中古住宅の瑕疵保証保険

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中古住宅の瑕疵保証保険』のまとめ

瑕疵保険の基本的な意義は、「瑕疵担保の責任がある(法人や個人)に対して、保証の資力(資金)がなくなったときに、金銭を以て保証をする」というものです。まず第一に、瑕疵担保責任がある主体は売主ですが、その売主が何かしらの事情により瑕疵の保証ができないときに、保険金という形で対応するためのものです。また、瑕疵保証保険の対象となる瑕疵担保責任は構造上重要な部分に限られます。なお、個人の売主の場合でも瑕疵保証保険の利用は可能ですが、資力が十分な事業者と個人とでは、システムが分けられています。

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中古住宅と瑕疵保険を取り巻く現状

いま、政府の政策は新築から中古の売買に軸足を移していて、中古物件の流通を促進しようとしています。その一環として、契約不適合責任保険の制度を固めています。契約不適合責任保険の主な目的は、保証をつけることで安心を促して、中古物件の販売を促して、日本の不動産の資産価値を下落させないようにするという意図があります。

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瑕疵保証保険の仕組み

政策的な税制メリット

中古物件の流通促進に力を注いでいますので、瑕疵保証保険の付保証明をつけることで各種の税制優遇が付随的なメリットを設定しています。優遇は以下のようなものがあります。

なお、耐震基準に適合する建物であれば、保険をつけなくても、耐震基準適合証明により税制優遇の適用を受けることができます。税制的な優遇に着目するのであれば、他の方法でも同等の効果は得ることは可能です。

住まい給付金

瑕疵保証保険の付保証明の金銭的なメリットには、もう一つ、住まい給付金があります。すまい給付金は、消費税率引上げによる住宅取得者の負担をかなりの程度緩和するために創設した制度です。消費税率10%時は収入額の目安が775万円以下の方を対象に最大50万円を給付するものです。

瑕疵保証保険の現状

新築住宅ですと、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)という法律をもとづき、10年保証の義務化と一体となり、瑕疵保証保険の制度が運用されています。このシステムも、出来てからもう10年近くに及びます。例の耐震偽装事件がきっかけととなり、出来た制度です。しかし、中古住宅の瑕疵保証保険ができたのがこの数年です。最近やっと立ち上がった制度で、義務化されていない側面もあり、中古住宅の瑕疵保証保険は、まだ浸透していないのが実情です。

インスペクション

瑕疵保険と密接な関係にあるものとして、インスペクションがあります。中古住宅が瑕疵保証保険を受けるにあたっては、必ず物件のインスペクションを行います。インスペクションとは物件の検査のことです。保険を受けるために保証責任がある企業が物件に適合性があるかどうかを確認するために行われます。

インスペクションだけのサービスも請け負う、検査専門の事業者もあります。インスペクションというサービスは10年くらい前から既に存在していましたが、海外の事例を知っている人が意識的に取り組んでいるレベルだけで、こちらもまだまだ浸透していないのが実情です。アメリカなどの海外はインスペクションサービスは一般的で必ず行うものとされていますので、差があるのが現状です。この点は今後の日本の課題です。

インスペクションも瑕疵保険も、義務ではなく任意で行うものとされています。インスペクションも瑕疵保険も、我々不動産業者の義務は制度が存在する情報の提供と、実施履歴の有無についてお客様に説明すればよいというだけです。

瑕疵保証保険に加入したい場合

それでは、瑕疵保証保険に加入したい場合はどうしたらいいか、見ていきましょう。

事業者が販売する物件で保険に加入したもの

事業者が販売する物件では、売主が加入すべきものとされています。事業者が販売する物件とは、具体的に言うと新築戸建てやリノベーションマンションです。この分野に意識が高い事業者は、契約不適合責任保険に自ら進んで加入していて、その前提としてインスペクションも行っています。安心に対する一定の措置がなされているとみていいでしょう。

新築一戸建ては品確法により保険に入ることがほとんどなので、特に心配はないでしょう。

事業者物件のうち保険に加入していない場合

事業者物件は保険に売主が自ら加入すべきものとされていますので、事業者物件のうち保険に加入していないものは、交渉が必要です。物件への保険の前に事業者が会社として保険手続きをしないといけません。事業者の対応により保険の可否が分かれます。

付保のための準備ができている事業者は、買主の費用負担で経費を支払え対応してくれると思います。会社として準備をしていない事業者との交渉は骨を折ることになると思います。なかには面倒くさがって交渉を拒否するところも出ると思います。

個人間売買

居住中の中古マンションなど、個人間の売買の場合は別の制度が用意されています。個人間売買では、インスペクション検査会社が被保険者となり、保険会社がこの検査会社のインスペクションの精度を保証するという建付けで、保証制度が用意されています。ただ制度としても浸透していませんし、売主に義務がありませんので、自ら進んで費用を負担して保険金を支払う売主はいないのが実情です。

個人売買の物件で瑕疵保険を付ける流れ

まずインスペクションをしなければなりませんが、その実施のタイミングは、大まかな商談が成立したあと、売買契約前に行います。実務上は大まかな商談が成立すると、契約の前に、ローンの審査や具体的な商談を詰める作業を行いますので、その期間を利用することになると思われます。

売買契約が成立したあと、決済までに、保険に加入します。

インスペクションの結果、問題がある場合の修復費用の負担は交渉になると思われます。

費用負担について

売主にインスペクションや保険の費用負担を求めるのは難しそうです。この点はアメリカでは「買主の息のかかった人を雇う」という考え方で、買主が負担するものとされています。保険に入れなくても、買主が負担することになると思います。

売主に費用負担を求めるのは売主が敬遠することになります。インスペクションをすれば物件の差別化につながるなどの慣例もありません。したがって、売主はインスペクション自体を受け入れないという判断をすることになります。

契約段階でルールをがっちり取り決めて、契約成立後にインスペクションをするという交渉も自由ですが、自ら物件の価格下落につながる作業を意欲的に取り組む売主はいません。

懸念点

アメリカでは修復費用を見積もって値下げ交渉という処理になるのですが、日本ではインスペクションに関係した慣行や制度が確立されていません。一般的な処理対応も確立されていません。値下げをするくらいなら売却中止という売主が出たり、欠陥があるなら買わない買主が出ると思われます。

大手仲介会社等の独自の保証

大手仲介業者では両手仲介手数料を取るための独自のサービスの一環として、独自に建物の検査や保証の制度を設定している業者もいます。ただ、当社が中小の業者だからdisるわけではありませんが、多くは保証期間が1年で、保証の上限となる金額が250万円程度のようで、内容がチープなものになってしまっているようです。また、対象とする中古住宅の種別や範囲などは会社によっても異なります。なにより政府の監督のない独自の保証制度ですので、税制の優遇がありません。また、中立性も疑問になりそうです。仲介会社の息がかかったインスペクションと保証になるからです。

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