auじぶん銀行の住宅ローンの流れ(不動産会社・代理店を経由した場合)

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auじぶん銀行は、SBIグループなどとの金利競争の先駆けの役割を果たしており、常に一歩抜けた金利を提示している銀行です。また、代理店を経由した申込のほうが、お客様自らの申し込みよりも金利が安いときもあるなど、施策がユニークです。

審査が合格するのであれば、当社の仲介手数料無料・半額と合わせれば、類まれなるコストカットを実現できます。ただ、事実上、客層は大手銀行の最優遇層のみをターゲットのようです。住宅ローンの審査は厳しく、誰しもが利用できる銀行ではありません。

事前審査から決済までは詰めれば1か月くらいで完結できるシステムになっていますが、案件が多く、必ずしもスケジュール通りに動くとは言えない状況でもあるようです。1か月半程度として、やや余裕を見たほうがいいでしょう。

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auじぶん銀行の住宅ローンのメリットとデメリット

メリット

auじぶん銀行公式サイトにも書いてある通りですが、「魅力的な金利」「団信の幅が広い」などがあげられます。

auのスマホを持っており、電気などの契約を追加すれば、さらには安くなり、なんと0.1%台の金利の提示をされています。

デメリット

いささか他行よりは審査が厳しめで、皆様が思うほど審査に通るお客様は少ないように感じます。通らないという前提で考えておいてもよいかもしれません。

事前審査(仮審査)の流れ

経験上、auじぶん銀行の事前審査は5営業日くらいの回答日数です。日曜日にご記入を頂いたら月曜日から審査を開始、金曜日には回答が出るような感じでしょうか。

代理店の活用

当社が認識来ている範囲ですと、auじぶん銀行を所属銀行とする代理店業者は、ARUHI、株式会バリューエージェント、住まプラ(スターツ証券株式会社)、クレディセゾンなどがあります。

代理店を経由することのメリットは、対面にて説明を受けられることです。事前審査の段階でも、彼らの営業時間であれば、説明に足を運んでくれます。また、不動産業者のと情報共有が可能となりますので、物件資料などの取り寄せで、間違える確率はいじるしく低くなります。

ただ、代理店を経由するため、代理店を活用する承諾書の書類が発生します。記入をすべき書類のページ数が何枚か増えることになります。

書面での記入

当社で扱いがある各代理店を経由する場合には、事前審査は書面により記入して依頼します。オンライン銀行なのですが紙というのは風情があるなと思います。ただ、お客様のお話によると、大手の不動産会社では、オンラインで事前審査を実施した不動産会社もあったそうですので、違うパターンもあるのかもしれません。

なお、2023年8月時点では、お客様が直接にauじぶん銀行と手続きを進めれば金利は0.32%なのですが、代理店を経由すれば0.296となります。ここはauじぶん銀行は意外感がある攻めた金利体系になっていると感じまます。

ちょっとだけの手間ですので、紙に書けば「当社の仲介手薄料無料」と「ネット銀行の低金利」の双方を享受できるのなら、やって損はないと思います。

事前審査の信頼性

仮審査においては、本人確認を実施したうえで個人信用情報を確認しているそうですので、ある程度信頼性があります。

しかし、担保評価の実務は実施していないそうですので、大手銀行のような最終的な信頼性を感じることはできません。通常の流通性がある物件であれば問題はありませんが、完全に信頼することはできず、油断は禁物です。

したがって、不動産業者によっては、auじぶん銀行の事前審査では契約を受け付けない場合があるかもしれません。

事前審査の結果

事前審査の結果は銀行名義で代理店が受領し、代理店が書面を作成して、お客様と不動産業者に送付されます。不動産会社に情報を共有させることも可能です。

本審査の実施

経験上、10営業日くらいの回答日数です。本審査で承認されれば結果には信頼性がありますので、引っ越しなどの手続きをしても進めてもよいでしょう。

本審査の開始

本人確認を兼ねて、代理店の担当者はお客様に電話連絡を行います。事前審査の時に通知していた電話番号に対して電話を行います。

このとき、本審査を進める意思確認を行います。本審査お申込みの意思があることを口頭で伝達することで、本審査の申込が成立します。

本審査の資料

本人確認資料、収入関連資料は、別途、お客様から担当者に直接送付します。送付の方法は担当者から案内があります。pdfやjpgのデータで行われる場合もあります。

不動産関連資料(販売図面、地図、不動産売買契約書・不動産重要事項説明書、謄本、記載事項証明etc)は、不動産業者から送付することができます。

団信のお申込み

パソコン・スマートフォンから申込ページにアクセスし、団体信用生命保険のお申込み・告知を行います。代理店の担当者から団体信用生命保険に必要な申込番号するのでガイダンスに従って進めます。

ただし、住宅ローンの借入金額が5,000万円を超える場合は、別途保険会社所定の診断書などの提出が必要となります。所定の健康診断結果証明書に代えて所定要件を満たす場合、定期健康診断結果通知書など写しのご提出もいただけます。

なお、auじぶん銀行の団体信用生命保険の引受保険会社はクレディ・アグリコル生命保険会社となっています(2023年8月時点)。

口座の開設

auじぶん銀行においては、ローン返済口座は「auじぶん銀行口座」に限定されています。口座を所有していない方は本審査完了までに、口座開設のお手続きを実施しなければなりません。

口座開設はオンラインと郵送による方法でも対応できますが、スマートフォンのカメラで本人確認書類と顔を撮影することで、本人確認書類の郵送は不要とすることができます。最短で翌営業日に口座開設の審査が完了します。

銀行側の動き

担保評価のためのは判断などは本審査で行うようなプロシージャになっているそうです。著しい築古の旧耐震だったり、告知事項があったり、既存不適格の程度が著しい場合には、本承認まで安心しないようにしてください。

契約手続き

本承認から金銭消費貸借契約(ローン契約)までは2~3日営業日ほどのスパンが必要です。銀行システムにおいては本承認がでるとすぐ契約ができるのですが、次の段落で説明する契約前準備での「振込情報」の作成準備に2~3営業日ほどかかります。

住宅ローンマイページの登録

auじぶん銀行の口座開設後すると、auじぶん銀行ウェブサイトよりマイページとauじぶん銀行口座の情報連携をできるようになります。マイページIDとパスワードは、審査結果と連動して、代理店より連絡があります。

申込内容の状況や、本審査の結果、契約の状態については、お客様にはマイページでも確認することができます。今後の事務手続きはこのマイページを通して実施することになります。

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契約前準備

auじぶん銀行では清算金や登記費用を現金で支払うという概念がありません。これらは振込により支払います。振込費用はまず代理店に通知します。通知は不動産業者が行うこともできます。代理店はauじぶん銀行とお客様に情報を共有します。これら代金等の振込の情報は、次に続く電子契約で必須となります。

代金と清算金

本審査が承認されたら、確定された精算内容で売買代金・清算金の額を、遅滞なく振込情報として確定させて、登録内容に反映させます。

そのため、売主と代金等の情報の確定をすぐに行う必要があります。本審査が承認される前までに、買主と売主は決済日を合意して、固定資産税や管理費の精算内容を確定させ低ことが望ましいでしょう。

登記費用

auじぶん銀行では、司法書士は銀行指定が入ります。不動産業者は銀行指定の司法書士と連携し、登記費用の見積もり内容を確定させますので、登記に必要な情報を不動産業者の案内のもと、ご相談をしてください。登記費用を遅滞なく振込情報として確定させて、登録内容に反映させます。
契約前準備の段階で確定させた、代金等の振込先と金額の情報が表示されますので、内容を承認してください。

電子契約

準備が整うと電子契約を行うことができます。電子契約は決済の5営業日前までに完結させなければなりません。オンライン上でガイダンスが表示されますので、ガイダンスの通り電子契約を進めてください。

システム上はご自身で進めることができますが、代理店の指南を受けながら進めたほうが安全ですので、安心して対応してください。

契約内容の入力と確認

借入希望日、借入金額、金利タイプなど最終の契約内容をご入力ください。ご契約に関する規定等同意し、[上記の内容に同意しご契約手続きを進める]をクリックします。
契約内容の入力

登録内容に間違いがないかを確認し、[上記の内容に同意しご契約手続きを進める]ボタンを押すと完了します。
契約内容の確認

決済金情報の登録

振込の代金や振込先の情報は、マイページを通してお客様お手入力で登録する必要があります。不動産業者が取りまとめた情報を代理店経由で共有します。代理店の指南を受けながら準備を進行させてください。

なお代理店は銀行にも共有をしています。

振込先と金額の登録をローン契約に先立ち行います。

auじぶん銀行による最終意思確認

後日、ご入力いただいた契約内容について、auじぶん銀行は最終の意思確認を実施します。ご登録いただいている電話番号に、銀行のオペレータからお電話があります。連帯保証人、担保提供者を設定される場合は、それぞれのお客さまにもお電話があります。

司法書士との面談

実施する内容としてはまず、本人確認が挙げられます。また決済に要する書類として司法書士は登記原因証明情報の作成を行います。これも記名捺印を要します。

また、銀行にかわり抵当権設定証書(抵当権設定契約書)の記名捺印も司法書士が受け付けます。登記が銀行指定であるのはこのためです。現行の制度では、抵当権設定証書は電子契約をできません。誤りが起こりやすい郵送よりも、登記のプロである司法書士に対応してもらうことで、時間の節約をすることができます。

この手続きは決済の3日前までに実施しなければなりません。

ここまでの手続きが終わると、準備完了です。

決済(お借入日当日)

決済はネット銀行の決済と同様です。決済で依頼する司法書士はauじぶん銀行の指定となります。

場所と時間の選定

一般的にネット銀行は支店という概念がありません。この点はauじぶん銀行でも同じです。すなわち、住宅ローン決済をする場所が銀行の支店に縛られません。

落ち着いた環境である必要がありますし、コピーや書類等の確認がありますので、通常は不動産業者の店舗などで行います。時間設定は平日の午前が必須となります。

窓口やATMで「現金を下ろす」という行為ができませんので、特に現金が必要な場合には、事前に準備が必要です。売主側の仲介手数料などは決済場所で準備できませんので、手はずを事前に確認をしておきましょう。

決済日の動き

司法書士が登記に関する書類の完備を確認します。書類完備が確認されると、司法書士よりauじぶん銀行あてに電話連絡を行います。司法書士は銀行指定であり、銀行は司法書士を信頼していますので、司法書士の連絡があると融資資金が実行されます。

その他の部分は通常の決済と同じです。登記の流れの説明を司法書士から受けます。マンションならば所有者変更届をご記入いただきます。当社を通してご依頼いただく火災保険は当日申込を承ります。商品物件の場合、売主の商品保証があるときはその説明がされる場合があります。

決済日の資金の流れ

実行された資金は、まずおauじぶん銀行のお客さま口座へ振込みされますが、振込後、お借入金額に対する2.20%(税込)が事務手数料として徴収されます。

ローンの電子契約の手続時にご確認いただいた売買代金や登記費用は、指定の振込先へ、自動的に振込みを行います。指定した振込先すべてに指定した金額が入金されていることを、各関係者に確認させてください。これで決済が完了します。

変更後の住民票

居住する住宅の住民票を変更したら銀行に報告をしなければなりません。住民票変更の報告はマイページを通して行います。写真もしくはpdfを送付します。

資料の送付をアップロードで行うとは心配になるくらい簡素だと感じましたが、最優遇層のみをターゲットにしてるので、事故率が低いことを考えると、実際には合理的な手法ともいえます。

この記事の作者

2010年から(株)ロータス不動産代表。宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター他。デリードコーポレーション(現株式会社セレコーポレーション)でマンションのマーケティング・商品企画を、ヤマト住建株式会社で建売分譲の開発と販売を経験しました。早稲田大(法)95年卒。在学中は早大英語会に所属。

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