不動産を買取業者に高く売る!知らないと損する7つのポイント

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「不動産を業者に売ると安くなる」と言われがちですが、実は工夫ひとつで100万円以上の差がつくこともあります。買取価格は交渉や見せ方、タイミング次第で大きく変動する――だからこそ、正しい知識を持って臨むことが重要です。

この記事では、不動産を買取業者に高く売るための7つの実践ポイントをわかりやすく解説します。相場の把握から交渉術、物件の魅力の伝え方まで、今すぐ活かせる内容ばかり。「どうせ安く買われるんでしょ…」とあきらめる前に、ぜひチェックしてみてください。

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買取と仲介の違いを理解する

「買取』と『仲介』の札の前に考え込む夫婦

なぜ買取価格は仲介より低くなるのか?

買取業者は、購入した物件を「商品」として再販することを前提に動きます。そのため、仕入れ価格にはリフォームや解体などの原価、販売コスト、税金、そして利益を確保するための利幅が上乗せされる構造です。その結果、個人に売る仲介と比べて、買取価格は2〜3割ほど低くなるのが一般的です。これは決して足元を見ているわけではなく、業者にとってはリスクヘッジ込みの妥当な価格設定といえます。

それでも「買取」を選ぶべき人とは?

「早く確実に売りたい」「内見対応が面倒」「建物に不具合がある」「相続や離婚で整理を急ぎたい」といった事情がある方にとって、買取は大きなメリットがあります。売却活動を最短1週間で終えることも可能で、買主からの値下げ交渉やローン審査落ちといった不安もありません。「多少安くても手間なく売りたい」というニーズにぴったりの方法です。

複数社に査定依頼して相場を知る

一括査定サイトを使う注意点

複数の不動産会社に同時に見積もり依頼できる「一括査定サイト」は、現在の買取相場をつかむうえで非常に有効なようにも感じます。おおよその価格帯を知ることで、極端に安い提示や根拠のない高額査定を見極められるというのです。

ただ、気軽な気持ちで使うのは禁物です。入力した情報に対して確実に営業電話は増えます。また、交渉のテーブルについてからじっくり下げようという強面の輩も多いです。特に「即金買取可」や「現金化急げます」といったキャッチには慎重な目を持つべきです。

なにより、あったことすらない人と商談するのですから、誰がまともで誰がまともでないのか。まったく判断できないと思います。

仲介業者をうまく使う

「買取専門」の業者だけでなく、仲介業者にも買取ネットワークを持っている会社があります。特に地場の仲介業者は、信用を重視しながら、地元の再販業者や投資家とのつながりがあるため、バランスがいいと言えます。より良い条件でマッチングしてくれるケースもあります。また、複数の業者に声をかけることが面倒であれば、信頼できる仲介業者をハブにして買取業者を紹介してもらう手法も有効です。情報の出し方一つで、買取価格に差が生まれます。

大手の担当者は移動や転退職が頻繁に発生するので、信頼できる売り先よりも、自己成績を重視するあまり、専任返しなどで売主の利益を害する場合もあります。

商談を前のめりにさせるため、「必ず売る」と伝えよう

「売るかどうか迷ってる」は業者の温度感を下げる

「売るかどうかはまだ決めていないんですけど…」という態度は、買い手である買取業者にとっては優先順位を下げざるを得ない発言です。業者は確実に仕入れができる案件に人と時間をかけたいので、商談が進みにくくなるのは当然のこと。やる気のない売主という印象を与えないためにも、初動から「今回は必ず売るつもりです」と明確な意思を伝えることが、より良い価格を引き出すカギになります。

同様に、けっこう多くの方が言うのですが、「急いでいない」などの言葉も禁句です。「いい話があれば…」「とりあえず聞いてみたいだけ」「まだ家族と相談中でして…」といった発言は、業者にとっては「真剣度が低い」と映り、価格提示に慎重にならざるを得ません。価格交渉は“温度感”が重要な要素。売主側の本気度が伝われば、それだけ業者も条件を詰めにくるのです。

決断済みの売主は価格交渉でも有利になることも

売却の決意が固まっている売主に対して、業者は他社との競合を意識し、より本気の価格提示をしてくる傾向があります。「この案件を逃したくない」と思わせることで、1社目より2社目、3社目と価格が上がることもあります。

実際に、お客様が3社に相談しただけときには微妙だった金額が、当社が「絶対に売るお客様だ」と推したことで、最終的に200万のアップを出した業者で成約に至ったというケースがありました。価格だけでなく、スケジュールや手数料、契約条件などの交渉も主導権を握りやすくなるため、「売る前提で話を進めている」というスタンスは非常に重要です。

物件の魅力を正しく伝える

築年数だけじゃない!眺望・角部屋・リフォーム歴なども強調

査定の際、築年数や専有面積といった基本データだけで評価されがちですが、実はそれ以外の要素も価格に大きな影響を与えます。たとえば「眺望の抜け」「角部屋」「日当たりの良さ」などは再販時のセールスポイントになり、業者側にとっても利ざやを確保しやすい要素です。また、過去に行ったリフォームや修繕履歴がある場合は、必ず整理して伝えるようにしましょう。実際に、「この部分は交換せずにそのまま使えた」と判断されて、査定額が上がったケースもありました。

情報が多いほど、業者は安心して価格を上げられます。

古家つき土地でも、「再建築可」「整形地」は武器になる

築年数が古くても諦める必要はありません。たとえば建物が古くても、その土地が「再建築可能」「整形地」「南道路接道」などであれば、建て替え用地として高く評価される可能性があります。売主自身が建築知識を持っていなくても、こうした「不動産の素材価値」をしっかり伝えるだけで業者の見る目が変わります。分かりやすく整理された資料や手書きメモがあるだけでも、買い手側の評価は大きく変わります。

業者も人間!できる限りの整理整頓、清掃などに気をつけよう

荷物が少ない部屋は「手直しが少なそう」と思わせられる

買取業者は現況での状態を確認し、リフォームや残置物撤去の費用を見込んで価格を計算します。そのため、部屋が散らかっていたり、荷物が多かったりする場合、「原状回復にコストがかかる」と判断されがちです。逆に、最低限の清掃や整理整頓がされているだけで「これはそのまま再販しやすい物件だな」という印象を持ってもらえる可能性があります。日頃、室内を丁寧に整えられていたお客様のマンションが、価格の最終の詰めの段階でせりあがって、高く買い取ってもらえた例は、当社でもありました。

第一印象の清潔感は、売主の人柄を感じさせる。価格への印象にも直結

物件を訪れる買取業者の担当者は、建物の状態だけでなく、そこに住んでいた売主の“住まい方”にも注目しています。玄関の整理整頓、水回りの衛生状態、生活臭などの些細な要素から、丁寧に使われていたかどうかを見極めています。清潔感のある住まいは、売主の信頼感につながり、業者も安心して積極的な価格提示をしやすくなります。

時期を見極める(季節・金利・市況)

「買う気がある時」に売るのが鉄則!決算期や繁忙期を狙えば、価格アップを引き出せるチャンスがあります。

男女2人がテーブルでカレンダーを見ながら話している

業者が在庫を欲しがる「決算期」「繁忙期」を活用

3月や9月の決算期、1月〜3月の繁忙期などは、業者が「在庫を揃えたい」と考える時期。特に決算直前は数字を作るために積極的な仕入れを行う傾向があります。この時期を狙って売却の準備を進めることで、実際に、決算前の3月に売却を進めた案件では、通常より50万円ほど高くからはじまって、10万、5万と少しづつ上がていったケースがありました。買い手側の事情に乗じるのも、売却戦略のひとつです。

営業成績のグラフを見ながら戦略会議を開く営業チーム

売り急ぎせず、市況が安定している時期を狙う

不動産の買取価格は、市況に大きく左右されます。特に地価が上昇傾向にある時期や、金利が安定しているタイミングでは、業者も積極的に仕入れを行いやすくなります。逆に、不況や金利上昇局面では仕入れを控える傾向があるため、価格は下がりやすくなります。タイミングを急ぎすぎず、売却を検討している間も市場ニュースに目を向けておくことが、高く売るための地味ながら大きな一手となります。

業者の得意分野を見極めよう

筆者の今までの経験でも、業者にはそれぞれ得意分野があり、物件との相性によって査定額に大きな差が出ることがありました。自分の物件に合った業者を選ぶことが、納得価格への近道です。
業者の得意分野のケース

リフォーム再販型か?収益投資型か?業者によって得意が違う

買取業者と一口に言っても、得意分野はさまざまです。フルリノベして再販する業者もいれば、現状のまま賃貸に出して利回りを重視する収益投資型の業者もいます。たとえば、築浅で内装状態が良い物件は再販向き、立地が良くて家賃が安定しそうな物件は収益型向き…と、同じ物件でも評価の観点が異なります。物件と業者の“相性”を見極めることが、納得価格への近道です。

得意ゾーンを見極めよう

業者によっては、特定のエリアに特化して取引をしているケースがあります。たとえば「城東エリアに強い業者」「23区西部に再販ルートを持つ業者」など、それぞれの地盤を活かした高値買取が可能なこともあります。自分の物件所在地に地の利がある業者を選んだ結果、査定金額が上がった事例もありました。そのため、エリアの実績や対象範囲は事前に必ず確認しておくべきです。

ゾーンとは、地域だけではありません。築古の物件が得意な業者もいれば、湾岸タワマンが得意な業者もいます。特性を見極めることで、確かな価格を引き出すことが可能となります。

自分の物件に合った業者を選ぶだけで価格が変わる

たとえば「狭小住宅専門」「事故物件もOK」「再建築不可でも歓迎」といった専門性を持つ業者は、他社より高く買い取ってくれる可能性があります。業者の実績やホームページを事前にチェックし、自分の物件タイプと合致するかを見てからアプローチするのがオススメです。実際に、買い手の戦略とうまく合致して、相場より高値で売却できたケースもありました。

まとめ:買取でも工夫次第で価格はアップ!

買取は「早く・確実に」売却できる手段ですが、「安くなる」と決めつけてしまうのは早計です。
今回ご紹介した7つのポイントを押さえれば、買取でも納得の価格での売却が十分可能です。

とくに、売却のタイミングや、物件に合った得意分野の業者を見極めることで、査定額に大きな差が出ることもあります。
しかし同時に、買取には「再販価格の相場」という限界があるのも事実。
最終的に複数の業者と真剣な商談を重ねていくと、金額がある程度収束してくるケースも多くあります。
だからこそ、良い水先案内人となる好い仲介業者を選ぶ選択肢も重要です。

ロータス不動産では、買取業者への仲介に限り「仲介手数料無料」で対応しています。
さらに、社長自ら価格交渉にも粘り強く対応し、買取価格アップの実績も多数ございます。
「どうせ売るなら、1円でも高く」――そんな方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

不動産の「売る」「買う」の正しい判断をお助けするため正しい情報を提供するブログです。不動産屋の社長が2010年の創業から運営しています。

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宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター FP 住宅ローンアドバイザー

ご挨拶

新築・中古を問わず、分譲マンションや戸建ての販売・開発に20年以上携わってきました。専門知識が欠かせない不動産の世界だからこそ、宅地建物取引士や公認不動産コンサルティングマスターなどの資格を活かして、日々の業務に取り組んでいます。

当社のサイトでは、物件の魅力はもちろん、将来的な資産価値や注意点まで率直にお伝えしています。「納得して取引できた」と思えるよう、判断材料をご提供しています。

なお、当サイトに掲載している情報は、すべて私自身が独自に執筆したものです。現場の肌感や最新動向も含め、信頼できる情報を目指しています。

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