不動産の囲い込み

囲い込みとは売却の依頼を受けた不動産業者が、他の不動産業者からの買主紹介を意図的に制限することです。

断定はできませんが、売主をうまく誘導することで最大で12%の仲介手数料を取るれる場合もあります。

お買い得感とは全く関係はなく、高い物件である場合もあります。マーケットに出始めの新規物件であれば効率よく集客ができます。また、再販時の名簿作りの場合もあります。

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意地悪な不動産業者

囲い込み」とは、他社からの一切の客付け提案を拒否する行為です。仲介会社の仲介手数料を最大化するために行います。囲い込みを行う不動産業者に売却を依頼すれば売却活動はうまくいかず、購入も適切にできないことが多いので、注意が必要です。囲い込みとは読んで字の如しですあり、いわば不動産業者が他の不動産業者に対してする意地悪です。

本来、不動産取引では複数の業者で協力しながら進めることも、1社でまとめることも可能です。しかし、囲い込みは暗黙の了解で大手仲介業者もやっていると言われています。法令の精神や業界規則では、囲い込みは禁止しています。

購入の流れを不動産会社タイプごとに比較」で不動産会社タイプごとにご紹介していますが、とくに、一部の大手も含み、高収益な不動産会社の預かり物件の多さと不動産の囲い込みは、囲い込まれた物件は、専任返しの物件となるなど、収益を支える車の両輪となっていると言えます。

囲い込みは悪

囲い込みの弊害

囲い込みの弊害は、「販売期間が必要以上に長期化する」ことです。結果として、買取業者などに不当に買いたたかれるば場合もあります。本来であれば適正価格で早く売れた物件が、極端に門戸が狭くなりますから、そうなるのは当然です。もちろん、囲い込みががあったとしても、高く・早く売れるのであれば問題はありません。しかし、極めて一部の高人気物件(雑誌などに紹介される物件)でもない限りは、そうは問屋が卸しません。

買主にとっても悪

囲い込みは法律違反の恐れが大きい行為です。売主に対する詐欺、横領、背任の恐れがあります。また業界団体の規則に反しています。囲い込みは、必要悪ではありません。やってはいけない行為です。罰則がなく、明確にしっぽをつかむことが難しいので野放しにされているだけです。

法律を守らない不動産業者が、どうして買主を守ってくれるのでしょうか。法律を守らない不動産業者ですので、あなたのことも守りません。信頼できる会社、担当者ではないと思った方がいいでしょう。それほど甘くはありません。

事実、囲い込みを疑われる不動産業者の重要事項説明書では、法律が要求する必要最低限の事項だけ、淡々と書いてあるだけだなと感じさせます。念のため記入した方がいいということも含め、悪いことは書かれていません。

お買い得物件ではない

囲い込みをされた物件はお買い得と考えている買主さんもいるようですが、それは誤りです。高い物件でも囲い込みをやる業者は存在します。お買い得感とは全く関係ありません。そもそも、仲介業務には仕入れ原価というものが存在しないので、売れても売れなくてもいいのです。気に入っていただく「1客」を見つければいいわけです。売主本人と違い、資本がある大規模業者となるほど、じっくりと待つことが可能です。

お買い得な物件は後述の通り業者に回されて、専任返しの物件になります。

囲い込みを行う目的

囲い込みを行うのは、効率よく仲介料を巻き上げるためです。

専任返しで手数料率12%

囲い込みの究極の着地点は専任返しを活用した4回転取引です。

まず、売れないという現象を演出することで、売主さんを不安にさせますが、不安がマックスになったタイミングを見計らって、買取(下取り)業者を紹介し、契約を成立させます。ここで両手の6%を取れます。

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つぎに、この買取業者さんの再販売の売却委託をとりつけます。次の6%です。この一連の流れを「専任返し」といいます。このように、「専任返し」は売主さんを裏切る行為になります。

事実上、売却先の選定は仲介業者が決めてしまいます。なぜなら、売却先は仲介業者から紹介されるからです。このとき、売却先の選定を、「買取業者からの再販売委託」を条件に進めてしまうのです。中間の仲介業者は、さしずめ問屋のようなものですので、『卸す』等とも言います。買取業者さんとしても、買取を安くすることができれば、非常に買取業者さんと仲介業者はウイン・ウインで大歓迎です。

買取業者はさんいつまでも待つわけではありませんが、首尾よく両手で再販売物件を成約すれば、2回転+2回転となり4回転、合計で12%の手数料です。

若い人にこれをやらせると精神的に病んでしまい、早々に辞めてしまう方も多いです。ただ、残った営業マンが「エース」となりその会社の次世代を担っていきます。買取業者さんの担当の方に言わせると、専任返しをしないと卸させない仲介業者もいるそうです。一般個人の売主さんも、大手がよもや虚偽の報告しているとは思っていません。

両手仲介で手数料率6%ゲット

専任返しまで上手にハマらなくても、両手取引なら手数料率6%です。不動産業者は売主と買主双方に関与すれば、それぞれから3%の手数料が取れます。しかし、他の不動産業者から買主さんを紹介をうけると、売主からだけの3%となります。つまり報酬が期待していた半分になるリスクも存在します。両手ならば売り買い合計6%%取れるわけですから、このような事態は売主側の業者には望ましくなく、魅力が半減します。一部の仲介業者はこの点を嫌うことあり、物件を「囲い込む」動機が働きます。

このようなケースは意外と日常的です。

売却の委任さえ取っておけば、売れれば必ず手数料が入ります。とくに、仲介業者は仕入原価があるわけではないので、物件をたくさん抱えておけばいいのです。「それならば!」と不動産業者は考えます。買主さんも自分で見つけ、その買主さんからも3%の媒介手数料を手にすれば合計6%の手数料となります。これを両手といいます。そこで物件を囲い込んで、「売り止め」という手法を使います。

レインズに出ていても囲い込みされています

一部の業者には面倒なレインズの存在

レインズとは不動産業者間の物件情報公開ネットワークです。国交省の主導で、不動産流通機構という公的団体により運営されています。本来、専任媒介、専属媒介で売却委託を受けると、仲介業業者はレインズへ掲載して、物件情報を拡散させることを法令で義務づけられています。物件情報をひろくいきわたらせて消費者保護を行うためです。

わざわざ物件を拡散させることになるのですから、物件を囲い込みたい勢力にとっては、レインズはやっかいな存在です。

売り止めて、囲い込み

物件を囲い込みためには、「売り止め」を行います。売り止めとは不動産情報流通システムに物件は出ていますが、販売を一時中断している状態のことです。 一部の業者は、意図的に「売り止め」を行うことで、囲い込みを実現します。欲深い業者、数字に追い立てられている業者からすると、片手の3%では面白くありません。本来なら両手の手数料を取れるのに、レインズに物件を公開したら、実質すべての不動産会社が買主さんを見つけてしまうからです。

そこで「売り止め」という手法を使います。他の業者から買主さんご紹介の問い合わせが入っても、「売り止めです」とか「お話が入ってます!」実際にはまったく話がなくても、お問い合わせを断ります。物件情報は公開していながら、他社は客付けができないという状況になります。形式的には法令を守りながら、情報を独占できます。

もちろん、本当の理由 で売り止めの場合もありますが、本当のところは外部からは誰もわかりませんので、「売り止め」という手法が通用するわけです。

囲い込みは意外と多いのが実情です。大手も例外ではありません。2016年からはコンピュータシステムが改良されて、売却依頼主はレインズにおける売却ステータスを閲覧できるようになりましたが、囲い込みはいろんな手法で依然として行われています。囲い込みに罰則が科されない限りなくなることはないと思います。以下は、週間ダイヤモンドと言う経済紙の記事です。不動産業界では常識でしたが、一般の消費者の方には良く知られていない実態がありました。大変よくレポートしています。

あのデータが表に出たら不動産業界は大変なことになるだろう。ある不動産会社の幹部がそうささやくデータが、一部の業界関係者の間に出回り始めている。

「大手不動産が不正行為か 流出する“爆弾データ”の衝撃」よりhttp://diamond.jp/articles/-/69998

一般媒介による囲い込み

最近多くなっ来たのが、一般媒介による囲い込みです。一般媒介ではレインズ登録の義務がありません。一般とは一般的に誰でも任せるという意味で、売主側の不動産業者にも制限がありません。

しかし、業者が物件を完全にコントロールするにあたり、もっとも面倒がない方法は、レインズに売却受託をした物件の概要を掲載しないことです。他の業者からの紹介コールは一切なくなりますので、手間は半減です。合法的に物件を売り止めにするには、一般媒介で受けることのため、あえて一般媒介のみで受け付けるというテクニックもあります。

紹介される可能性が減るリスクをお知らせすれば問題ないと思いますが、知らせないとかなり問題かもしれません。

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大手がやる囲い込み

以上の説明をご覧になれば、こういうのは一部の悪徳業者とお思いになるかもしれません。しかし、実際にはほとんどは、大手もしくは地場の有力業者がやることです。レインズを見ていると、延々と残っている物件も見かけます。売り止めを続けているわけですから、ある意味当たり前です。

大手と囲い込みの関係

表向きは囲い込みをしているとは言いません。しかし、一部ではこれを組織的に行っています。規模のある会社のほうが数字に追われることが普通ですから、常態化しているというのが、不動産業者間の一般通念でした。

冒頭でも申し上げましたが、そもそも、仲介業務には仕入れ原価というものが存在しません。売れても売れなくてもいいわけで、資本がある大規模業者となるほど、じっくりと待つことが可能です。

近頃は、業務としてさせ続けると、若い諸君からドンドン辞めてしまうので手控えるところも出てきたと聞きます。売主顧客への裏切りがひどく、心が病んできてしまうそうです。しかし、下記に両手手数料率を試算した記事では、まだその傾向は続くと思います。

大手不動産仲介会社は、「両手取引」が蔓延?!

http://diamond.jp/articles/-/148998

投函チラシに「売り物件募集」のチラシが多い理由

ご自宅に投函される不動産チラシのうち、「売却物件募集」のチラシが多いことにお気づきでしょうか? 投函チラシに売り物件募集が多い理由にて、その説明しています。

気の毒なのは売ってもらえない売主

一番気の毒なのは売主さんです。売れない物件をお持ちの売主さんは、見学が来ないので不安になります。しかし後ろで売り止めをしているとも知らず、見学がこない理由を「高いから」とされているわけです。

そして、自社でお客様がつかないと売主さんに価格を下げるように交渉します。そしてそれでも売れないので、晒し物件になり、最後は投売り物件の完成です。

しかし自分が仕事をしている世界以外では、大手だから安心と思ってしまいます。ブランドというのは不思議なものといえます。

買主側の囲い込み突破の交渉テクニック

囲い込みは買主の自由に対する障害

買主は当社のような不動産業者を通して取引すれば、手数料を安くすることも可能です。あるいは信頼できる不動産屋さんに任せたいという方々には、囲い込みは障害です。

囲い込みは、大手も含め、売却物件の案件を多く抱える業者がやることです。大手の思考パターンや行動パターンを把握しなければなりません。そもそも、囲い込みは数字が欲しさが動機ですから、数字につながるのであれば、囲い込みを突破できる可能性が高くなります。

月末などの要所を突く

囲い込み業者がのどから欲しい数字を取れる状況であれば、囲い込みを突破できることがあります。具体的には月末などの時期です。大きな会社ほど月末などは契約数が欲しい時期になりますので、そのような時期に具体的な購入意欲を示すことです。

もちろん、囲い込み業者も月末は契約案件の上積みがのどから欲しい時期ですので、囲い込みを突破できる可能性が高まります。囲い込みが著名な業者相手でも、このような事例なら当社も経験したこともあります。

売主の囲い込み業者防御テクニック

個人の売主さんが囲い込みの決定的な証拠をつかむことは困難です。そもそも、簡単に見破ることができれば、不動産業者はやる意味はありません。巧妙化が少しづつ進んでいます。ただし、囲い込みの証拠を見破ることはできなくても、兆候や傾向を認識することはできます。

大手には一般媒介で依頼する

大手に売却を依頼するならば、一般媒介で出すのが鉄則だと思います。

囲い込みは、そもそも数字が欲しくて、契約を両手でやろうとすることが動機です。したがって、片手でも契約したほうが得だという状況を意識して作り出せれば、囲い込みは避けることができます。

残念なことに、囲い込みの問題は、売却物件の案件を多く抱える業者で頻度が多くなることです。これには、本来、コンプライアンス遵守すべき大手も含まれます。

その一方で、名前の安心感があるので、大手に売却を依頼したいお客さんも多いと思います。問題点は、どの担当者、どの支店が囲い込みをするかがわからないことです。

そこで、大手に売却を依頼したいときは、一般媒介がいいでしょう。一般媒介であれば、複数の売却業者に依頼をすることが可能です。

一般媒介を活用した囲い込みをするテクニックもありますが、複数に依頼することで、どこか1社はレインズなどに掲載するようになります。どこか1社がレインズに掲載していれば、別の会社もレインズに掲載したほうが得策です。このようにして囲い込みは崩すことが可能です。

評判などを調べる

最近の囲い込みは巧妙化が進んでいて、しかし、組織的にやってる業者さんであれば、業者の卒業OB、異変を感じ取った周辺の業者が、ネットの掲示板等に投稿しています。【(業者名) 囲い込み】検索すれば、求めている情報が多数出てくると思います。【○○不動産販売 囲い込み】【××ホーム 囲い込み】などのキーワードです。

リノベーション物件・建売物件の専任を調べる

売却依頼先として検討している業者の販売物件のラインナップに、リノベーション物件、新築建売の専任媒介がないか、調べてみましょう。

前段で、専任返しというテクニックがあるとお伝えしましたが、専任返しは商品物件で起こる現象です。つまり、仲介業者の販売物件のラインナップの中で、リノベーションマンション、新築建売の物件の一部が「専任媒介」「専属専任媒介」となっていれば、専任返しの疑いが濃厚です。専任返しは非常に高効率な回転なので、仲介業者はつねに専任返しを要求する動機があります。このような仲介業者に所有する物件を預ける場合には、物件が干される可能性を考えなければなりません。販売物件のラインナップに専任媒介のリノベーション物件、新築建売ないか、調べてみましょう。

買取保証(売却保証)がある仲介業者

売却依頼先として検討している業者が、「買取保証」(売却保証)をセールスポイントにしていないか、調べてみましょう。

不動産業の分野の中でも、買取再販売というビジネスモデルがあります。買取再販売は数ある不動産業のビジネスモデルの中でも、リスクが高いビジネスです。リスクが高い分、仲介業よりも利益率が高い事業です。買取業のビジネス自体は物件に流動性を与える(物件が動くようにする)役割があり、非常に社会的な意義あるビジネスだと思います。

そのため安全確実な物件を安く仕入れることができれば、たいへん高利益が期待できます。

物件売却の最前線にいる仲介業者は、一番最初に利益の高い不動産の情報に接触できます。そのため、買取業務にとって非常に有利な立場にいます。買取保証を掲げこれをセールスポイントにする不動産業者に対しては、本来、倫理的にどうかしていると考えなければならないところです。大手・中小・零細にかかわらず、警戒が必要です。

仲介業者の看板を掲げる一方で、買取のために「物件を干す」ということを日常業務にしていると噂される仲介業者もいます。

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