買取保証付き不動産仲介のデメリット

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買取保証とは、一定の期間内に物件の売却ができなかったとき、仲介不動産会社が保証した金額にて買取りするサービスです。

機械的にどんどん値下げをする契約で、確実に安く買えるので、営業マンが怠けてしまい、囲い込みされるリスクがあります。

デメリットを解消するには、最終判断権(状況をコントロール権利)を取り戻して売却活動を進めなければなりません。

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買取保証とは

買取保証とは

一定の期間内に物件の売却ができなかったとき、仲介不動産会社が保証した金額にて買取りするサービス。

時間が読めることが買取保証のメリット。

「買取保証」は、大手のみならず、あるい程度資金力のある不動産業者なら取り入れているサービスです。売却を依頼する消費者にとって、時間が読めるという良さの反面、リスクも存在するサービスしれません。

買取保証の仕組み

今般のこの記事を作成するにあたり、多くの仲介業者のシステムを確認してみましたが、買取保証の仕組み・形態は似通っています。およそ以下のようないシステムです。

買取保証のシステム

  • 取り扱い業者による対象物件の査定額を算出
  • 買取額は査定額の90%(9掛け)を上限とする覚書を締結
  • 通常の仲介活動は査定金額の115%~120%で行う
  • 3ヶ月ないし6ヶ月の売却活動を行う
  • 通常の売却活動で売れない場合、およそ1か月で5~10%の値下げを行う
  • 売却活動の結果、売却が不成立の場合は、約束の金額で買い取る

以上のような流れが基本なのですが、期間内に必ず値下げをするというところに、サービスの怖さがあります。

仲介業者による売出しとの違い

一般的な仲介による売却との違いは売却の確実性です。仲介の場合でも売出金額として査定をしますが、マーケットの動向は日々かわります。通常の仲介の売り出しでは査定の金額で売り出しても、売却の成否がわかりません

不動産の売却は運と縁によるところが大きく、一週間で売れることもあれば、3ヶ月で売れる場合もあり、1年かかっても売れない場合ありえます。先が見えないということは通常の売りだしのデメリットです。

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中将の仲介は人と人の対話なので、運と縁の要素が入り込むみます。

買取業者による買取との違い

仲介業者による買取保証ではなく、買取業者による買取もあります。この業態は買取を専門に行っており、我々不動産業者の世界では下取業者、再販業者とも言います。

買取業者はリフォームがない状態の物件を買取って、業者自らによるリフォーム・リノベーションを実施して、付加価値をのせて売却します。買取業者は経年変化により売りづらくなった物件の流動化に対応します。

おのずと、買取業者による買取価格は市場流通価格よりも下がります。およそ7割ぐらいとされています。ただ、買取業はリスクも大きいビジネスです。買取業者さんの収益構造は粗利で20%弱くらいで、最終的な手残りの利益は10%くらいの目算で事業をスタートさせます。

しかしこれは目論見通りに事業が完結した場合です。売れないという事態もあり得ます。不動産は少し値下げをすれば、すぐ3%、4%、5%・・・と値下がりをしていきます。物件単体では暴利のように見えても、商売的には決して「楽して儲けている」というビジネスではありません。

買取保証の怖さ・デメリット

買取保証は値下げの決定権が仲介業者にあるので、システム上、どうしてもリスクの懸念を避けることができません。

買取保証のデメリット
  • 機械的にどんどん値下げ
  • 仲介業者が怠けるインセンティブ
  • 囲い込みされて燃え尽きた物件が残るリスク

機械的にどんどん値下げ

買取保証のシステムの第1のデメリットは売却価格を機械的に下げるということです。初めてチャレンジする方は何も感じないかもしれません。しかし考えてみると主導権が業者にあるので、怖い話ともいえます。

その理由は買取保証のビジネスモデルにあります。上述の「買取保証の仕組み」にて申し上げた通り、買取保証システムでは1か月ごとに5%ないし10%、機械的に値下げをする契約です。軽く5%といいますが、売出価格4000万円で出した物件は200万円の値下です。

買取保証ではない普通の不動産売却では、落ち着いて対処できる状況であれば、見学の案内数が比較的多ければ、ちょっと様子を見てみようという判断もできます。しかし、一般のお客様は、買取保証に取り組むのは初めての体験になるはずです。楽観的に考え臨みます。

しかし、しかし買取保証は毎月、ドンドンドンと下げる動きを取ります。毎月200万、無慈悲に下げていくのです。買取保証はこういう契約ですので、再考の余地はありません。

実際やってみるとわかると思いますが、数百万円のお金が削られる感覚は、、事業感覚のある人やドライな人でないと、胃が痛くなる思いになるはずです。

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値下げが機械的に行われることは、財産が削られる気になる。

怠けるインセンティブ

次のデメリットは、受託した業者がさぼる可能性がある仕組みだということです。これは、少し裏事情を知らねばなりません。

買取価格と買取保証価格のマジック

冒頭で、買取保証価格は査定価格の90%で、売出価格は査定価格の115%くらいから売り出すと申し上げました。その一方で、買取業者さんによる買取価格は市場価格の70%くらいとも申し上げました。ここに大きなからくりが潜んでいます。

70%と90%を比較すれば、買取保証のほうが良心的だと感じるかもしれません。実際にはバカ高い金額で出すわけにはいきませんので、査定金額の115%という数字は、通常の売り出し価格と同じ数字です。

「査定価格」の115%ので売り出し、査定価格の90%での買い取るのですから、買取会社が買う市場価格の70%と似たような数字で、つまり仲介会社の買取保証額は、買取業者が買う価格と大差ありません。仲介会社も買取に適切な価格で買っているにすぎません。

「買取」と「買取保証と」の比較

項目 買取 買取保証
基準価格 市場価格 仲介会社の査定額
買取価格 市場価格の70% 仲介会社の査定額の90%

良心的に見えるようですが、基準が異なるので、そもそも比較になっていません。

表現のあやともいうべきもので、実は普通の買取業者が仕入れるのに適切な仕入れ価格を取得しているのにすぎません。

仲介よりも儲かる

地元で根を張る仲介業者さんであれば、物件価格と物件の相場をよく把握しています。正しい価格を読むことができます。一方で、買取業者はリスクを想定して、余裕をもって買取価格を設定しています。

つまり、買取保証の買取価格はノーリスクで大きな儲けが確定してるのと同じような話です。

仲介業者の仲介ビジネスの手数料は最大でも6%です。ここで思い出していただきたいのは、手残り10%で事業計画を構築するという買取業者のビジネスモデルです。

買取業者はリスクを取ったビジネスです。これは命の削りあいにも近いものがあります。しかし、買取保証では、実際には安全な場所から大きな利益が見込める価格で物件を買っていわけです。

しかし、仲介業者は価格の読みは正しいのですから、少し頭の回転の良い不動産営業マンならば、何もせず3ヶ月寝て待っていれば、買取で3倍以上の利益になるわけです。

囲い込みされるリスク

さらに頭の回転がよい営業マンであれば、次のためのアクションを起こしているはずです。それは仲介活動を装った見込み客の発掘です。実際にセールス活動は行うのですが、それは売主さんのためではなく、買取保証を発動させたあと、自社が売主になったときの購入希望者を見つけるために営業活動を行います。

このページをご覧になられている方なら、「囲い込み」という言葉をお聞きになったことがあるかもしれません。楽して儲けることができるということは、囲い込みをしようというインセンティブが働きます。

業界に属している筆者ではありますので軽率に「業界の闇」などとは言いたくないのですが、一部(もしくは多く)の営業マンや仲介業者にはこのような動きで進める会社もあります。そろばん勘定を重視する会社や営業マンには注意が必要です。大会社は営業マンが数字に追い立てられる傾向があるため、本来的にはより注意が必要です。

そろばん勘定

そろばん勘定を重視する営業マンや会社だと、囲い込まれることも

燃え尽きた物件だけが残る

値下げをずっと続けていると、もう後には引けず、燃え尽きた物件だけが残ることになります。「少し様子を見てやっぱり売却をやめようか」という、一般的な売却活動でできるような判断ができません。

毎月10%づつ下がっていきますから、3ヶ月後にはどん底です。その段階でもっと高い買取業者を探してたり、一般媒介に依頼しようと思っても、「絶対売れない」という印象だけの物件が残ります。

こうなると、いかにプロの買取業者でも買取をするのには勇気がいりますし、一般個人は手を出しません。もはや誰も買い手が付かない物件が出来上がります。

たとえて言うならば、荒れ野のなかに燃え尽きた物件が残っている状態です。

こうなると、買取保証してくれる仲介業者に売ることしか選択できません。担当者に信頼を寄せることができれば救いはあるのですが、業者や担当者に不信感を感じてしまったら後の祭りで、ストレスはマックスに至ります。

燃え尽きる

機械的な値下げは物件力が燃え尽きてさせてしまう

デメリットを消してメリットを取る対策は?

デメリットを消してメリットを取るには、「保証させる」という前提をなくし、仲介と買取を分けて考える必要があります。

仲介と買取を分けて考える

普通に売りに出すのであれば仲介業者の手数料は最大でも6%です。これに加えて最終の売却のリスクまで保証させようとするので、無理が生じます。無理が生じるので、多くをむしり取られるようなことになります。

デメリットを消してメリットを取るには、状況コントロール権を取り戻して売却活動を進めなければなりません。普通の仲介で売却活動を業者に依頼すれば、キャスティングボードを握ることができるはずです。

そこで、まずは買取保証の金額を聞いといてそれ以上で高く買ってくれる買取業者さんをまず見つけることからスタートです。

その上で仲介業者さんに売却仲介を依頼して、例えば3ヶ月ないし6ヶ月ほど売りに出して、その時に売れなかったら買取業者が当初提示してくれた金額にて売却するという組み立てにします。「買取は買取」「仲介は仲介」としっかりと意識を分けて考えれば、仲介業者さんは仲介手数料(最大で6%)以上の意識はいかなくなります。

なお、当社であれば、売却の手数料は3%、買取業者への売却であれば、仲介手数料は無料にて対応しております。

いい感じに見えるものほど不動産は怖い

昔気質、職人気質の仲介業者であれば、仲介と買取の同時並行はモラルに反するとして避けられてきました。これまでの説明の通り、同じお客様をターゲットにして仲介と買取をすることは、二律背反になるからです。

もちろん、買取保証サービスは、業界大手が扱っていますので、サービス内容は明確に伝えてあります。その意味においては騙しているわけではありません。しかし、サービスの内容を十分に理解しないと、後悔しかねないような部分もあるかと思います。

どのような不動産サービスでもそうですが、いい感じに見えることは、落とし穴があります。甘く聞こえるものは使い方を気を付けんかいと、落とし穴に落ちてしまうものです。

(株)ロータス不動産について

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ロータス不動産は2010年創業で着実に実績を重ねてきました。「ロータス」とは英語で「蓮の花」のことで、よく智慧や慈悲の象徴されます。綺麗ごとだけではない不動産の世界でも、良い水先案内人として、美しい花を咲かせる存在でありたいという考えています。

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