自営業の方の住宅ローン

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ハードルがありますが、自営業の皆さまの住宅ローンも対応策はあります。

物件は限られますが、フラット35は有望な選択肢と言えましょう。

銀行は、どうしてもサラリーマンや公務員の方を好む傾向にありますので、ハードルは高いかもしれません。

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自営業の皆さまが取りうる選択肢

大手銀行・ネット銀行

メガバンク等の大手やネットの銀行は、変動金利を中心に金利が安くなっています。また、物件の選択肢にも大きな制限がありません。この点において銀行はありがたいのですがハードルもあります。自己資金が(おおむね)2割必要というのがほぼ前提であり、第一かつ大きなハードルです。第2のハードルは、年収の審査が3年間分がということと、年収は納税証明(国税)等に出てくる公的なデータのみで検討対象ということです。自営業の皆様は、経費算入などにより、サラリーマンなどとくらべ、しばしば所得が低く見えることがあります。しかし、銀行系の金融機関での年収カウントは公的なデータだけです。

地域の金融機関

次に検討を進めるのは地元の地域系金融機関です。地域の金融機関として挙げられるものは、地方銀行・信用金庫・信用組合などです。

このタイプの金利は大手銀行等よりも、少し高くなりますが、2018年時点の変動金利は1%を下回ります。自己資金については、必ずしも2割云々は問われないようです。ただ年収は納税証明(国税)等に出てくる公的なデータを基本に検討します。

「メインバンク」「プロパーの金融機関」などというように、地域系の金融機関の魅力は取引履歴や縁故を重視してくれることです。業務上の借り入れだけでなく、預金などでもいいです。金融機関のつながりがある場合は、ハードルにかかわらず、お客様本来の実力を見て判断してくれることもあります。大手銀行はスコアによる機械的判断の比重が高いのですが、地域系の金融機関は人の目・信用による判断の比重が高いようで、それぞれの違いになっています。このタイプの金融機関は、不動産業者がご紹介するより、お客様ご自身が金融機関にご相談を開始していただき、不動産業者に対応をご用命いただくことになります。

逆に、これまでまったく関係がなかった金融機関ではむしろハードルが高くなる場合もあります。

フラット35

民間の金融機関で難しい場合は、フラット35でのご検討になると思います。フラット35の特徴は、若干、金利が高くなりますが、全期間固定ということが特長の住宅ローンです。詳しくはリンクから内容をご確認ください(⇒「フラット35」へ移動)。

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フラット35は政府系の独立行政法人が、民間金融機関へのバックアップを経由して提供する住宅ローンです。条件に合致しさえすれば、基本は誰でも貸してくれます。年収の推移が安定的的であれば、自己資金云々は言われません。ただし、全額ローンというのは審査場の不利になるようで、少しでも自己資金を投入していただくと良いと聞かされています。

年収は納税証明(国税)等に出てくる公的なデータのみで検討しますので、税金対策等でご収入を押さえてらっしゃる場合は、利用が難しいかもしれません。

スルガ銀行

フラット35でハードルが高い場合、検討すべきはスルガ銀行です。

スルガ銀行は貸出態度は時勢により変化します。以前は自己資金2割を要求されていましたが、2018年の時点では外国人の方を除き、うるさくは言われないようです。

スルガ銀行はユニークな銀行で、お客様の本来のご収入の実力と、家賃の支払い履歴を重視するという考え方であり、お客様へのヒアリング・面接を重視します。

ただ、景気の悪化により、貸出姿勢は変わるかもしれません。また、慎重に検討を要するべき点としては、金利は高めに設定されているということ、変動金利のみの商品というのが挙げられます。

銀行ですのでどのような物件でも大丈夫というわけではありません。聞いたことがある物件への制限をいくつか申し上げます。

  1. 旧耐震の場合はフラット35が利用できる技術基準を満たすこと
  2. 旧耐震の場合は築60年内に完済をすること

ローンを申請する場合の必要書類

必要書類については詳しくは別ページ「住宅ローンの必要書類」でも解説を立てています。ご覧いただければ幸いです。なお、確定申告を過去にしていない場合は、住宅ローンの利用ができません。

所得関係

確定申告の控え(3期分)

確定申告の控えは申告書のほかに、収支内訳書や青色申告書も必要です。申告書は受領した公印がスタンプされているものが原則ですが、e-taxで申告されている場合は「メール詳細」のプリントアウトで対応できます。

納税証明

納税証明はその1その2を3期分、ご用意ください。

年収の確認について

自営業者の方の年収の計算は確定申告における「所得金額」をいいます。「所得金額」は会社で言えば売上総利益に相当するもので、実質の稼ぎです。

世間一般では「収入金額等」を年収と呼ぶこともありますが、住宅ローンの世界では「所得金額」を指しますので、お気を付けください。

下記は一般的な確定申告書の例です。どの部分を見ればよいかをお示ししました。

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身分関係

身分証明(写真付き)、健康保険証、印鑑(認印可)、住民票、印鑑証明

仮審査の段階では認印でかまいませんが。住民票も不要です。しかし、ローンの本審査に進まれる場合は実印と住民票が必要です。

税金・年金・公課等の未納がないこと

税金・年金などに未納があると、住宅ローンの利用はできません。公課等とは税金、社会保険のことです。税金は国税はもちろん、住民税も含みます。社会保険とは健康保険、年金のことを指します。この点はここのところ厳格に見る銀行が多くなり、審査方針によっては、公課の未納がないことを確認されることがあります。「未納の有無」というのがポイントで、追納でも受け付けられない場合がありますので注意が必要です。

税金や年金は先取特権があり、住宅ローンの債権が脅かされるというのが理由だそうです。また、おそらく、信用力を確認できず、住宅ローンの審査スコアが下がることもあるでしょう。公課の未納がある場合はあきらめて、2年もしくは3年の実績を構築することを優先しましょう。

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この記事の作者

2010年から(株)ロータス不動産代表。宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター他。デリードコーポレーション(現株式会社セレコーポレーション)でマンションのマーケティング・商品企画を、ヤマト住建株式会社で建売分譲の開発と販売を経験しました。早稲田大(法)95年卒。在学中は早大英語会に所属。

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