購入希望者がいるというチラシや手紙はウソ

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購入希望者がいるというチラシや手紙はウソです。

ストーリーにどれだけ信ぴょう性を持たせて、売り物件を吊り上げるかが、腕の見せ所だそうです。

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買主を抱えるアピールするチラシはウソ

買主を抱えていますというチラシですが、よく、ポストに迷惑チラシとして投函されていませんか? 

都合のよいストーリー

チラシの内容は、だいたい以下のようなものです。チラシ以外のDM、電話、メールなども基本は同様です。

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チラシには、よく考えれば荒唐無稽で都合の良いストーリーが書いてあります。

たとえば、「地域の相場などまったく知らない、気前のいい法人(外資系とか医療法人とか)」が、「当社のグループ会社のつながり」で、「社宅として複数のマンションを探して」いて、「急いでいるので少し高くてもかまわない。具体的には地域の相場の500万円~1000万円増しでも可能」などというものです。

また、リノベーションマンション販売中に他の部屋をあげるべく、「リノベーションされていない部屋を探している」というバージョンがある場合もあります。

しかし内容がどのようなものにせよ、投函の全てうそです。ストーリーに信ぴょう性を持たせて、売り物件を吊り上げるかが、腕の見せ所だそうです。

ウソを維持するのも一苦労ですので、当社ではそのようなアプローチは採用していません。オンライン上でのご相談で、ラインによる売却のご相談などで対応しています。

大手ほど多い

大手ほどこのようなチラシが多く投函されています。ただ、最大手の一角で、この手法の活用では大御所的な存在であったS社は、この手法をやめたそうです。コンプライアンス違反は免れないということで、業務改革の一環だそうです。その結果、大手以外の業者が手を伸ばしつつあります。

そもそも、このようなチラシは本来は迷惑と感じる人もいます。迷惑を考えずに投函しているわけですから、このようなチラシの内容は疑うことが重要かもしれませんね。

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信じたいという気持ちがあれば、悲しいウソを信じてしまう気持ちが人にはあります。

ウソと断言できる理由

売却を委託してみて期待した案内がなくても、外部からは検証不可能ですので、どのような言い訳もで可能です。不動産業を経営してみるとわかるのですが、買主の希望は千差万別なので、全く割に合わない行動なのです。

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マニュアルの存在

直接的な根拠は、大手(前述のS社)に勤務していた人に聞いた話により、業務マニュアルに書いてあったと聞いた体験です。とりあえず高値でもいいので売却委託を取り付けて、後で価格を下げさせれば良いと書いてあり、案件を吊り上げる手法として、記載されていたそうです。

不動産業界では共通認識

【購入希望者 チラシ ウソ】で検索してただくといくらでも同様の記事が出てきます。まっとうな感覚を持った不動産業者、不動産営業マンの立場からすれば、苦々しい思いを感じているのだと思います。

グーグル検索の例

お客様は信じてしまう

ただ、お客様としてはこういうチラシを見ると信じる方も多いようですね。

よく、自信たっぷりに「うちのマンションは買い手がいくらでもいる」ということをおっしゃるので、よくよくお話を聞いてみると、このようなチラシを見かけたことが根拠のようです。

「そういうチラシはウソですよ」とお伝えすると、「やっぱりそうなの!?」とおっしゃる方も多くいます。その一方で、大手ブランドが利いているのか、頑なに信じている方もいます。

普段は迷惑なチラシで疑ってかかるものについても、いざ物件を売る立場になると、不思議なことに受け入れてしまうようです。

この記事の作者

2010年から(株)ロータス不動産代表。宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター他。デリードコーポレーション(現株式会社セレコーポレーション)でマンションのマーケティング・商品企画を、ヤマト住建株式会社で建売分譲の開発と販売を経験しました。早稲田大(法)95年卒。在学中は早大英語会に所属。

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