購入の流れを不動産会社タイプごとに比較
営業系の不動産会社は、シツコイ営業をして、キメ物を売ることが得意です。押しに弱い方は、避けた方がいいかもしれません。
大手系の不動産会社は管理物件・預かり物件が多いので、お客さんを選べるというポジションです。
当社のようなネットで営業をする会社は、お客様に合わせた物件の対応をします。物件のご質問は事前に確認をしていただくとよいでしょう。
公開日: 更新日:
著者:春日秀典
2010年から(株)ロータス不動産代表。ヤマト住建(株)等OB。宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター他。早稲田大(法)95年卒。在学中は早大英語会に所属。
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目次
営業系の不動産業者の購入の流れ
営業系のしつこい不動産業者はハードな軍隊式の営業活動ができる不動産業者です。営業力重視のため、とにかく接触機会を多く持とうとします。そのためにまずしなければならないことは、お客さんと会うことです。営業系の不動産会社はシツコイ不動産会社と一致していますので、リンク先の記事で見分けていただくことも可能です。
知り合うきっかけの物件見学
営業系の物件の見学は「当日可能」「夜でも可能」など、とくかく誘引しようとします。物件の見学は担当者レベルが対応します。担当者レベルの営業マンは知識経験が若干不足していることもあります。
物件の見学のあとは、担当者はそのまま不動産店への来店を誘ってきます。物件という数々の仕掛けからお客さんを釣り上げるのことが担当者の仕事です。来店をさせることができないと、こっぴどく叱られますので、担当マンは来店を促すことにしつこくなります。
不動産会社へ移動して詰め
不動産会社に訪問すると担当者の上司である営業マンが待ち構えています。この方は知識経験は豊富です。営業マンが来店を促す目的はいくつかあります。営業マンに引率されて不動産店に訪問をすると以下のような交渉が待っています。
- 物件の購入させる交渉
- お客様のニーズにより他の物件に振り分ける交渉
- 購入限度額を把握するため、ダミーでローンの事前審査をさせる交渉
見学した物件で即購入であれば不動産店にとっても楽ですが、そう簡単なケースばかりではありません。そこで、別の物件に振り分ける商談が重要となります。
フォローを継続すべきかどうかを判断するのに、ダミーの事前審査を促してきます。ローンに通る人であればフォローは続行です。
複数物件の見学とキメ物件の交渉
「まわし物件」を見てから、最後に「キメ物」を案内します。これが一般的なセオリーです。
「キメ物」とは「決める物件」のことです。「キメ物」はいい物件とは限りません。あくまでも、不動産店のシナリオに基づき、契約に落とし込みたい物件です。「キメ物」はごくたまに「いい物件」でもあることもありますが、ほとんどは関連会社の所有物件や、インセンティブ(歩合や報酬)が多い物件です。
回し物件とは、価格が安い物件などが宛てられます。一部はお客様の希望にヒットしているものの、全体的にはお客様の希望から外れる物件です。「キメ物」の演出に使われます。
回し物件を見せる
まずは、複数の「まわし物件」を見て回ります。回し物件は価格が安い物件であることがほとんでです。回し物件もいいところを伝えて、購入の意思を確認するふりをして、一生懸命セールスします。
しかし本当の目的は現実を見せつけ、お客さんを飽きさせて、疲れさせることになります。お客さんに焦りと疲れが見えてきたころが、次のアクションです。
キメ物を案内する
お客さんに疲れと焦りが出てきたころ、「キメ物」の紹介を行います。キメ物の紹介には、しばしば人気物件の偶然のキャンセルなどの名目で、劇的・運命的な状況を演出します。
キメ物は不動産会社が売りたい物件です。そのための準備は万端です。理論武装も含め丁寧な準備を行っています。必要な資料を十分にそろえています。このタイプの不動産屋さんにキメ物件まで案内をさせられたのであれば、もう術中にはまっているので、逃げるのは難しいでしょう。
したがって、「断れる強さ」を持っている方でないと、上手に使いこなすことは難しいかもしれません。押しに弱い方は避けるべきかもしれません。
大手系の不動産業者の購入の流れ
大手の仲介会社とは「財閥」「鉄道」「金融機関」「大手マンション開発業者」の関連会社です。所属している業界団体が「全国宅地建物取引業協会」「全日本不動産協会」以外の会社でもあります。
大手の仲介業者は持っている物件、預かっている物件が多く、お問い合わせも大変多いのが実情です。そのため、無茶な営業をする必要はありません。
「お客さんを選べる立場」という感覚があるので、ローンや条件に少しでも難易度があると、対応は後回しになります。
不動産物件の見学
会社によっては車で案内をしてくれるところもありますが、大手系の不動産業者の対応は基本は現地集合・現地解散です。火曜・水曜の休みは確実に取ります。
大手の場合は、お客さん方で物件を気に入っても、その仲介会社自体が契約に向けて動かない場合があります。とくに仲介手数料については手厳しく、両手の契約でないと社内の稟議で承認を出さない会社もあります。
片手の契約を「分かれ契約」といいますが、「ワカレンジャー」と馬鹿にされたり、「他社のスパイか」と侮辱されたりすることもあります。現場の営業マンはそのことを十分承知していますので、案内をしてくれるのは自社の預かり物件だけになります。
欲しければ購入申し込み
「買いたければ買えば」というのが基本スタンスです。管理している物件は多く、お問い合わせも大変多いので、いつかは売れるからです。
若い営業マンを訓練させるためしつこい営業をすることもありますが、預かっている物件が多数のため、通常はそのようなことをしている暇はありません。多くの玉を持っていますので、どれかが当たればいいわけです。
欲しければ自分で事前審査
大手においては、ローンの事前審査はオンラインで行います。複数の銀行に接続されたシステムを用いて、一気に審査を依頼します。これに対して各銀行の担当者が個別にフォローします。悪い言い方をすれば、ローンの審査は銀行に対して丸投げという状態で、便利なようで、意外にもお客様にも銀行の担当者にも評判が悪いようです。
銀行の担当者にとっても評判が悪いのは成約率の悪さです。一気に多数の銀行に審査を依頼していますので、決まらないことが多くなっているとのことです。
お客様にとっては、不慣れな作業で戸惑うことが多いようです。ミスをしてはけないからと不要な緊張を強いられることになります。銀行の担当者も「決まらないかもしれない」と思っているので、対応もぞんざいになることも多いようです。
当社の購入の流れ
当社の場合は買いたい物件を買っていただきいと考えているので、「キメ物」という概念がありません。大手のように自社の物件だけを扱うという方針でもありません。共同仲介にも対応いたします。シツコイ不動産会社であることを除き、ネットで営業活動を行っている不動産会社は、同様の傾向があると思います。
当社の場合の商談の流れはより細かくご説明してますので、「物件理解の流れ(お問合せ時・見学時・申込時)」をご覧ください。
初回の内見は印象や基本的な事項をチェック
初回のご見学は現地集合・現地解散が基本です。初回の物件見学においては日当たりや現地環境など基本的な事項の確認や印象の把握を行います。
当社の場合はキメ物という概念がありません。しかし、取扱いができる物件は数百になりますので、ご質問等は事前に言っていただけると対応できて、助かります。調査が必要な情報は後日になる場合があります。
複数の物件のご案内、とくに車が必要なご案内の対応しておりません。ただしご購入時期やご動機が具体的なお客様は別途ご相談させていただきます。
当たりや現地環境の確認ができませんので、夜間の初回見学は対応できません。
事務所で細かい説明や手続き
1回目の見学で購入に前向きなった場合を前提として、説明を当社事務所で行います。
物件が絞られますので、当社が気づいた追加事項の説明を提供できます。宿題というかたちで、見学の現地で発生したご質問も回答できます。お客様の不安点・疑問点の多くはこの場で解消できます。
売るべき物件のシナリオが存在する不動産会社の違って、お客様の選択に応じて細かい対応をしていきます。
ご不安が解消されれば、このときに購入の申込をいただくことになります。また、後日の契約時の重要事項説明と合わせて説明に時間をおいて時間をかけることで、「聞いていない」ということを予防することができます。
当社の場合はシツコイ営業や不要不急の煽りおりをすることはありませんが、そのことは、物件をゆっくり検討できるという意味ではありません。購入のライバルが存在している場合もあり、急がなければならない場合もあります。
手続き時には、同時に、「ローン仮審査」の申込をいただいて、審査が通るかどうか、確認をいたします(もちろんこの段階でローンに落ちる場合もあります。)
再確認のため再見学
ご要望に応じて、ローン審査と同時平行して、2回目のご見学はを対応します。2回目の見学は、日を改めて、曜日・時間を変化させた見学がよいでしょう。
(株)ロータス不動産について
- 東京都台東区蔵前1丁目8番3号 TEL)03-5809-1630 FAX)03-5809-1541
- 総武線浅草橋・浅草線蔵前が最寄です。秋葉原、新御徒町、東日本橋の各駅もアクセスが便利です。
ロータス不動産は2010年創業で着実に実績を重ねてきました。「ロータス」とは英語で「蓮の花」のことで、よく智慧や慈悲の象徴されます。綺麗ごとだけではない不動産の世界でも、良い水先案内人として、美しい花を咲かせる存在でありたいという考えています。
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