団信(団体信用生命保険)に加入できないとき

金融機関の団信に加入できない場合の対処方法

団信の加入が必須ですので、健康的な事情により住宅の取得を諦められる方も多いのですが、必ずしもあきらめる必要はありません。団信非加入もしくは別途団信により対応できる場合があります。なお、糖尿病などでも軽度の場合は普通の団信でも通る場合があります。当社では投薬量の明記と通常の健康診断あるいは健康診断の添付により通したことがあります。微妙かなとお感じの方はあらかじめご相談ください。

ワイド団信

健康上の理由で通常の団信保険への加入が認められない方でも、料率は高くなりますが、ワイド団信というものに加入できる場合があります。0.3%程度は実質金利が上がりますが、多様な疾病経験に対応しており、住宅ローンが拒絶される可能性は低くなります。病気のおかげで住宅ローンをあきらめていた方も、相当数適用されているようです。例えば「うつ病」の既往がある方は一般的な団信では謝絶されますが、当社でもワイド団信では通したことがあります。通常の団信はいわゆる漢字生保が引き受けているのですが、ワイド団信はいわゆるカタカナ生保が引き受けているようです。

ワイド団信みずほ銀行の場合(※説明のためのリンクであり、上記のご担当者さんのお話とは無関係です。)

配偶者の連帯保証による団信加入の回避

団信以外の方法としては、配偶者の連帯保証を条件とした団信未加入による住宅ローンを認めている金融機関もあります。この場合はローンの事前審査の段階で生命保険会社の団信の審査を先に実施して、団信に加入ができないことを明確にする必要がありますので、実印のご準備ください。この対応では、銀行により細かい条件の違いがありますので、団信未加入の住宅ローンの詳細はご相談くださいますよう、お願いいたします。

フラット35

フラット35においては、団信は非加入の選択も可能です。なお、以前は加入を選択するという考え方でしたが、平成29年10月1日以後においては、非加入を選択するという考え方となり、団信付が原則となりました。入らない場合の金利は、商品提示金利の-0.2%です。以前は加入する場合は0.3%余りの金利でしたので、少し安くなったといえます。

コロナで不動産相場は大暴落するか

週刊誌やネットの記事など、巷間では、不動産の相場は今後は半値だとか7割減だとか言われます。ほんとうでしょうか。よく「都心の不動産価格は日経平均と連動する」と言われています。リーマンショック(2008年)のとき、株価はショック発生以降、最安値では半値(7000円台)になりました。今後の不動産相場では、経済に大きな影響が発生したとき、実際には、どのような動きになるのでしょうか。

売却の相談にしろ購入の相談にしろ、油断はいけまえせんが浮足立つことはないですし、暴利もむさぼれないのではないかと感じます。

リーマンショック以降の動き

23区の不動産は5つのベクトルに分解することができます。つまり都心城東・城南・城西城北の5つのエリアです。これらの地域はリーマンショック以降どのような動きを示してきたのでしょうか。気になりましたので、グラフを作成しました。下記のグラフです。

相場変動
(レインズ:「マーケットデータ」より抜粋して作成。http://www.reins.or.jp/library/)

このグラフは、1)左軸で、2009年1月を100としたときの都内各エリアの変動比率を表現 2)右軸で日経平均株価を表現しています。

「リーマン」のとき都内不動産の下げ幅は10~15%

これによると、実は、リーマンショックのときでも、東京の不動産価格は、概ね1割の下落でした。城西・城南・城北は同様の変動率を示しています。もっとも、地域によって変わりますが、その後の東日本大震災を経て、不動産価格はさらに5%~1割ほど下がりました。「リーマンショック」というバブル崩壊の事象を境目として、15%~20%ほど下がったと考えることができます。

10~15%の不動産価格の下落と言えば、3000万円のエリアで300~450万円の変動幅ということで、6000万円のエリアならば、600~900万円の変動幅となります。おおむね不動産実務の感覚に近いのではないでしょうか。

その後、不動産の価格は最も安いときから比較すると4割上がりました。4割上がるということは、3000万円のエリアなら4200万円になるということです。東日本大震災の後から比べると、不動産実務の感覚に近いかもしれません。ただ、東日本大震災の時の不動産価格が正常な不動産価格かといえば、そうは考えづらいと思います。アベノミクスが始まった初期ぐらい、2014~2015年の空気感と比較すれば、東京の不動産価格は1割ぐらい上がったと言えるかもしれません。

城東エリアは値上がり・都心エリアは振れ幅大

ちなみに、この期間でも城東エリアではむしろ値上がりをしています。これは変化が著しい湾岸エリア(江東区)がありますし、スカイツリー効果もあると思います。ただ、よく言われている、もっとも大きい要因は、少子化と所得減少に伴うライフスタイルの変化かもしれません。

城東エリアは利便性に比べて、城西・城南エリアと比べると価格が安い傾向にありますので、安・近・短が見直されたためだと言われています。

またこの期間は都心エリアの値下がり率が最も著しくなりました。これは、高額である分、価格が振れる幅が大きいためだと思います。人気があるがゆえに上がる幅も大きいが、下がる幅も大きかったということです。

都心のケースで言えば、最も安い時期から比較すると50%増という展開になっています。

なだらかな一戸建ての動き

以上のお話はマンションの話です。それでは一戸建てはどうでしょうか。一戸建ての相場の動きは、リーンショックでは1割ほど下がりましたが、その後の動きはなだらかです。おおむね安定した相場になっています。上がれば反動の下げも厳しいですが、安定していれば、下げの影響はあるにせよ、大きく影響を受けることも少ないと見られます。

このことを示唆する有名なデータですが、国土交通省が集計している「不動産価格指数」というものがあります。「首都圏」と言える南関東のデータを見てみると、マンションがドンドン上がっていき、一戸建ての価格変動は緩やかだったということが見て取れます。むろん、新築・中古の別、人気エリア・普通エリアの別はあると思いますが、おおむねなだらかな状況だったとは言えるでしょう。

住宅価格指数

不動産は相場の動きが緩やか

株も不動産も身近な市況商品(相場でかわるもの)ですが、値動きは少し違います。一つ大きな経済イベントがあれば、ドンと市場の変化が起こるのが株式です。株価はリーマンショック起こると大きく値下がりをして、アベノミクスが始まれば大きく値上がりしました。コロナによっても、市場は大きく変化しました。

nocorona

不動産は売出数と日々の価格改定で調整

不動産は価格で調整するのではなく、むしろ、現場すぐに反応があるのは、まずは取引量による調整です。価格が上がれば、取引件数が少なくなることで調整をします。具体的に言うと、取引量がさがるということであり、売り出し物件が減るということです。価格が下がれば取引量は増えます。

むろん、コロナの影響で人々の気持ち沈むと、需要が減るわけですが、いきなり価格が下がるわけではありません。不動産市場では、売り出し物件が減るという動きが生じます。また、個々の取引では、将来の下落を予想して、人気物件を除き、100万~200万円の幅で日々の価格改定により価格調整が行われるようになります。価格調整後の価格設定は次の新規発売に影響を与えて、新規売出価格が下がります。

なお、日々の価格改定により価格調整がすすんでいることから、価格交渉が決まることは意外と少なくなります。むしろ価格改定がなされており、調整は終わった印象をうけます。いまは買主が群がるようになるので注意です。

ご所有物件の売却を検討されている方は、表立って価格が下がるかどうか、見極めが大切です。

良質で価格的にも適正な物件は、このような事情でも比較的人気の高くなります。買主による購入競争さえ、行われることもあります。質が劣る方の物件は価格で勝負をする作戦をとりますので、相場を下げる主導役となります。値段が出てくれば値ごろ感は出て契約が決まっていきます。しかし、数年単位で見ると、質が劣る物件の値下げに誘導されて、良質な物件の売り出し価格が下がります。デフレスパイラルです。しかし、一気にデフレになることはなく、このような動きを半年・年単位で進めるようになります。

オリンピックがあっても同じ

2020年に予定されていた東京オリンピックが延期となりました。筆者自身も楽しみにしていたので残念なことではありますが、世界がこうなってしまったのですからやむをえません。

仮にオリンピックがあればどうなっていたでしょうか。コロナ前、週刊誌やネットの記事などを通して、世間では大幅な暴落があるなどと煽っていましたが、コロナの前の不動産の実務者の感覚では、「あまり関係ない」というところだったと思います。建築費が下がらず、土地価格が下がらなければ、不動産価格が下がる道理はありません。もっとも、上がることもなかったと思います。

コロナショックによる調整幅はどれくらい?

しかし、株価と不動産は同列には比較はできません。一方、不動産価格は何かのイベントで大きく値上がり・値下がりするということはありません。不動産は価格に反映されるの時間がかかり、経済変動の変化にゆっくり追いついてきます。大きな経済変動が起これば、不動産は株とは異なり毎日頻繁に価格が公開されているわけではありませんので、激しい値動きはありません。

コロナショック後、株価は17000円台まで落ちましたが、その後、経済政策の発表と緊急事態宣言により株価は戻して、2020年4月上旬の時点では、株価はおおむね19000円台です。つまり、ショック前は24000円台でしたから、株価は2割下がりました。批判はいろいろあるにせよ、平成バブル、リーマンショックと同じことは繰り返したくないと思いますので、従来よりはスピーディで思い切ったと同じ日本人として感じました。

それはともかく、これを暴落とみるのであれば、不動産はも影響はありそうです。日経平均と連動するのだとすれば、コロナショック発生から半年から1年の時間をかけて、8%くらいは下がるかもしれません。8%くらいの調整であれば、3000万円の物件が2760万円になり、6000万円の物件が、5520万円になるということです。

ただ、落ち着いてみれば、このレベルならば、日ごろの不動産が値下げしてや価格交渉で価格調整しているのと同じようなレベルが、顕在化してくるだけかもしれません。当社では「マンションカタログ」というページには物件ごとに価格履歴を掲載していますが、ご確認いただけると思います。

そして、後述のように、今後は空前絶後ともいえる金融緩和がありますので、いづれ2018年・2019年のレベルに復元して、行ったり来たりするのではないかと思います。

住宅はいわば息の長い投資です。「住宅を買う理由」という記事でも記しましたが、住宅は感情がこもった資産でもあります。投資であるだけでなく、一家のヒストリーが刻まれる資産です。現下の情勢でも、長期で考えれば、価格は復元することも考えられるので、気に入った物件、必要な物件については、現時点での適正価格であると見極めができれば、十分検討すればいいんじゃないかと思います。

新築は広くなる

新築の下落が進むとすれば、床面積単価の下落が進む方で進みます。販売総グロス価格が下がるのですが、都心など集客ができるエリアでは、面積が広くなる方向で修正が進むかもしれません。

金融政策で変わる不動産

融資(ローン)が出るから物件が上がる

不動産相場は経済の大きな流れに沿って変わっていきます。ジワジワと影響を及ぼしていきます。最も大きな経済の流れとは金融政策です。不動産の価格は金融政策で価格が少しづつ変わっていく。バブルの崩壊も経済イベントとしては大きい変動ではありますが、そのときに生じる需要の増減で変わるわけではありません。

これを、もっとわかりやすく言えば、「銀行がお金を貸してくれるか相場が上がる」「お金を貸さないから相場が下がる」ということです。

下のグラフは日本銀行が発表するマネタリーベースの推移です。要するにどれだけお金が銀行に出回っているかの数値ですが、うなぎのぼりです。つまり、金融緩和がドンドン進んでいます。日経平均も不動産価格もこちらに連動していると考えた方が自然かもしれませんね。

マネタリーベースの推移

ローンは業者が借りるプロジェクト融資と消費者の方々が借りる住宅ローンがあります。業者は信用力に応じて、際限なく借入額を上げることができます。コロナ前、新築マンションはドンドン値上がりしていましたが、今の時世に新築マンションを出せるのは、財閥とそれに次ぐ大手だけです。このような企業は信用力があるので、たとえ荒唐無稽な販売価格になろうとも、借りたければ資金はどんどん出ます。つまり、高いか価格で販売することになります。

一方で、消費者が借りることができる住宅ローンは所得の範囲が上限です。所得の上限を超えた価格設定になってくると、その地域では相場の調整が起こります。2018年・2019年の相場上昇の頭打ちは、このような背景があったのではないかと思います。

金融緩和が進むと上がるのか?

コロナショックをきっかけに、日本以外でも、アメリカ、ヨーロッパ、中国と、世界的には金融緩和がドンドン進んでいます。これは金融から景気を下支えするためです。今起こりつつあるコロナショックの特長は、金融機関は健全であるということです。

「ばい菌」であるコロナはしつこく長引くとは思いますが、いつかは終息します。コロナが終息した後には、金融マーケットを中心に溢れるようなマネーが残されるわけですから、それらは再び不動産や証券投資に向かいます。

つまり、生き残った不動産屋さんには、「借りてくれ」「借りてくれ」と来るようになります。消費者には住宅ローンを借りる敷居が下がります。日本人は新しいことは苦手ですが、学習は得意です。平成バブル、ネットバブル、リーマンショック、東日本大震災と、大きな経済難を経験してきました。今後、お金がさらに借りやすくなった結果、再びバブルが燃えあがり不動産価格が上がることも、視野に入れるのも大切かもしれませんね。