています。この長期金利が変動すると、住宅ローンの「固定金利型」も連動して上下に動きます。

しかし、一般個人向けの住宅ローン金利が毎日微動していると混乱が起きて銀行も商売んありませんので、月々の変動にしています。それでも金利は毎月微動します。2019年現在ですと、0.05~0.1%くらい、固定金利は毎月少しづつ動いています。

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銀行金利の決定要素

一般の銀行では、店頭金利に対し、お客様ごとに優遇幅を提示しています。お客様との取引条件により、保証料やその他の利率を乗せます。数式にすると以下のようなものです。また、後述しますが、実際に金融機関で借りるには、金利に類似する必要経費があります。

実際の金利 = 店頭金利 - 優遇幅( + 保証料 + その他) 

店頭金利

店頭金利とは基準金利ともいいますが、銀行が提示する基本となる金利です。実際には、後述するように、店頭金利から優遇幅をマイナスして実質金利を算出します。以下のタイプの住宅ローンで適用されています。

  • 「変動金利」
  • 「期間限定固定金利」

大手銀行における平成30年での変動金利の基準金利は2.475%です。期間限定固定金利は各行によって差異があります。10年以上の固定金利、全期間固定の超長期住宅ローンは別の計算式で計算します。

優遇幅(割引幅)

優遇幅は、取引の条件により決定されます。信用度が高いと金利の優遇幅が広がります。平成30年の実勢相場の優遇幅は、▼1.7%~▼2%の範囲です。優遇幅は主に以下の要因で決定されますが、条件による優遇幅の設定は銀行により異なります。

  • 頭金の比率
  • ご勤務先の信用度、勤続年数
  • 収入に対する返済比率
  • 返済期間(完済時年齢)

多くの銀行では、物件の価格以上の借り入れを希望する場合に、優遇幅がなくなるか、縮小される場合があります。最悪の場合は融資不承認もありえます。そのため、諸費用を圧縮して、手元の費用を頭金や諸費用に割り振ることができる仲介手数料無料のサービスは有利な選択肢です。なお、延滞をすると金利優遇は終わります。

保証料

保証料とは「保証人になってもらう費用」であり、保証会社に対して支払うものです。賃貸住宅を借りる場合は半月~1か月の保証料を支払ったりします。会社でお金を借りる場合の保証協会に加入します。このようなシステムの住宅ローン版のようなものです。通常の個人ローンでは、個人を保証人として立てることがあると思います。しかし、住宅ローンは数千万ですから、保証人になってくれる人は多くはありません。銀行も一般個人を保証人として立てられても、受け付けられないことがほとんどです。

そこで、保証料を支払い、保証会社に保証人になってもらいます。これにより銀行は債権を保全できるので、安心してローンを出すことが可能なります。保証料は一括先払いすれば、総支払いでは安くなります。保証料は金利に上乗せして支払うことができます。金利上乗せの場合の通常の料率は0.2%です。

ちなみに保証料は「保険料」ではありません。いわば、「信用」をお金を払って買う行為といえます。もし将来、万々が一お客さんが延滞しても、保証会社が一時的に建て替えて払ってくれます。しかし、ローンの請求権は保証会社に移り、保証会社からの取り立てに変更されるだけです。

※保証料はお客様の信用力に応じて変化します。通常は0.2%~0.5%の範囲のようです。

その他

その他は、団体信用生命保険料、会員料などです。また、一部の銀行では「事務手数料」という形で定率を払う選択肢もあります。この内実は金利です。金利を先払いすることで、金利を安くできるわけです。

基準金利の設定の考え方

多くの銀行では基準金利から優遇幅を割り引いて、最終金利が決定すると申し上げました。それでは基準金利はどのように決定されるのでしょうか。各銀行のサイトや説明書きの細かい部分を見ると出ています。

多くの場合は、ローンを貸し出す各金融機関が「短期プライムレート」(短プラ)を基準にして、それに連動させています。短期プライムレートとは、優良企業に適用する優遇金利のうち、1年以
内で貸し出す場合の金利のことです。

一部の銀行では、短期プライムレートとの連動をうたわない銀行もありますが、これは金融機関が一存で住宅ローンの金利を決めることができるということで、金融情勢がひっ迫したときには危ないのではないかと、批判する金融機関もあります。

ここでは、各銀行のサイトから抜粋した文言を記します。

三菱UFJ銀行 基準日(※)における基準利率(当行の短期プライムレート連動長期貸出金利)と前回基準日における基準利率を比較し、基準利率の変動幅と同一幅で適用利率を変更します。
住友銀行 新規ご融資利率は、当行所定の短期プライムレートに連動する長期貸出金利を基準とする利率にて決定します。
りそな銀行 ・「変動金利型」の場合、ローン基準金利を基準に定めた当社所定の金利を適用します。
みずほ銀行 ・「変動金利型」の場合、ローン基準金利を基準に定めた当社所定の金利を適用します。ただし、基準日(3月1日、9月1日)以降、次回基準日までに短期プライムレート連動長期貸出金利(期間3年超)が年率0.5%以上乖離した場合は1ヵ月後の応当日より適用金利を見直しさせていただきます。
ソニー銀行 ソニー銀行で毎月決定する基準金利は、資金コスト(住宅ローンの貸し出し資金をソニー銀行が調達するために必要なコスト)や営業コスト、および収益を加味して決定されます。最も大きな変動要因は資金コストで、このコストは変更日前数ヶ月における銀行間で取引されている金利の動向や、国債の利回りの動向など、該当する期間の指標と連動して上下します。
SBI住信ネット銀行 短期プライムレートに連動した金利が適用され、半年ごとに見直しがある。
楽天銀行 新規ご融資基準金利は、市場金利等をもとに楽天銀行が決定し、毎月15日以降に、翌月分の基準金利を楽天銀行ウェブサイトでお知らせします。

各銀行のリンク

主な金融機関のローンページのご紹介です。

不動産の税金

取得時の税金

印紙税(売買契約書)

売買契約書には印紙税(国税)がかかります。印紙税は契約金額によって決まっています。現時点までは、1,000万円超5,000万円以下のときは1万円、5,000万円超1億円以下のときは3万円、1億円万円超5億円以下のときは6万円です。(平成30年までの時限措置)

消費税

個人間売買では、土地建物とも非課税です。消費税は土地に対しては非課税です。

登録免許税(国税)

登録免許税とは不動産登記を行うときのかかる税金です。住宅ローン控除が利用可の物件は、同じ基準ですので、登録免許税の軽減も受けることができます。

  • 【土地所有権移転登記】:戸建購入のうち、いわゆる土地の「名義の変更」です。
  • 【建物所有権保存登記】:戸建購入のうち、建物を新築・購入したときなどに行なう、最初の登記です。
  • 【建物所有権移転登記】:中古住宅購入のうち、いわゆる建物の「名義変更」です。
  • 【抵当権設定登記】:戸建購入の際、ローンを使う場合は抵当権が設定されます。債権額(=借入額)に応じて登録免許税が変わります。

印紙税(住宅ローン契約書)

住宅ローンの借入契約にも印紙税(国税)がかかります。現時点では契約金額が500万円超1,000万円以下のときは1万円、1,000万円超5,000万円以下のときは2万円、5,000万円超1億円以下のときは6万円となっています。

不動産取得税(都道府県税)

土地建物を取得した際にかかる税金です。
登記をもとに、都道府県庁から納税通知書が来ます。平成24年3月31日までに戸建を購入した場合税率は評価額の3%です。要件を備えた居住目的の一般的な住宅の購入なら、軽減措置を受けられる場合があります。住宅ローン控除が利用可の物件が不動産取得税の軽減設けることができます。おおむねローン控除と近い基準です。

その他

多くの場合では、売買契約の決済時において、歴年度の課税に清算を行います。

保有の税金

固定資産税・都市計画税

固定資産税・都市計画税は土地・家屋・有形償却資産を課税対象としています。土地と家屋については登記簿等で所有権移動の実態を把握しています。都市計画税は、市街化区域で課税されます。東京都の場合、固定資産税は課税標準額の1.4%。評価額から減免措置を計算し、課税標準額を決定しています。都市計画税は課税標準額の0.3%です。

なお、不動産収入がある場合には、不動産所得にかかわる所得税がかかりますが、総合課税です。

売却の税金

所得税(譲渡所得)不動産を売却するときにかかる税金は、印紙税と所得税です

譲渡の所得の税金

所得税は、所得の分類としては、「譲渡所得」という所得に対して課税されます。詳細は一稿を設けましたのでご覧いただければ幸いです(⇒不動産の譲渡所得と軽減措置)。

譲渡所得は、「利益」に対して課税されます。「利益」とは、不動産を売却した価格から、売却に要した経費と取得に要した経費を差し引いた後に残ったものです。不動産の譲渡所得に対する所得税は、通常の所得から分離して、特別な計算をすることになっています(分離課税)。税率も異なります。所有期間が短いほうが高い税率が課税されます。長期譲渡所得と短期譲渡所得では課税方法が異なります。短期と長期の区別は、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていると長期譲渡所得。5年以内なら短期譲渡所得になります。

期間
譲渡所得の分類
税率
使える税控除
所有期間が5年以下
短期譲渡所得
所得税30%
住民税9%<
3,000万円の特別控除
所有期間が5年を超える
長期譲渡所得
所得税15%
住民税5%
買い換え特例(買い替えの場合)
3,000万円の特別控除(譲渡損が出る場合)

印紙税

印紙税は契約金額によって決まっています。
平成23年3月31日までは、1,000万円超5,000万円以下のときは1.5万円、5,000万円超1億円以下のときは4.5万円、1億円万円超5億円以下のときは8万円です。

譲渡所得の計算

譲渡所得=売却価格-売却費-取得費 となります。

1.取得費

その売却する土地建物を購入したときの購入代金や、購入に要した仲介手数料、購入後にその物件に対して支出した改良費などを指します。なお、建物の取得費は、購入してから売却するまでの所有期間に発生した減価償却費相当額を差し引いたものですので、注意してください。

2.売却費

土地や建物を売却するために要した費用で、売却のための仲介手数料、登記費用、売買契約書の印紙代などです。

中古マンション(住宅)購入の諸費用と内訳

一般的な中古マンション(中古住宅)のローンであれば、必須項目の内訳は以下の通りです。

  • 売買契約の印紙
  • 調査事務・ローン事務手数料
  • ローン契約の印紙
  • ローン事務手数料・ローン保証料
  • 登記費用(司法書士報酬・登録免許税)
  • 清算金
  • 火災保険

物件により必要性が変化する項目の内訳もあります。

  • 仲介手数料
  • 各種の建物検査・証明費用
  • 不動産取得税

この記事では、流れに沿って、諸費用の項目を解説をいたします。

主な諸費用について

ローンの組み立てと物件により、諸費用は変化します。このなかで変化が大きいのがローン費用です。各銀行の競争により多様なローン商品が出てきています。費用の名目も多様化してわかりづらくなっていますが、基本は同じです。また、費用総額も大きくは変わらないようです。そのためあまり心配をせずとも大丈夫です。

売買契約時

仲介手数料※

もちろん、仲介手数料が無料の場合は不要です。一般的な仲介会社は「物件価格の3%+6万+消費税」です。当社では仲介手数料は無料か半額です。仲介手数料が発生する場合、総額の半金を売買契約時に支払います。民法上は売買契約が成立することで請求権は発生するのですが、消費者の心理や慣例・慣習になじまないため、役所の通達で、成約時半金+決済時半金とされています。当社もそれに準じています。

売買契約の印紙

売買契約の印紙は契約金額によって変わります。1000万円以下は5千円、5000万以下は1万円、1億円までは3万円です。印紙は国税です。

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm

弊社のローン・調査事務手数料

弊社の場合、調査費用を承ります。この費用は重要事項説明書のための調査費用に充当しています。重要事項調査自体は法定で、必ずどの業者でも行います。しかし、仲介手数料無料とはいえ、売主さんの鵜呑みにして重要事項調査報告を書くのは、若干心配もありますので、費用をお願いしています。なお、弊社の場合、この費用は現金購入かローン購入の場合で変わります。

金額は当社では税別3万上限です。他社でも同様の費用の請求はありますが、会社さんによって、金額は多様です。5万、8万、10万と多様です。

ローン契約時

ローン契約の印紙

ローン契約の印紙は、借入額によって変わります。借入額が1000万円以下は1万円、5000万以下は2万円、1億円までは6万円です。印紙は国税です。

https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/7140.htm

証明費用※

物件により各種証明が必要な場合があります。多くは不要ですが、ご利用するローンや築年により変化します。主に以下の証明です。

決済時

登記費用

登記費用は、名義変更にかかる費用です。ローンを借りた場合は、抵当権設定の費用もかかります。費用の内訳は、登録免許税(国税)と司法書士の手数料です。登録免許税は高額エリアほど高くなります。

国税と司法書士の報酬を、司法書士を経由して支払います。

条件に合致する物件は、登録免許税が軽減されます(自己居住の物件、登記面積50平米以上、マンションなら築25年以内)

仲介手数料※

決済時の残金半分です。もちろん、仲介手数料が無料の場合は不要です。

ローン費用※

ローン手数料

銀行の保証会社から請求される事務手数料です。利用する金融機関によって変わります。銀行は安いです。金融機関に支払います。

保証料

保証料とは、銀行の借入に対して、保証会社に保証人になってもらうための費用です。銀行のローンを利用する場合に支払います。なお、保証料は保険ではありません。保証料無料の銀行もありますが、手数料が高い場合もあるので注意が必要です。保証料を後払形式で金利上乗せ払いにすることもできます。通常は0.2%アップです。繰り上げ返済をすると若干の還付があります。

管理費清算金・固都税精算金

管理費と固定資産税等は、日割りで清算をします。管理費は管理会社に、固定資産税等は都道府県税です。

引渡後

火災保険※

多くの金融機関では、火災保険の利用が契約条件に入っています。保険料は損害保険会社に支払います。本来は保険がかかり始める引渡時が基本なのですが、最近の火災保険はキャッシュレスとなって、1月程度のあと、カード・自動引落でのお支払いが多いようです。

不動産取得税※

物件にもよりますが、取引完結後に発生する可能性がある項目は不動産取得税があります。住宅ローン控除が可能な物件であれば、不動産取得税は軽減措置の対象になる可能性がありますが、具体例は担当営業員にご確認ください。

マンションの構造


構造の分類

構造用の鉄骨

まず、マンションの構造はマンション構造の組立て方により、「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類に分類されます。

現在のマンションでは「ラーメン構造」の方が一般です。壁式構造では構造材として鉄筋コンクリートを用いますが、ラーメン構造では高さによって構造材が異なる傾向があります。

ラーメン構造

柱と梁で建物を支える構造。ラーメンという言葉は、ドイツ語の「額縁(Rahmen)」という意味から来ています。中華そばではありません。長方形に組まれた骨組み(部材)の各接合箇所を接合したものです。鉄筋コンクリート造、鉄骨造でよく用いられる方法です。屋内の壁で建物を支えることはありませんが、これを施さなくても、地震などの横揺れに耐える構造とされています。柱や梁の出っ張りがあり狭く感じますが、屋内の耐力壁で部屋を仕切ることがないため、間取りの変更にも柔軟に対応でき、リフォームしやすいのが特長です。比較的大きな部屋を造ることができます。当社:(株)ロータス不動産のサイト販売情報では四隅に柱が出ていればラーメン構造と推定していただけると思います。

壁式構造

壁と床で建物を支える構造。柱や梁の出っ張りがなく室内がすっきりとして広く感じるのが特長ですが、屋内の壁も建物を支える構造のため取り払えない壁が多くなり、リフォームしにくくなります。壁構造のマンションは5階ぐらいが限度です。当社のサイトも含め、販売情報では、鉄筋コンクリート造と記載されていることが多く、文字のスペックだけではわかりづらい場合があります。簡単な見分け方は間取り図の四隅に柱がないこと、室内の間仕切壁がコンクリート製であること、壁の間に目地が等間隔で存在していて、パネル形状に見える(プレキャストコンクリート工法)などの特徴から推定できます。

壁式構造は構造的に十分な地震応力があるケースが多いです。分譲されるマンションのうち壁式構造の場合はプレキャストコンクリート工法であることが多く、すべてに適用されるのではありませんが、ある程度の高い確率で、耐震基準適合証明の検討が可能な場合があります。プレキャストコンクリート工法とは工場で生産したコンクリート部材を用いて施工する方法です。壁式工法として、壁と床天井の6面で耐震性を確保し、工場で生産されるため部材も均質化されており、高い耐震性を確保できている場合があります。耐震基準適合証明の取得を検討しましょう。

柱・壁構造の分類

また、造に使用される柱・壁の材料により、いくつかに分類されます。建築技術、建築材料の進歩により、それぞれの短所も改善されてきていますので、この特徴は改善されていますが、おおまかな傾向は下記の通りです。

鉄筋コンクリート(RC)造

中低層マンションに多くみられます。鉄筋は、「引っ張られる力」に強いのですが、「圧縮される力」には弱い性質をもっています。一方、コンクリートは、「圧縮される力」には強く、「引っ張られる力」には弱いという性質をもっています。そこで、鉄筋の周りをコンクリートで固めることにより、お互いの長所と短所を補おうというものが、RC造です。8階建て程度までが多いです。

鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造:

高層マンションに多くみられます。鉄骨の骨組みのまわリに鉄筋を配置し、コンクリートで一体化した構造です。最も強度が高く、耐火性、耐久性、耐震性に優れています。高層マンションにおいて、強度的にRC造よりも強いものを求められる場合に用いられます。工期が長く、工事費も高くつくことが欠点といえます。上層階の一部をRC造にして欠点を回避する手法もみられます。

鉄骨(S)造

超高層マンション造:骨組みに鉄骨を使った構造です。

一般のマンションと同じくコンクリートを用いた工法で超高層マンションを建設すると、柱の下部を太くしないと建物を支えきれなくなります。また建物自体の自重が相当量になるため、自重が重くなるコンクリートは使えません。こうなると超高層の1階は柱だけということになりかねず、建物として使い物になりません。そのため超高層で広く用いられるのは、建物の下部のみ鉄筋コンクリート造とし、大部分を鉄骨造にする方法です。

鉄骨造は地震に強く、広い空間を確保でき、間取りに自由度があります。鉄骨造の場合、強い風で建物に微弱な揺れが生じやすいため、風による揺れを解消するように建物に「制振装置」を付けるのが一般的です。

特にCFTと呼ばれる構造(コンクリート充填鋼管構造。鋼管製の柱の中に高強度のコンクリートを充てんして、鉄骨梁と組みたてる)は、鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造に比べて柱の剛性が大きいため、部材の断面を縮小でき、空間の自由度と施工性にすぐれます。

マンションの外壁

厚さは厚いほど丈夫なのですが、マンションの外壁の厚さは150mm~180mmが一般的です。厚さも大切ですが、そのつくりが問題となります。マンションの外壁には鉄筋を入れますが、「ダブル配筋」といい鉄筋を2列にするのが一般的です。しかし中には「シングル配筋」という鉄筋が1列しかない場合もあるので注意です。当然ながら「ダブル配筋」の方が地震などの衝撃に強く、亀裂が入りにくくなります。ただ、これらの情報は中古のマンションでは取りにくいのが実情でもあります。亀裂対策としては、「誘発目地」というものがあります。目地の部分に亀裂を誘発し、その部分だけに亀裂を集中させるものです。3mくらいの間隔で「誘発目地」をいれるのが理想とされています。

戸境壁

戸境壁(こざかいかべ)とは各専有部分の境となる壁のことです。戸境壁の厚さは当然厚ければ厚い方が遮音性は高くなりますが、現在は180mm~200mmの暑さが一般的です。

アウトフレーム逆梁工法

「アウトフレーム逆梁工法」とは、「逆梁工法」と「アウトフレーム工法」を組み合わせです。「逆梁工法」とは、大梁とスラブと呼ばれるコンクリート板の位置を逆にする工法。スラブで梁を持ち上げるかっこうとなります。サッシの高さを高く設定し、明るい開放的な空間になります。「アウトフレーム工法」とは、柱と大梁を外側へ持ち出す工法。そのため柱の出っ張りがなくなり部屋が広く使えます。 「アウトフレーム逆梁工法」は「アウトフレーム工法」と「逆梁工法」の2つの特徴を兼ね備えており、室内は柱や梁の出っ張りがなく、窓やサッシが高い明るい空間になります。そのため「アウトフレーム逆梁工法」は最近のマンションでは人気の工法のようです。

床の構造

床コンクリートの厚さのことをスラブ厚といいます。スラブ厚が厚いほど音が響きにくく、20cm~25cmが望ましいとされます。ただしスラブに複数の空洞を空ける「ボイドスラブ工法」はスラブ厚が25cm以上が目安です。超高層マンションでは石膏ボードの間に防音材を挟んだ「乾式耐火遮音壁」が多く、遮音性能はdB55~60以上が望ましいとされています。

ちかごろは床・天井が二重構造になっているのもみかけますが、二重構造となっていれば配線や配管の工事がしやすいというメリットがあります。そのおかげで配管のためにキッチンの床を高くしたり、照明器具の設置場所を固定する必要がありません。将来リフォームする際に間取の変更などが容易になります。

ただし、二重構造のために衝撃音が共鳴してしまう太鼓現象によって遮音性が低下するおそれがあります。遮音対策としては二重構造になっている隙間の部分に緩衝材をつめるのが効果的です。床スラブは広くなると遮音性が低下します。そのために梁で囲まれた床スラブの面積が狭くなればなるほど遮音性は高まります。さらにマンションの床では仕上げとしてフローリングやカーペットを敷きますが、この仕上げ材の種類によっても遮音性が変わりますので注意することが必要です。

マンションの地盤対策

基礎工法は、建築設計家核に先立って地質調査を始めとする綿密な地盤調査を行い、地盤に合わせて直接基礎にするか杭基礎にするか、マンションの基礎を検討します。設計の前に、まず建設場所の地質調査や標準貫入試験などの地盤調査を行い、支持地盤の位置を確認してから、その地盤に応じた基礎の設計を計画することになります。

直接基礎

建物の底部を地盤で直接支えます。

杭基礎

地中に杭を打ち込み、その上に建物をのせます。地表近くの地盤に十分な強度を得られなかったり、地中深くに支持層がある場合でも、杭が基礎と一体化して強固な地層にする杭基礎が確実に建物を支えます。

ところで、最近では海岸沿いのマンションが増えていますが、注意しなければならないこともあります。海岸沿いのマンションは埋立地に建てられている場合があり、そうすると地盤が弱いという問題点がでてきます。地盤が弱い立地にマンションを建設する場合、地震の対策として地面に長い頑丈な杭を打ち込み、それを土台として建設されます。当然、地盤が弱ければ弱いほど杭の長さは長くなります。杭の長さが長くなると、当然その分建設費用が高くなります。また、杭長がひたすら長いちということは、ゲタの上に建物が建っているようなものです。

地震対策のためのマンション構造

耐震に関心の高い方は、「新耐震」という言葉をお聞きになったことがあるかもしれません。この「新耐震」とは、それまでの地震被害を元に建築基準法を見直し、1981年に新しい基準を設けたものです。「新耐震」では、関東大震災級の震災が到来しても建物の倒壊などの被害が生じないように耐震構造の基準をあらためています。現在建築されているあらゆる建物は、この基準に基づいて設計されていますが、マンション・一戸建てとも阪神淡路大震災では、新耐震以降に建設された建物の被害が少なかったことで、基準が有効であると実証されたと見られています。

地震対策のためのマンション構造は大きく分けて3種類ありますそれぞれについては下記の通りです。

耐震構造

大きく「強度指向型」と「靱性指向型」に分けられる。「強度指向型」は柱や梁などを強固にして、建物が変形せずにマンション全体が揺れる構造、「靱性指向型」揺れに抵抗せず建物がしなやかで柔らかい構造。「強度指向型」の場合、地震による耐性を強めれば強めるほど、柱や梁などが大きくなり、その分部屋が狭くなるので、建築基準法の基準をクリアする程度に収められる。

免震構造

建物の基礎の部分に地震対策用の装置をはさみ、建物に伝わる地震の揺れを軽減する。柱や梁などを太くする必要がない分、メンテナンスの費用がかかる。マンションによってはこの免震構造用のメンテナンス費用を管理費に含めていない場合があるので注意。

制震構造

地震の揺れを建物内の装置や部材で制御して揺れを抑える。超高層マンションなどで採用されることが多い。ほとんどのものがメンテナンスを必要としない。

いかがでしたか?ご参考になれば幸いです。お役に立った場合はシェアしていただければ幸いです。

住宅購入の必要書類

【この記事の概要を動画で説明しています】

当社は仲介手数料を無料/半額ですので、仲介手数料無料の可否確認にて、気になる物件の取扱い可否と仲介手数料見積りをご案内します。他サイトの案件もおおむね対応可能です。

購入申込時

不動産購入申込書

購入申込書の書式は各不動産業者が備えてありますのでご心配は不要です。参考として(株)ロータス不動産の申込書式をリンクしております。購入申込時にローンの事前審査をいただきますので、次の項目もご覧ください。

お客様としては、購入申込の段階では、身分証の提示を求められることがあります。


当社の申込書式例

申込書契約書とは違います。申込は契約の前段階となる意思表示です。契約ではありませんので、後日、事前の説明などと異なる場合は、押印前ならキャンセルを申し出ることも可能です。慎重な申し込みは重要ですが、過度の緊張も不要です。通常では住宅ローンの契約前審査(事前審査)を実施して、ローンの借入能力があることを確認してから本契約です。申込書は契約書ではありませんので、この時点で金銭の授受はありません。申込書の記入内容の詳細もぜひご覧ください。

申込アクションの段階で危険な兆候を示す業者を見分けるヒントを会員向け記事に記入しています(⇒会員向け記事にジャンプ)。

住宅ローンの事前審査

お客様の購入申込を受けて商談を本格化させます。商談がまとまれば、関係者は契約の準備に入ります。その準備の一つが住宅ローンの事前審査です。事前審査とは、売買契約に先立って、金融機関がローンの可否の判断を提供してくれるサービスです。主要な銀行であれば、当社((株)ロータス不動産)でも住宅ローンの審査の窓口の対応をいたします。

住宅ローンの事前審査で必要な書類は、身分関係、所得関係、物件関係です。事前審査では、詳細は「ローンの審査と必要書類」の記事にも記しました。

1.身分関係の書類

身分関係の書類は写しでも構いません。原本は後日の本審査に利用します。

必要書類 内容
身分証明書 コピーを提出。運転免許証、パスポートなどで、写真付きが基本です。外国人の方は在留カードが基本です。裏・表面が必要です。
健康保険証 コピーを提出。勤務先名称、勤続年が確認できます。裏・表面が必要です。
雇用先との雇用契約書等 いわゆる非正規雇用とされる「契約社員」「派遣社員」の方は、雇用契約書と金融機関が指定する期間の雇用通知書が必要です。※ご勤務形態により、雇用保険被保険者証の写しを求められることがあります。
「経歴書」 ご勤続年数が短い場合。通常は勤続3年未満です。書式はご用意します。
会社案内等 自営業の方や会社経営の方や親族企業、小規模企業にお勤めの方は必要です。会社案内、登記簿謄本、ご勤務先のサイトのURLの提示など、事業の形態がイメージできるもの提出を求められる場合があります。

※免許証の紛失経験がある場合の注意を会員向け記事で記入しています(⇒会員向け記事にジャンプ)。

身分証明書について

不動産売買において身分証明書は欠かせません。住宅ローンや登記といった場面で必要となります。身分証明書としては運転免許証が一般的ですが、免許証がない場合でも、ほかにも方法はあります。身分証の要件は、以下の要件を備えている必要があります。

  • 顔写真付きのもの
  • 名前と生年月日と住所が記載されているもの
  • 国などの公共機関が発行したもの

したがって、以下のような書類が身分証として利用できます。ご不安がありましたら不動産の担当者区確認をしていただくのがいいでしょう。

  • 運転免許証
  • 日本国パスポート(旅券)
  • 個人番号カード(マイナンバーカード)
  • 運転経歴証明書
  • 小型船舶操縦免許証
  • 動力車操縦者運転免許証
  • 船員手帳
  • 海技免状
  • 耐空検査員の証
  • 航空従事者技能証明書
  • 運航管理者技能検定合格証明書
  • 猟銃・空気銃所持許可証
  • 教習資格認定証
  • 宅地建物取引士証
  • 無線従事者免許証
  • 警備業務検定合格証明書
  • 電気工事士免状
  • 認定電気工事従事者認定証
  • 特種電気工事資格者認定証
  • 戦傷病者手帳
  • 身体障害者手帳
  • 住民基本台帳カード(2015年12月をもって発行停止)

2.所得関係の書類

身分関係の書類は写しでも構いません。事前審査のために不動産業者に原本を渡すお客様もいらっしゃいますが、原本は、他の不動産業者・物件にお申込みを変更したりすることもありますので、コピーを利用しましょう。正式申込・本審査の時に使いますので大切に保管してください。自営の方は確定申告・納税に漏れがないかをご確認ください。確定申告自体がない場合はローンの利用ができません。⇒会員向け記事にジャンプ)。

源泉徴収票のコピー(勤労者の方。1~2期分)

転職から所定の期間に満たない場合は職歴書が必要です。現在ご勤務の会社における1年分の所得が源泉徴収票に記載されていない場合は、給与明細が必要です(少なくとも直近3カ月とボーナスですが、多ければ多いほど良い傾向があります。平均値でご勤務先での年収を推計します。)

自営業者の方は確定申告書の控えのコピー。3期分が必要です。

・申告書の部分と収支内訳・青色申告の部分も必要です。etaxの場合は受付記録(「メール詳細」ともいうようです)を添付願います。なお、税金対策などで赤字で設定されているお客様もいるかもしれません。事前にご相談ください。赤字の対応は会員記事で(⇒会員向け記事にジャンプ

・非上場の会社を経営されている方や、経営者と同族の方は、源泉徴収票以外に、ご経営の会社の決算書も必要です。赤字や債務超過に設定にされている場合はご相談ください。

フラット35をご利用の場合は2年分の書類が必要です。フラット35では、会社経営の方は会社の決算書は要求されません。

・まれに、過去のご勤務先で源泉徴収の納税をしてないことがあります。この場合、納税記録が出てきません。後日の本審査では、納税の証明も要求されますので、本審査で否決される結果となります。ご注意ください。事前審査では源泉徴収票だけで進行しますので表面化しません。当社では、個人経営の夜系のおしごとの経験があるお客様で、このような経験がありました。ご心配のある方は、あらかじめご相談ください。

3.住宅ローンの事前審査の申込書

申込書のほか、個人情報の取扱いの同意書を提出します。書式は金融機関所定の書式です。

物件価格を超過する借り入れの場合はお付き合いの仲介業者とご相談ください。諸費用を借りたい場合は「諸費用の見通し」が必要です。リフォーム代の借り入れを希望する場合はリフォームの見積もりが必要となる場合があります。

例として、当社でもお世話になっている三菱東京UFJ銀行の事前審査の書式ですが、他行もおおよそ似たような内容です。ローンの審査といっても複雑な内容ではありません。お客様の勤務先・収入の内容、物件の内容、資金計画の内容を記述して、その証拠となる情報を添付して、審査をしてもらいます。相談をしていただきながら、ローンの方針を固めていくこともできます。

事前審査の内容は本審査でも影響します。

4.物件資料

物件資料は登記簿謄本、販売資料、公図・測量図などが該当します。当社の取扱いのローンの事前審査では、当社が物件の資料を手配します。ローン業務を委託している場合はそのままお任せください。

不動産売買の契約時

売買契約については、重要事項説明と売買契約についてもご確認ください。契約時に不動産業者が提示する重要な書類を詳しく解説しています。

  • 収入印紙(もしくは印紙代)
  • 身分証明書。免許証やパスポート、在留カード等です。

  • 新築戸建の場合は、表示登記のための住民票、印鑑証明(各1通。現在の住所)が必要です。

※印紙代は売買契約の価格によって変わります。リンク先の国税庁のサイトでご確認ください。

住宅ローン本申込時

所得書類

事前審査の書類と同じですが今度は原本の出番です。

・勤労者の方は源泉徴収票の原本と、課税証明(市区町村役所発行)の原本。課税証明は源泉徴収票と対応する期間の書類が必要です。

・自営業等の方は納税証明(税務署発行)の原本。納税証明はその1・その2と呼ばれるタイプが必要です。納税証明は事前審査で提出した「確定申告書」と一致する期間の書類が必要です。一般の金融機関では3期分が基本(フラット35では2期、)です。

・会社経営をされている方は、銀行によっては、経営する会社の納税証明の原本と、ご自身の源泉徴収票と、課税証明の原本。それぞれ3期分が基本です。

住民票と印鑑証明の原本

住宅ローンで利用する本審査の住民票は「世帯全員」「個人番号(マイナンバー)・本籍記載なし」」が基本となります(重大な個人情報扱いになるそうです)。おひとり世帯でも「世帯全員」で請求します。

ローンの本申込で使うハンコは実印です。実印とは、市区町村の役所で印鑑登録したハンコです。住宅購入で実印は必ず必要になります。これを機会にかっこいいハンコ(認印・三文判ではない、独自のデザインの印章)の利用を希望なさる場合には、家が決まる前でも、ご準備いただいてもいいかもしれませんね。認印・三文判ではないハンコは偽造防止の意義もあります。

物件関連書類

物件の関連書類を添付します。具体的には、売買契約の時に不動産業者から交付を受けた「売買契約書」「重要事項説明書」「登記簿謄本」の各原本です。これらは事前審査の段階では物件の書類はなかった書類です。事前審査の段階では、チラシやパンフレットの提出のみで審査をしていました。

耐震基準適合証明など

ローン控除や登記費用の軽減で利用する「耐震基準適合証明」等が利用できる物件であれば、取得はローン契約の時期ころに取ります。実務上は不動産業者に任せておけばよいと思いますが、売買契約の前に「耐震基準適合証明」等が利用できるか、確認したほうがいいでしょう。「耐震基準適合証明」のほかには瑕疵保証保険などの場合もあります。

住宅ローンの契約時

住宅ローンの契約は、それまで積み上げてきたものに基づき契約します。そのため、ここで新たな資料は出ないはずです。登記の必要書類を兼ねて、住民票、印鑑証明を金融機関に提出します。

  • 身分証明書
  • 住民票(新住所もしくは旧住所)(⇒会員向け記事にジャンプ
  • 印鑑証明(新住所もしくは旧住所)
  • 収入印紙(金融機関によります。当社からの案内をご確認ください)
  • 売買契約書・重要事項説明書・手付金の領収書の写し

枚数は金融機関と契約形態によって異なりますので、ご案内をご確認ください。「売買契約書」「重要事項説明書」は、ご購入契約の時に不動産業者から交付を受けています。当社は「重要事項ファイル」に装丁しています。ファイルをご持参いただくとよいでしょう。

引渡・決済時

ローン購入の場合

・身分証明、実印。

※ローン購入の場合はローン契約の手続きの折に提出することが多く、あらためて別の書類は必要がないことのほうがが多いようです

現金購入の場合

・住民票、身分証明、認印

その他

・司法書士の判断・ご案内にしたがいますので、当社にご相談ください。住所変更があるケース、氏名変更があるケースなどは重要です。

全体の手続き、大きな流れをお知りになりたい場合
中古マンション等の購入手続き(流れ)
新築戸建て購入手続き

これから家さがしのスタートという方:これから家さがしという方は書類は必要ではありませんが、事前審査に必要な書類はお取り揃え頂いてもよいと思います。
参考ページとして。見学の流れを記述しました。ご覧いただければ幸いです。
見学の流れ