価格交渉のコツ(リノベ・建売物件編)

売主も人間であることを忘れないようにしましょう。いい物件や市場に出始めの物件は、価格交渉をすべきか慎重に考えるべきです。むやみな価格交渉は物件を逃すことになります。

特に、ダメ出しをして交渉するのはご法度です。変な物件に大金払うと言っているのと同じで、「変人」扱いされて終わりです。書面による明確な意思表示をしながら、「協調ポイント」も準備して、交渉の中で歩み寄ることが重要です。

その意味で「価格交渉に自信あり」などと、無根拠に価格交渉を持ちかける仲介業者は警戒すべきです。

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値切る前に再確認

本当に欲しい物件なのか

価格交渉に入る前に、まず考えるべきは、「その物件が本当に欲しいのか」です。 価格交渉は「リスクを伴う行為」です。値引を持ち掛けるのは自由ですが、売主が「あなたには売らない」という判定をするのも自由なのです。

本当に欲しい物件であればあるほど、「売主に挑戦するべきかどうか」は慎重に判断する必要があります。

ほかにその物件を欲しい人はいないのか

次に考えるべきは他に買う人はいないのか?ということです。

1棟で利益を見る新築マンションとも異なり、リノベ物件や建売のような小規模物件は一点モノです。良い物件ならば必ず複数の検討者が現れます。インターネットに掲載され、内見が行われている時点で、「自分だけが気づいている」というケースはほぼありません。

不動産の価格設定はオークションに似ています。高い人が勝つのです。交渉をしている間に他の買主に先を越されることは、皆さんが思うより珍しくありません。

価格交渉をするということは、「競争の中であえて負けに行く行為」でもあります。競争している相手が見えないだけで、競合の存在を想定するかどうかは、判断の分かれ目です。

価格交渉をする人を売主はどうみるか

以前、売主業者の担当者と会食をしてて、ハっと気づかされたことがあります。無謀な価格交渉をする人は「変わった人かもしれない・・・」と見られてるんですね。

価格交渉を成功させるには、売主の視点で考えることは極めて重要です。不動産の売買は「買う」という意思表示だけでは成り立たず、「売却に合意する」という要素もあるからです。複数の候補の中から買主を選ぶのは売主であることを忘れてはいけません。

・この人は本気で買うのか
・条件に無理があるのではないか
・他にも候補があるのではないか

こうした見方をしています。

このとき、価格交渉をするものなら、「誰も買わないと考えている物件を、買いたいと申し出ているいるのか?」という視点になります。そういう人はどんな風に思われるかというのを想像してみてください。

「商品物件の売主はプロフェッショナル」という前提

リノベーション物件や建売住宅は、個人売主の物件とは性質が大きく異なります。 最大の違いは「相手がプロである」という点です。

価格はすでに戦略的に決められている

リノベ物件や建売住宅の価格は、市場調査をしたうえで値決めを行い、それから逆算して、物件を仕入れ価格を逆算して、仕入れをオファーしていきます。付帯する工事費・販売期間・利益率は一定の基準で組み立てられています。 この前提を理解しないまま交渉しても、話はまとまりません。

「とりあえず高く出している」という発想はなく、 「この価格なら売れる」という前提で設定されています。そのうえでミスがあるかもししれませんが、その場合は値下げをしていきます。

価格は感情ではなく、事業として設計されています。買主が思っている以上に、売主は市場を見ています。

担当者に決定権はない

業者売主の物件では、営業担当がその場で値引きを決めることはできません。上司・決裁者・会社方針の中で判断されるため、 感覚的な交渉や勢いでの値引きは通りません。

むしろ、無理な交渉は「めんどくさい買主はカンベン」「この買主は危ない」と判断されるリスクもあります。

値引きは「合理性」で決まる

価格交渉が成立するときは、必ず合理的な理由があります。

  • 早期売却につながる
  • 資金回収が早まる
  • 在庫リスクが下がる

こうしたメリットと一致するかが重要です。「素敵ないい買主で気に入ったから安くする」というボランティア精神にあふれた人はいません。

価格交渉の現実的なコツ

端数切りを狙う

現実的に通りやすいのは「端数切り」です。

3,480万円 → 3,400万円台 このような調整であれば、売主側も検討余地があります。

最初から大幅な値引きを狙うより、 合意しやすいラインを見極めることが重要です。

タイミングを読む

交渉の可否はタイミングで大きく変わります。

  • 販売開始直後 → ほぼ不可
  • 販売が長期化 → 交渉余地あり
  • 完成後・在庫化 → チャンスあり

売主は「売れ行き」を見ながら判断を変えます。 この流れを読むことが重要です。この流れを読むことに、買主側の業者の存在価値があります。

共感できる理由を提示する

「なんとなく安くしてほしい」という交渉は通りませんし、大幅な価格交渉をしても、変わった人と思われるだけです。価格交渉が成立するかどうかは、「理由の質」で大きく変わります。

  • 修繕が想定以上に必要
  • 予算の上限に対して少し届かない
  • 設備面で改善が必要
  • ただ、商品物件の場合はすでに設備自体は改善されています。

    結局は、「本当にいい物件で買いたいので頑張った予算なんだけど、○○の事情で届かない」という理由の説明になってくるはずです。

    値下げを待つという戦略

    事業ということは利益もありますが、減価もあります。やはり長く持っておくことはあまり合理的ではありません。そのような事情があるので、業者売主の物件は、売れなければ「会社判断」で値下げされます。

    交渉をするよりも、価格改定を待つ方が合理的なケースもあります。

    ただし、買いたい気持ちが優った人が先に買っていきます。先に売れるリスクがあるため、 物件の魅力度とのバランスで判断が必要です。

    やっても無意味な価格交渉

    大幅な値引き要求

    相場から外れた大幅な値引きは、ほぼ通りません。先ほどもお話した通り、「この人は変わり者である」と判定されて、結局は「この人には売りたくない」と判断されます。

    業者は感情ではなく、事業として判断しています。クレーマーなど、リスクとなる要因をわざわざ拾うことはありません。

    申込前の価格交渉

    申込前の交渉は「本気度が低い」と見なされます。売主からすれば、 買うかどうかわからない相手に値引きする理由がありません。

    価格交渉は、書面による購入意思として示すことがが基本です。そもそも、仲介業者も値引くかどうかわからなかったりします。

    ネガティブポイントを一生懸命列挙する

    買主にとって、それが変な物件だという理由を列挙しているわけです。ネガティブポイントを列挙しながら大きなお金をかけて買おうというわけです。まさに「変人」に他なりません。

    「だったら買わないでくれ」「無理しないでもいいよ」で終わりです。

    現金だから安くしてほしいと主張する

    「ローンだから悪いお金」「現金だから素敵なお金」なんてことはないわけじゃないですか。現金であること自体に、価格面での優位性はほとんどありません。

    現金の価値は「スピード」にあります。 価格交渉ではなく、競合が生じたときに生きる決済条件のポイントです。

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