ソニー銀行住宅ローンの手続きの流れ

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ソニー銀行はお客様の属性重視の傾向が強く、銀行が高属性と判断したお客様では、「勤続0か月」「旧耐震」「買い替え」などで、柔軟に対応できます。

事前審査段階では、不動産業者・代理店を通した手続きですが、本審査から契約・決済までの流れお客様が自主的に行います。本審査に時間がかかる場合があります。

ローン契約の手続きのためには、売買の精算金額の早期確定と、司法書士の面談が必要です。

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ソニー銀行はネット銀行の住宅ローンのなかでも割と早い段階で出ていた銀行です。リードタイムの長さ、融資判断の厳しさなど以前は利用しづらい側面がありましたが、代理店経由のDXを営業で取り入れるなど、ユーザ体験も改善されて、事前審査のスピードも速くなり、利用しやすくなってきました。いまは当社でも対応しています。

融資判断はお客お様の属性重視の傾向が強く、特徴的な銀行です。そのため、お客様の置かれた状況によっては強い味方になる銀行なので、ときどきお勧めしています。

ソニー銀行の手続きは、事前審査段階では、不動産業者・代理店を介在させての手続きを進行させることができます。しかし、本審査から契約・決済までの流れは、一般的な銀行と異なります。そこでこの記事ではソニー銀行の手続きの流れを確認します。

事前審査と本申込

ソニー銀行の事前審査は、銀行代理業者のサイトを経由して、オンラインで申請を行います。銀行代理業者は、令和3年現在、アルヒ、ゆうちょ銀行、日本モーゲージサービスなどが対応しています。

事前審査

オンラインで申請する入力フォームでは、不動産業者の名称を伝達するコーナーがあります。この時に当社の名称を入力してください。当社とも情報の連携をとることができ、お客様の負担の軽減が可能です。

お客様情報と物件情報を入力もこちらの入力フォームで入力します。関係資料はスマホで撮影した画像などを送信します。審査は翌日か翌々日には回答が来ます。

事前審査の承認通知はお客様にメールで送信されるほか、銀行代理業者にも連絡が入ります。「承認通知」など、わかりやすい形式では銀行代理業者には送付されませんので、売主に承認の事実を明示するためには、お客様から当社に、スマホのスクリーンショットなどを送信していただくことになると思います。

なお、ソニー銀行が事前審査で厳密に審査をしているのは「個人信用情報」と「返済比率」です。厳密にいうと物件の担保評価を審査していません。そのため、かならず、「担保評価は見ていないので本審査でNGとなる場合がある」と言われます。

ただ、旧耐震のマンションも含め、当社の経験では、担保評価で本審査がNGとなった経験は、まだありません。「担保評価の審査していない」という表現の意味するところは、もしかすると、再建築不可など法令に不適合な物件や、あまりにも売買事例と販売価格が乖離して、投資利用など、住宅ローンの不正利用が生じているような場合において懸念すべき項目かもしれません。

本審査

事前審査に承認されると、ソニー銀行のサイトで本審査に進むよう、案内メールがきます。本審査では、ソニー銀行のサイトからお客様情報、物件情報を入力して、本審査を進めます。

利用するローン商品(「住宅ローン」「変動金利セレクトプラン」)などを選びます。

本審査では物件の情報も詳しく審査の対象になります。そのため、売買契約書、登記簿謄本を情報として添える必要があります。情報の送信は画像のアップロードで行います。契約書は印紙を貼付して押印があるものでないとなりません。当社事務所ならば複合機などがありますので、情報の連携をすることが容易だと思います。

ソニー銀行の場合、我々不動産業者が聞かされている本審査までリードタイムはおよそ2週間くらいなのですが、実は、これが全く読めません。繁忙期などはこれが3、4週間と伸びたことがあります。緊急事態宣言が入ると人出が少なくなるとされて、遅くなる場合もあります。承認までのローン特約の期間は1か月、決済までのスパンは1か月半ないし2か月は確保しておくべきです。そのため、決済に忙しい、パワービルダーのようなタイプの売主さんには、利用できません。

online

オンラインによる審査申請

ローン契約

本承認されると銀行の担当者も決まり、対人で業務が進行します。このステップに到達するとスケジュールは読めるようになります。

契約前準備

本審査が承認されると、ローン契約前には契約準備があります。まず、この担当をしてくれる担当者が銀行から通知されます。

本承認後まもなく、担当の方からメールが来ます。そこで当社など不動産業者の情報記載項目がありますので、不動産業者名・業者担当者・連絡先を記載して、お客様から返信します。お客様から不動産業者の連絡先を明らかにしていただくと、ソニー銀行の担当の方は、正当な関係者として、我々不動産業者にアプローチできます。

当方では準備業務として、残代金、清算金等の情報をソニー銀行に伝達します。売主さんとも確認をする必要がありますので、内容の取りまとめは当社が行い、直接、ソニー銀行さんに通知します。

また、本承認から数日以内に銀行から司法書士の選定がなされます。ソニー銀行では抵当権の設定業務については、銀行の指定があります。選定後、司法書士からお客様と当社に連絡が来て、次の面談のステップを打ち合わせます。

ローン契約

最終残代金+清算金の情報を当社から銀行に通知できると、送金内容も含んだローン契約が生成されます。契約内容が生成されると、メールで銀行からお客様に案内が着信します。

その後、お客様とソニー銀行さまで、ローン契約が締結できるようになります。契約行為自体は「電子金消契約(でんしきんしょうけいやく)」です。わかりやすく言いますとネット上ですべて契約が完結します。

ただし、別の契約書面を司法書士を通してリアルで行うことが必要です。住宅ローンの手続きはこれで完結ではありません。

なお、ローン契約は、おそくとも、決済の1週間までには完了させる必要があります。

司法書士のとの面談

ローン契約と同時並行で、司法書士との面談を実施しなければなりません。

司法書士の選定は本承認から数日以内にソニー銀行が行います。通常は、2~3日中に司法書士からお客様と不動産会社に連絡が来ます。

金消契約
リアルでの面談も行います。

面談日の設定

司法書士の面談の日時設定は、直接、司法書士側とおすすめください。お打ち合わせによりますが、すぐお進めいただいても大丈夫です。適宜、ご判断ください。ただし、この面談は決済の3営業日前までに完了が必要です。

本人確認と必要書類の受け渡し

司法書士との面談では、登記に必要な必要書類の受け渡しと、ご本人確認を行います。面談の日程と必要なお持物をお打ち合わせください。受け渡す書類は登記に用いる住民票・印鑑証明などですが、必要通数は、司法書士からご案内をご確認ください。

抵当権の設定

「抵当権設定の契約」も司法書士が対応します。抵当権設定の契約は、法律上、書面での契約が必須ですので、リアルの面談時に司法書士が銀行の代理で実施する仕組みにしているようです。

抵当権設定契約書

抵当権設定契約書の例

登記費用の支払い

司法書士に対して支払う登記費用の代金は、お客様から先生に交付する必要があります。別途、振込をするか、当日現金で受け渡しを行うか、オンラインでソニー銀行の借入金から振り込むかは、面談時にお打ち合わせください。なお借入金から振り込む場合は、セキュリティのため設定している送金額の制限を、銀行のコールセンターを経由して解除する必要があります。

決済の設定

決済場所について

ソニー銀行はネット銀行であり、リアル店舗がないため、住宅ローンのための決済の場所は特に指定はありません。通常のオンラインバンキングの決済と同様、不動産業者等の店頭で行うことが多いです。また、決済では具体的なお時間の指定もしなければなりません。当日中に登記申請を行いますので、午前中が原則なのは変わりませんが、具体的なお時間の設定はご指図があれば対応するようにいたしますので、おおせください。

決済時金種について

ソニー銀行では、残代金・清算金、仲介手数料、抵当権設定費用などを、住宅決済用の高額送金の振込先として、事前登録できます。その他の金種については事前登録ができません。現金で当日持参するか、振込送金により送金を行う必要があります。ソニー銀行から振込を実施するには、送金額の制限を解除する必要があります。

この記事の作者

2010年から(株)ロータス不動産代表。宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター他。デリードコーポレーション(現株式会社セレコーポレーション)でマンションのマーケティング・商品企画を、ヤマト住建株式会社で建売分譲の開発と販売を経験しました。早稲田大(法)95年卒。在学中は早大英語会に所属。

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