中古マンションや新築一戸建ての申込が重なり、横取りが生じる理由

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判断が早く、有利な条件を提示した人が物件を取得する。これが横取りと感じた正体です。

条件のいい物件から先に消えますので、取り合いになることは、皆さまが思うより日常的です。

人間心理を考えると、他決した商談をひっくり返すのは非常に難しいです。

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なぜ先に申込みされる(買われる)のか

不動産購入ではライバルが存在します。誰もがいい物件を探そうとしますので、同じ物件に注目が集まりがちです。売主は売り先や条件を自由に判断できます。このことを忘れてはいけません。

業者売主の物件(建売やリノベーションマンション)でも、個人売主の物件(中古マンションや中古戸建)でも、メカニズムは同じです。

購入ライバルの存在

検討している物件を他人に買われてしまえば、横取りと感じられるかもしれませんが、違います。じっくり検討をしている間に、あなたよりも判断が早い購入のライバルが出現しただけです。このような取り合いは皆さんが思っているより日常的です。

不動産は金額が大きいですから、自分を優先してもらいたいという気持ちになっても不思議はありません。非常に悩みます。しかし、他にも人がいることを忘れてはいけません。

誰に売るか、売主も自由・・・

不動産には特定の取引所がないので、ご自身が見えないところで物件が決まっているということが、しばしば起こります。不動産業者の口頭の情報を通して判断しなければなりません。だからこそダメな不動産屋さんを遠ざけて、信頼できる不動産屋さんと知り合うべきです。

購入のライバルを排除するためには、早めに商談を固める必要があります。当社では、落ち着いた判断をしてもらうよう努力はしていますが、他の不動産業者の動きは制御はできません。お客様の行動を煽る不動産業者は必ず存在しますが、見方によってはこれにも一定の合理性があるのかもしれませんね。

不動産ポータルサイトで比較が容易

主に広告を主として運営されているサイトを不動産ポータルサイトといいます。有名なところでは、SUUMO、LIFULE HOMES、At Home、Yahoo 不動産、Ouccinoなどがあります。収益物件向けの情報では、楽町、健美家などが有名です。ポータルサイトの情報は、運営者のサイトだけでなく、他の不動産情報ページに転載されています(新聞社や情報サイトなど)。

ポータルサイトは不動産業者が広告の目的をもって投稿した物件が掲載されています。ほとんどの不動産業者は何かしらのポータルサイトと契約しています。掲載料は不動産業者が支払っています。ポータルサイトにおいては、物件リスト化されて、検索性が高められています。そのため、集客力では無視できません。

以前は不動産物件の紹介は紙でやっていました。B4の不動産店頭にはってある紙です。不動産業者はこれを「図面」「マイソク」などと言っています。紙の時代なら図面で比較すれば、いろいろ目移りする機会があり、不動産業者がお客様の選択に及ぼす影響がもっと強いですので、お客様の判断に多様性が生まれることもありました。

ネットでの家探しの優れたところは検索機能で、物件の条件が瞬時に比較できるようになりました。最もよい条件を備えた物件に注目が集まりやすくなっています。どんなにたくさん物件があっても、一番いい条件の物件はそのなかで1つです。

特定の物件に複数の人が注目

一番いい条件の物件から検討を開始するのが人間の行動です。さらにやっかいなのが、どのような情報媒体にせよ、情報の発信は同じような時期なので、各検討者が見るタイミングも重なります

つまり購入に向けたアクションを起こすのも同じような時期なので、たくさんの物件情報があるように見えて、注目されているのは同じ物件です。最重要の媒体はネットですが、原理的にはどのような媒体でも同じです。

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情報の伝達は「水の波紋」のように同心円で進んでいく。

適正な価格・条件となると複数の申込

物件の価格設定には、売主の事情によりいろいろあります。時間的に余裕のない物件はマーケットプライスで出てきます。やや高い値段で売りに出された物件ならば、値下がりの価格更新が行われ、機が熟した物件となります。

機が熟した物件は、全体の中の一部です。同じ物件に複数の注目が集まり始めると買主の競争となります。

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同様のニーズの範囲で人間は条件の良いものから注目をします。意外と同じような人は多いものです。

当社にお問い合わせがある物件

不動産情報サイトで注目される物件は、当社サイトへもアクセスは多くなる傾向があります。当社へのアクセスは「仲介手数料無料」をうたい文句に、検索エンジンで注目されるように仕組みを作っています。グーグル、ヤフー、bing、アンドロイド、iphoneなどです。

ちなみに、予断ですが、当社への来場するお客様は「より詳しく調べる」というアクションを起こしたうえで来社されます。検討されるお客様も、不動産サイトなどで十分比較をされてから見学に来場されています。そして、お問い合わせが発生します。

しかし、調べたいと思ったのはお客さまだけではありません。さらにいうと、検索しないで問い合わせをする人が多数存在します。調べないで検討する人も合わせると、潜在的に成約に近い物件であるといえます。プロ視点からいうと、検討が本気なのでしたら、少し検討のテンポを速めた方がいいと思われるのです。

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申込が重なった物件の売主ならば

申込が重なるという現象があったときは、複数の人の目から見て条件が良かったということです。相対的に金額が安い可能性があります。販売戦略のなかで、安くしても早く売り出したかった場合は成功ですが、時間がかかっても高く売りたかった場合は、成功とは言えません。

このような現象は、比較がしやすいマンションの売却では、わりとよく生じる現象です。

とはいえ、売り出してみないと、申し込みが重なるということは判りません。タイミングなど偶然の要素もあったかもしれません。納得して売り出した金額であれば、一度ついた申込を取り下げるのは控えましょう。ロータス不動産の売却のサービスでは高く売ることも早く売ることも対応しています。

狙ってた物件を取られないためには?

押さえられるのは契約だけです。売主と交渉に「挑戦」をする姿勢は控えましょう。一般的には条件に基づき売主が売り先を判断します。

押さえられるのは契約だけ

物件を決めると「申込」に入りますが、単に「申込」だけですと、実は商談に着手しただけです。申込だけでは物件を押さえたことはにはなりません。口約束では契約は成立していません。

申し込みに着手しなければ商談すれ始まりませんので、早め早めのアクションは非常に重要な意味があります。

法律的には物件を押さえることができるのは契約だけです。不動産における契約とは、重要事項の説明を受け、当事者の記名捺印をして、手付金を現実に交付して成立します。

また、契約にはローン審査などの準備が必要です。このような準備の最中にも、物件の購入のライバルが現れて、横取りをされる場合があります。

申し込みが複数の場合は売主判断

あたりまえですが、買主は何を買うのも自由です。しかし、初めての不動産の商談でイメージしづらいのが、冒頭で紹介したポイントです。

誰に売るか、売主も自由・・・

申し込みが重なった場合、どの申し込みを取り上げるかは、あくまでも売主の判断となってしまうのです。極端な場合、売却中止するのも自由です。準備の段階で二転三転することは、ときどきあります。契約の押印が終わるまでは自由な選択が可能です。売主も、商談の場においては、買主と同じ権利があります。

売主も人間ですので、感情の生き物です。機械的に判断するわけではありません。横取りをされたと感じても、売主からすれば、よい条件の買主を探して、商談相手を選択をしただけです。法律的には横取りではありません。

一般的な判断基準の傾向

ただ、経験的・一般的な順番決定の原則があります。だいたい下のような判断基準でまとまることが多いようです。

住宅売買で複数申込が生じた場合の一般的な優先順位

  1. 同じタイミング(前後の差が少し)ならよい条件
  2. 同じ条件なら早い申し込み
  3. 条件も時期も同等ならば、決済条件で比較
  4. 条件も同等ならスケジュールの早さ
良い条件とは?

主に価格のことです。まずは、ほぼ同時に提出された申込があれば、高い金額を提示した相手に売ります。軽率な価格交渉をおすすめしないのはこのあたりです。その他付帯条件などもあります。

決済条件とは?

資金繰りのことです。価格が同じであれば現金の人は若干優先される傾向はあります。現金は、ローンキャンセルがないために、商談の条件が同じであれば有利ですが、価格交渉の武器には絶対になりません。

スケジュール

スケジュールとは、契約や決済の日程のことです。スケジュールが長いと人間の気持ちは変わるリスクがあると考えられています。申し込み時から契約までの時間の相場観は、通常は1週間程度です。契約から決済までの時間の相場観は1か月~1か月半くらいです。それぞれ、先を長くすると心変わりのリスクを嫌われます。

ただ、必ずしも上記のような判断とは限りません。人間が判断することですから、感情的なことで決まる場合もあります。それを非難することはできません。

不動産の交渉は感情的なことで決まることもある

「交渉」にチャレンジしない

是非にでも入手したいと感じた物件には、可能な限り売主の意向に沿うことです。足元を見るような申込は、あまりお勧めしません。他人からの横やりが想像できないとき、横取りが発生します。

誰かが注目している物件は他の人も注目しているものです。横取りをされないためには、そのことを頭に入れておく必要があります。

また、現金だからと過信しないことです。現金なら価格交渉に有利と固く信じているお客様もいますが、現金はローン審査に通ればお金に優劣はありません。むしろローンの方は必ず銀行からお金が出るため、ローンの方が安心とすらいえます。

金額とスピード

横取りを防止する一つの方法が満額(定価)での購入ですが、スピードも重要です。売主の心変わりを防止するためには、契約までの期間を短くするしかありません。

契約までの期間が空いてしまうと人の心は変わるかもしれません。売主も人間ですので、不安に駆られながら、売り先を選定しています。そのため、契約までの期間が短い買主が現れてくると、売り先を振り替える場合があります。

契約までには前準備が必要です。手付金を払って、押印をして、「売買契約」を締結するまでは、物件を押さえることはできません。

不動産の商談の流れは一般的には、まず申込を入れて、日程・支払いなどの概要を商談します。商談の概要がまとまると、一般的には売買契約の前にローンの事前審査をしていただき、信用力の証明を求められます。物件の問題点がないか、調査説明の書面を確認いただくことも必要です。

多くの場合、ローン審査中などの事前準備の段階で「ライバル」が出現します。

先に申し込まれてしまったら

さて、それでは横取りしたいとすればどうでしょう。

まず、横取り自体が難しいですが、それでも何とかしたい場合には、以下のポイントを考えましょう。

  • 条件はより良いものを提示する
  • 資金面の不安を払拭しておく
  • 訴訟などは意味がない

決まっちゃうと横取りは難しい

売主が誰に売るのも自由であれば、商談しだいで横取りはできるのではないかという考え方もありますが、そう簡単でもありません。いったん決まったものを、いちいち動かしたくないというのが人間心理です。

商談中で買主が競合している最中であれば、有利な条件の売先に向けて判断が変わる場合もありますが、売主がこれ以上の有利な条件がないなと判断すれば、それで商談は確定です。

欲しい物件だと明確に感じたのであれば、相手(売主)も人間です。そこは我慢していただいたほうがいいです。価格交渉などに、「とりあえずチャレンジ」という感覚ならならば、提示よりもより有利な条件をゲットしようとチャレンジするのは控えるべきといえます。

決めたことを覆すリスク

仮に相手を変更したとしても、変更した先の買主が約束を反故にしないとは限りません。熱しやすく冷めやすい人も多いですもので、自分の思い通りにならないと熱くなってしまう人も多いです。経験があるしっかりした不動産屋さんほど、しっかり冷静にみています。

いったん商談を確定させると、ローンの審査物件調査などの契約の準備に入ります。話を取り仕切る業者にしても、この段階で契約先を変えるのは、「失礼」とされるため、アドバイスや判断を変えることはまずありません。

訴訟などをすれば盛り返せるか?

単に申込を袖にされたくらいでは、盛り返すことはできません。実際にはあり得ない想定です。契約のための準備を実施して、外から見ても明らかに信頼関係が醸成されている段階(「手付金の送金」、「重要事項説明の記名捺印」など)ならば別かもしれませんが、売るほうもここまで行けば話を覆すことはありません。訴訟によって盛り返すことは難しいと思います。

どうしても横取りしたいときは

それでもなお、どうしても横取りしたい時があるかもしれません。契約をされてしまうとチャンスはありませんが、仮にチャンスがあるとすれば、そのチャンスに備えて、以下の点は必須事項として留意が必要です。

条件はより良いものを提示する

横取りとは、力わざで商談の優先権を入れ替えることですから、横取りをするのであれば、1番手の方よりも、良い条件でなければなりません。良い条件とは通常は値段を上げることです。場合によっては決済条件が商談の行方を左右するかもしれません。定価より高い値段を提示することは考えものです。経験上、値引き交渉をしたあとですすと、定価より高い金額を提示しても、取れることはありませんでした。

資金面の不安を払拭しておく

横取りをするのであれば、資金面の不安は完全に払しょくしなければなりません。ローンをご利用であれば、事前審査はクリアーしていなければなりません。事前審査にも種類がありますので、どのような事前審査を押さえるべきかは、仲介業者と相談をしてください。

契約を急がせる不動産屋

業者の言うことは事実なのか煽っているだけなのか、信頼関係で判断するしかありません。

顧客心理を逆手に取る営業

過去に物件を逃した経験があると、本当に購入のタイミングに差し掛かったお客様は急ぐようになるので、不動産業者があえて急がせる行動をとらなくても、お客様みずからが急いでくるようになることがあります。

そのため、物件がまだ動かないような状況でも、1番手が出そうなど、判断しづらい嘘をついたりして、契約を急がせる営業トークをすることもあります。

急がせることの合理性

ただ、他決してしまえば終わりですので、煽ったり急かしたりするような不動産業者の行動も、不動産業者の視点からすると一定の合理性があるかもしれません。実際に業績も上がりがちです。

当社:(株)ロータス不動産では、しつこい営業はしたくないので基本は急がせる説明はやりませんが、悔しい思いをしてきたお客様も見てきていますので、実際に検討を急いだほうがいい状況であれば、その旨を明確にお伝えします。

この記事の作者

2010年から(株)ロータス不動産代表。宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター他。デリードコーポレーション(現株式会社セレコーポレーション)でマンションのマーケティング・商品企画を、ヤマト住建株式会社で建売分譲の開発と販売を経験しました。早稲田大(法)95年卒。在学中は早大英語会に所属。

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