未公開物件のメリット・デメリット

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不動産営業マンから「未公開物件」と言われれば、何か特別扱いを受けた気がします。この「特別感」こそ、未公開物件という表現を用いる目的です。ちまたで未公開物件と宣伝している物件は、本当の意味では未公開とは言えません。「あなただけ」という響きは恐ろしいものがあります。むしろ、「ゴマをすられているかも」といったように、気を引き締めるべきタイミングかもしれないですね。

ロータス不動産のサイトにおける非公開ページ(会員ページ)とは、売主さんの販売方針に基づいています。

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そもそも「未公開物件」とは何か

未公開を云々する不動産業者の広告・サイトは、だいたい以下の感じではないでしょうか。一例を挙げます。

水面下の未公開物件とは・・・
当社のみが限定して販売・仲介できる物件です。当社が独自のネットワークを駆使して仕入れた情報です。
会員登録が必要です。会員登録により、耳寄りな各種情報とご希望の物件情報をお届けします。

だいたい、以上のような感じが基本のフォーマットです。笑えるくらいに同じです。当社もサイト内でこれに近いことを記述していて、なんなのだとも思われてしまいますが、恥ずかしいので、冒頭のように売主さんの方針に依拠していますとお断りしています。

最近は、「当社の未公開は本当の未公開」という記述も出てきましたが、基本は同じです。未公開では売れないという厳然とした事実があります。それを踏まえた作戦なのです。

mikoukai

「あなただけ」という響きは気持ちが高揚しているときにはゴマをすられていると気をつけるべきタイミングです。どんな社会ステータスが高い人も(むしろ高い人ほどか?)、これでころっと殺されてしまいます。2017年末以降、2018年の現在も、詐欺まがいの投資マンション・シェアハウスで、話題になっています。

「未公開物件」という言葉も、「あなただけ」という響きを強く呼び起こさせる言葉です。「未公開物件」の定義ですが、現状では、公正取引規約や法令などによる定義はありません。我々不動産業者が住宅などの小規模物件で「未公開物件」と言っている場合は主に以下のような物件です。

不動産業者が自らの判断で公開手段を制限する物件

一般的なのは個人の売主から委託を受けた不動産業者がとる対応です。主としてプライバシーの関係から公開を制限しています。このような物件も我々不動産業者は未公開物件といっています。こういった場合は委託を受けた会社だけが公開していますので、未公開物件などということがあります。しかし厳密な意味では未公開ではありません。よく電柱のステ看板に「未公開物件」などと違法な広告を見かけますが、そのような物件です。

つぎに一般的なのは、売主は不動産業者であり、その不動産業者が一部の仲介業者のみに広告展開をさせている物件です。広告をしている業者のほうが、手数料にありつける可能性が高まります。売主があえて広告出稿者を制限すると、仲介業者は歓迎します。「建売」「条件付売地」「リフォームマンション」で未公開と称する物件はこのパターンです。広告は他社にはしてもらいたくないだけで、客付けは歓迎されます。このような物件は、当社では会員情報として物件を掲載しています。このタイプも違法な電柱広告や投函チラシで見かける「未公開」の物件です。厳密な意味では未公開ではありません。

一社に販売委託をした物件

販売ルートを絞った物件も我々の世界では未公開物件ということがあります。仲介業者に多額の広告をかけさせる場合、売主は販売ルートをしぼって特命で1社だけに販売を委託する場合があります。特権的に1社だけが販売できる意味では、未公開とも言えますが、公開していることには変わりません。新築マンションと同じ事業スキームです。後述しますが、こういった物件は市場の評価に洗われないという方針をとっているため、おおむね割高です。

販売公開前、あるいは直後の物件

単に情報が広く伝達していない状態であれば、未公開物件のような錯覚になります。これまで、インターネットが日常生活に入る以前は、不動産情報は不動産業者が独占していました。消費者は不動産情報は不動産業者から得るものでした。このような時代の不動産販売戦略では、「未公開物件」というフレーズは容易に効果をもたらしました。しかし、多く情報が容易に伝達可能な状態になったいま、便利になった一方で、かえって氾濫するようになりました。実際には公開しなければ情報を伝達することはできませんから公開してるわけですので、堂々と「未公開販売」と言っているのは変な話です。

耳触りのいい「未公開物件」という言葉

人は耳触りのいい言葉しか耳に入りませんし、目に入りません。「あなた限定の未公開」と言われれば、特別扱いされたと感じます。たいへん嬉しい気分になります。そこに付け入るのが不動産業者の狙い目です。未公開物件と言われたらダマされている可能性を警戒してください。「未公開」と不動産業者が言っている物件は、実際には単に、「見学のルートが限定された物件」にすぎず販売上の演出にほかなりません。むしろ多くの市場の人の目を経ていない分、割高な可能性があります。

いまはインターネットで不動産を探すので、情報収集は容易です。インターネットでは似たような物件情報が多いのも実情です。情報自体は集めることが容易な状況です。希望の条件を限定すれば、探すべき物件はすぐに見尽くしてしまいます。そのため「未公開物件」自体は以前よりも重宝されます。お客様の側でも、未公開か気にされる方は、まれにいらっしゃいます。不動産は、公開せずに売れることはありません。

落ち着いて考えればそのことは十分に理解できます。買主が可能な限り安く買いたいのと同様で、売主はできるだけ高く、所有している不動産を売却したいものです。それなのに、売却委託を受けた物件を、インターネットに出さず、「未公開」と称して販売していたら、どうなるでしょうか。間違いなく販売委託を解約されます。ひどい場合は、法律的な背任を追及されるでしょう。このように、未公開物件という用語は、論理的には破綻していますので、「未公開物件」という存在は、人々の心の迷いが生み出した、インターネット時代には都市伝説と言えます。

次に、未公開物件の弊害を見ていきましょう。

未公開物件の弊害

作戦として出されている物件ですから、弊害というべきかわかりませんが、買主側には不利な側面もあります。

1.割高である

上記の通り、「未公開」というのは、販売上の演出にすぎません。しかし、この手の販売形態の物件なのですが、割高な価格であるのが実情です。とくに販売の仲介業者を1社に絞ったタイプは危険です。「未公開」という販売上の演出に説得力を持たせるためです。未公開にするのは、販売ルートを限定してお客様には他と比較させないのが目的です。「未公開」「当社だけ」という状況を作ります。「希少性」の演出をします。もちろん、この販売手法は売主も承知しています。このような手法により、お客様には他と比較しづらい状況をつくるのです。お客さんを囲い込みやすい状況を作る点では、分譲マンションのモデルルーム販売も、原理的には同じです。

2.アオリが利く

更によりよくないのが、アオリが利く環境へ、買主が自分自身で追い込まれていくことです。「あなただけ」と甘い言葉をささやき、他では買えないと訴えるわけです。消費者の冷静な判断を少しづつ奪っていきます。アオリが利いてくれば、お客さんは焦ります。勢いで申し込むようになります。それが不動産業者の狙いです。このような販売業者は「販売力」を売りにしている業者です。実際に問い合わせをすると、営業がしつこいはずです。実をいいますと、本当は売主は販売ルートを絞りたくなどありません。販売ルートが少数に絞ると、売れるスピード感が遅くなります。誰がやっても売れるような物件、割安な物件では、このような手法は不要です。
しかし、割高なのは売主が一番承知しているので、希少性の演出をして販売にプレミアム感を出して、割高な物件の販売にチャレンジするのです。

3.オトリ・ウソ広告

最近では少ないと思いますが、未公開物件云々をいう不動産業者の場合、物件そのものが存在しないおとり広告の場合もあります。
しかし、そうでなくても、表に出している情報が絞られています。とにかく反響を集めようと考えるのもこのタイプです。集まった名簿でどんどん営業をしようと考えるタイプといえます。

本当の意味での未公開物件

しかし、諸般の事情により公開をできない物件も、不動産取引の世界では存在するも事実です。本当の意味での未公開物件です。結論からいいますと、このような物件は買取業者(買取を専門とする不動産業者)に事業用として紹介されます。自分で言うのもなんですが、弊社も良心的な不動産業者のうちの1社を自任していますが、それでもやはり、一義的にはこのよう物件は、買取業者に紹介します。買取業者は利益になればどんな物件でも検討が可能ですので、個人のように条件を付けません。最近の価格上昇のトレンドにより、個人の価格認識に近づいてきています。個人は、どうしても以前の不動産価格のトレンドの印象に縛られてしまいます。不動産業者は判断が早く、資金力があります。つまり、スピード感がある検討が可能です。このように個人と不動産業者の情報環境は、購買力に圧倒的な差があります。さらにいうと、このような流通状態での「未公開物件」は取引上の瑕疵があることも多く、一般個人向けとしては、若干の問題があることが多いです。

「未公開物件」と言われても石っころの物件もあります。不動産業者の営業トークでも、訳アリ顔のヒソヒソ話で「未公開物件でたいへんお得です」と紹介する物件するならば、「なぜ不動産屋が買わないのか」と鋭く質問をしてみるべきです。

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